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交渉

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私のご主人様がリンなるケモノ娘を探しに行ってしまわれました。
まさかそこまで獣人にご執心とは思いませんでした。

羨ましい…私もご主人様にそれほど想われたい。
安易なケモ耳を装着すればあの夜の悪夢が帰ってきます。どうにか根性で生やすか、ご主人様を性欲に溺れさせて身も心も私一色に染めるしかありませんね。

また仲間達と話し合いをしないといけません。

ご主人様快楽堕ち作戦についてはまたにして目の前の事を片付けて行きましょうか。

「それでは王妃様でしたね。ご主人様に代わりまして私が交渉役を務めさせて頂きます。おそらく大丈夫でしょうが私達女二人だけになったからといって其処の愚者共のように反旗を翻すような真似はおすすめ致しませんよ。」

ご主人様はいきなり先手で殲滅するのを嫌がる。初めは警告、ふふご主人様好みの女をしっかり努めます。
つい笑みが浮かんでいたようで目の前の女が少し震えました。

王妃と名乗りながら情けない事です。

「も、もちろんその様な事は考えておりません。」

「そうですか、私としてもまた同じ事を繰り返すのは飽き飽きしますので良かったです。では、こののたうち回る者共についてお話しましょうか?」

「え、えぇ…。」

王妃が連れて来たであろう騎士達が少し距離を詰めていたので牽制は入れておきました。
襲って来てくれた方が手間を省けましたが致し方ありません。

「率直に申し上げますとこの者達の両足を全て元通りにして差し上げれます。」

「え!?本当ですか?欠損は余程高度な回復魔法でなければ治せないはずですが…。」

「貴女は私達をかなり警戒してはいるようですがまだ甘いですね。この程度なら私達なら容易く治せます。」

「………で、では治して頂けますか?」

まぁそこに帰結しますよね。
ですが、タダで治してあげるほど私は優しくありません。

「散々犯罪者扱いされた挙げ句襲われなのに治療をして差し上げる、さてこの国の王妃様はどれほどの対価を払って下さるのでしょうか?」

「うっ…。」

まさか王妃もタダでとは思っていないでしょう。
考え込む王妃、それを終始見ていた騎士の一人が我慢の限界を超えられた。
忠誠心が高いのは良い事ですが小物の出番では無いでしょう。

「貴様、先程から黙って見ておれば王妃様に対して何たる無礼か!!許さ」

「我が命により召喚せよ、『新宿二丁目の心は女の子な人アケミちゃん』」

今にも剣を抜かんとしていた騎士の前に現れたヤオイの召喚人。
ピンクの口紅をこれでもかって唇に塗りたくった心は女性な人。お昼過ぎだから無精ひげがちょっとアピールしちゃってます。

「アケミちゃん、挨拶は抜きでそこの騎士の相手をしなさい。」

「はぁーい、かしこまりん!!」

律儀に跪こうとしたアケミちゃんを制して騎士の相手をさせる。
クックのご主人様至上主義と違ってアケミちゃんは好き嫌いが少ない。

「な、なんだ!?この化け物め!」

「あら嫌ん。化け物なんて言っちゃダ・メよーん!!」

眼前へ振り下ろされる剣を体格にそぐわない動きで華麗に躱して腕へ絡みつく。

「良い男ねぇん。アケミちゃんがタップリ相手してあげるん!」

「や、止めろおぉぉぉ!!!」

人気の無い物陰へ引きずられて行く騎士。
他の騎士達は呆然と眺めるしか出来ない。下手に関われば同じ目に遭いますものね。

「さて改めて邪魔者は居なくなりましたので聞きますね。対価はお幾ら払って頂けますか?」

「…………。」

ご主人様、しっかり搾り取って見せますからね!



余談ですが物陰に連れて行かれた騎士はそれ以降男性好きの心は女の子になったそうです。

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