羽の生えた男

夜の住宅街を男が一人歩いている。
住宅の明かり。街灯の明かり。夜空はそれらに照らされ、見上げても星を見ることはできない。
そこに必ずあるはずのものを、見ることができないというのはなんだか悲しい。
 だがそもそも男は空を見上げない。男には空を見上げる元気がない。
 男は疲れ切っている。なぜなら、男は毎日あることを隠しながら生きているのだ。
 男には、羽が生えている。
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