いつか君に伝えたい。

ゆこ

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本編

思い出のアイス~ななみside~

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華も柚希もいなくなってしまった。

私、初対面苦手なんだよね。
帰ろうかな....
そう思った時ハルが口を開いた。

「ななみ...って反町シェフって知ってる?
俺な、反町シェフの弟子になりたくてこっちに引っ越してきたんだ。」
真剣に私を見てきた。
反町シェフって島唯一のケーキ屋さんのシェフ。昔フランスへの修行に行き、島に戻ってきた有名な人。噂によるとフランス修行時にコンクールの賞を沢山とったとか。

「知ってるよ。島で有名だもん。お店行く?」
「手土産持ってきてないし、また今度にするよ。ななみ、ありがとうな。」
ハルは、私の頭をワシャワシャしてきた。
「やーめーてー髪が...」
「ななみの毛サラサラだなーーあ!!」
ハルは、カバンを漁っている。
あった!ってマドレーヌを出してきた。
「なにこれ?」
「マドレーヌ。俺の昨日作った新作。
ななみにやるよ。焦がしバターを使ってみたんだ。」
袋から焦がしバターのいい香りがする。
「ありがとう~」
「どういたしまして。美味しいぞ?いつでもいいから感想聞かせてくれ。....あれ?今何時だ?」
カバンを漁り携帯を探すハル。
ななみは腕時計を見る。
「16:45かな?」
「ああああああ!!!牛乳買って来いって言われたんだった気づいたら1時間経ってるやん!ねぇ、ななみ!スーパーどっちだ!」
「スーパー?あっちだけど。ここから走ると30分はかかし、うねうね道だよ。大丈夫?」
スーパーの方を指を指した。

「まじか!ななみ着いてきて!」
ハルはななみを引っ張って走り始めた。

ななみが途中で右左言いながら走った。

「着いた!走って20分で着くじゃん!」
「はぁっ...むり...早いって....ばか。」
「ななみ、体力無さすぎだろ。ほら入るぞ。」
手を繋いだままスーパーに入る。
 
ハルはスーパー内を早歩きで牛乳売り場を探す。
「....ねぇ...ハル...?」
「なに?急がないと!牛乳...あった!これでいっか。」
顔が熱い。だって、手を繋ぐし、急に走り出すし。
「手を...///離して貰っていいですか?///」
「あ、ごめん。」
手を離した。
絶対顔赤い。初めてだった。男の人とこんなに手を繋ぐ事。恥ずかしくてハルの方向けないや。


気づいたら会計は終わってて、外に出た。
ハルは袋からものを取り出し、ななみに渡していた。
「ほら。やるよ。あっちーな!着いてきてくれてありがとうな。」
2個入りのアイスを半分くれた。
顔が赤いのは、恥ずかしいから走って暑いからってことにしておこう。
「ありがとう。本当だよ!急に走るんだから!ハル急いでるんでしょ?早く帰ろ!」
「あーいいや!歩きながら帰ろーぜ。もっと島のこと教えてくれ。」

この後、ハルと沢山話しながら帰った。
ハルは家近くまで送ってくれた。
同じクラスになるといいなぁ。
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