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ご対面
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「面を上げよ。よくぞ参った。その子達がそなたらの子か?噂の通り可愛らしいお嬢さんたちだ。」
頭を上げると、威厳のある声に負けない、堀の深い顔のがたいの良いおじ様がいた。
「はい。陛下。娘のシエンナと息子のアルです。」
「お初目にかかります。陛下。シエンナ・オッズレンと申します。」
「弟のアルです。」
「娘のエルンダです。」
「エルンダ・ミルドです。」
「利発そうな子達だな。私にも息子がいるんだ。フィル。」
「グラーク国第一王子フィラード・グラークです。」
サラサラの金髪と陛下と同じ紫色の瞳を持つ綺麗な少年が出てきた。優雅な微笑みを浮かべながら、自己紹介をする。お父様達が、改めて礼をとったのでそれに続いて私たちも頭を下げる。
水色のふわふわのドレスの裾を見つめながら私はなんだか違和感を感じていた。見覚えは、やっぱり少しもない。
だけど、あの少年めちゃくちゃ不機嫌じゃない??
微笑んではいたけど、目が笑ってなかったというか、にこやかさが一ミリもない感じがした。なんというか・・・怖い。
「フィルは9歳になる。歳の近い令嬢達との親交を深めてもらいたくてな。今、ちょうど中庭の花も咲きはじめた頃だ、お茶でもしてってくれ。」
所謂婚約者候補というやつだ。
そして、お父様達は陛下と話をするため子供達だけ中庭に案内されることになった。
殿下は騎士とともに前を歩き、その後ろに私たちが続く。
大きな窓から日が差す廊下を歩きながら改めて、殿下に一目惚れをしなくて良かったー!と安堵していた。
私にとって、この世界で悪役令嬢かもしれない可能性があるなら、殿下はなるべくお近づきになりたくない人物だ。それに、殿下がこんな綺麗な顔なら攻略対象者の可能性が高くなり、乙女ゲームの可能性も同時に高くなる。
今のところ、殿下の第一印象は怖い人だ。
きっと立場とかもあるから、感情をださないようにしてるんだろうけど、まだ9歳よ!?何考えてるかわからないし、あの綺麗な笑顔がより怖さを引き立ててるわ。なんだか仮面をつけているみたいで、ホラー映画のピエロを思い出してしまって、とにかく怖い。
エルンダ嬢を見ると、目をキラキラさせて殿下のことを見つめている。わー女の子の顔してる!かわいー!和むー!
頭を上げると、威厳のある声に負けない、堀の深い顔のがたいの良いおじ様がいた。
「はい。陛下。娘のシエンナと息子のアルです。」
「お初目にかかります。陛下。シエンナ・オッズレンと申します。」
「弟のアルです。」
「娘のエルンダです。」
「エルンダ・ミルドです。」
「利発そうな子達だな。私にも息子がいるんだ。フィル。」
「グラーク国第一王子フィラード・グラークです。」
サラサラの金髪と陛下と同じ紫色の瞳を持つ綺麗な少年が出てきた。優雅な微笑みを浮かべながら、自己紹介をする。お父様達が、改めて礼をとったのでそれに続いて私たちも頭を下げる。
水色のふわふわのドレスの裾を見つめながら私はなんだか違和感を感じていた。見覚えは、やっぱり少しもない。
だけど、あの少年めちゃくちゃ不機嫌じゃない??
微笑んではいたけど、目が笑ってなかったというか、にこやかさが一ミリもない感じがした。なんというか・・・怖い。
「フィルは9歳になる。歳の近い令嬢達との親交を深めてもらいたくてな。今、ちょうど中庭の花も咲きはじめた頃だ、お茶でもしてってくれ。」
所謂婚約者候補というやつだ。
そして、お父様達は陛下と話をするため子供達だけ中庭に案内されることになった。
殿下は騎士とともに前を歩き、その後ろに私たちが続く。
大きな窓から日が差す廊下を歩きながら改めて、殿下に一目惚れをしなくて良かったー!と安堵していた。
私にとって、この世界で悪役令嬢かもしれない可能性があるなら、殿下はなるべくお近づきになりたくない人物だ。それに、殿下がこんな綺麗な顔なら攻略対象者の可能性が高くなり、乙女ゲームの可能性も同時に高くなる。
今のところ、殿下の第一印象は怖い人だ。
きっと立場とかもあるから、感情をださないようにしてるんだろうけど、まだ9歳よ!?何考えてるかわからないし、あの綺麗な笑顔がより怖さを引き立ててるわ。なんだか仮面をつけているみたいで、ホラー映画のピエロを思い出してしまって、とにかく怖い。
エルンダ嬢を見ると、目をキラキラさせて殿下のことを見つめている。わー女の子の顔してる!かわいー!和むー!
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