仮面を被った彼女は公爵邸でもう一度恋をする

ARIA

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1章

好きなあなたとなら

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「シエル!」

「なんだよお前…うるさいな」

その少年はため息をついたがどこか嬉しそうにいう

「ここの公爵邸ってなんで誰も住んでないんですか?こんなにも広いのに」

「ここはな将来手柄をあげた奴に下賜したり、姫や王子が将来ここで住むんだ」

「へぇー」

「ここ将来の俺たちの新居にするか?」

「シエルとなら…悪くないかも」

「なんで俺とならいいんだよ」

「…秘密!」



「公爵様?」

いつの間に寝ていたんだ?俺は

幸せな夢を見たような

奥で何か音が鳴る

「ユリ?」

なんで…あいつのこと思い出すんだ?

「私はジークと申します。公爵さ…」

俺は彼を無視し、3列奥の思い出の場所に行く

「…」

そこにいるのは誰だ?

暗黙の了解でここには誰も来ない…他の貴族でも…だ

「おい」

「は、はい!公爵様」

「なぜここにいる?」

「私…ここに来たのに意味もありません」

ああ、やはり似ている

「なぁお前夜に俺の部屋に来い」

「え…え!?」

「2度言わせるな」

あの女は死んだのに…何故あんなにもあの女のことが気にかかる?

俺があの女を好いてるとでも言うのか?

そんな感情なんて…もうない

「だいたいあの女はいないんだ」

手に届かない存在

「公爵様?」

「待ってる」

ああ、これだから嫌だったんだ…誰かに心を許すのは


「どうすればいいの?」

ラナ様に1度もシエル様のお渡りがなくて…噂されるだろうし、ラナ様にも…

あれ?アイザック様にも来いって言われてたよね?

アイザック様の所行ってからでいいかな?

「ラナ様、私少しお出かけして参ります」

ラナ様の元に行く

「気をつけて行ってらっしゃい」

「はい、おやすみなさいませ」

外に出ると夏の夜なのにどこか涼しかった

「あの日みたい…」

それを考えると周りから何か出てきそうだった

「走ろ」

兄様が生きていたらみっともないと怒られるかな?

姉様に見つかったら叩かれちゃうかな

あの広い宮を全部まわってみたら楽しかったかな?

「アイザック様…」

走っていると前に見覚えのある背格好が見えた

「マリー、私の部屋に?」

「ええ、アイザック様」

「この後用事はありますか?」

「はい、旦那様に」

「旦那様に!?わかりました…それでは旦那様をお待たせする訳には参りません。私の用は大したことないので大丈夫です」

「そうですか…?わかりました。では失礼します」

「はい」

旦那様…いやシエル様は今も…優しいままなのかな?

それとも…いや、考えるのはやめよう

「失礼します。旦那様…マリーでございます」

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