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奥の手
しおりを挟む王都の乗り込み前に何故か身内同士の戦いが始まってしまった。
あっちは自室に引き篭もって支援しているニトを除けば6人、対してこっちは俺たった一人。
でも、俺は屈するつもりなんてないし負ける気は一切ない。
これは強がりでもなんでもない。
配下と俺との戦闘力にはそれだけ差があるってことだ。
まずこっちは彼女達の生みの親、どんなスキル構成とか戦闘時の行動はたまた性格まで熟知している………つもり。
それに運営様から発表された廃課金者専用のスキルまで購入している。
一つ5万と馬鹿げた値段だが運営の悪ふざけが詰まったチートなスキル。
あいにくそれらのスキルをアイリス達は知らない。買ったは良いけどチート過ぎて一度しか試しに使わなかったからだ。
これらを考慮すれば負ける可能性は無い。
「リリーにメシア。まずはご主人様の動きを封じる魔法をお願いします。ニトは結界内の私達限定で攻撃力と防御力を上げて下さい。」
「「はい!!『は、はい!!』」」
早速アイリスが的確に指示を出していく。
素直にシルヴィア達全員で特攻してくれればもっと容易いのに。
リリーの茨が俺を拘束せんと迫ってくる。
広いとはいえ部屋の中だよ。
流石に俺が主だからか棘は付いていない。そんな優しさがあるならどうして寝込みを襲おうとするのか。
溜息を吐きつつ自然操作で生み出した風で切り刻んでいく。
リリーの魔法は普通の相手なら一方的に蹂躙出来る威力を持つけど、ただそれだけだ。
本当に厄介なのはメシアの方。
何の詠唱も無しでニト並みの障壁を簡単に打ち消して焦土や凍土に変える実力を持つ、暗黒神の名は伊達ではない。
でも、メシアには弱点が2つある。
まず一つはわざわざ詠唱をするしかもやたら長い。
「大罪よりもたらすは怠惰。血が黒く深く染まりし時に…」
ほらあと一分くらい続くよ。
そして、もう一つの弱点は純真純情な性格。
俺はリリーの茨を切り落としながらメシアに語りかける。
「メシア本当に俺を襲うつもりか?」
「………そ、蒼穹に当て返し三日月は」
チラッとこっちを見てまた詠唱を続ける。
なら、こっちも話を続ける。
「俺の貞操を奪うって言うのはピーをアレしてバケツにピーピーしてピーすることだぞ。そして、お前はプリンでピーピーになるんだ。それでも襲うのか?」
「…………………。」
はい、真っ赤なトマトの完成。
頭をフラフラさせて思考停止。
こんな可愛い女の子にガッツリの下ネタ。
申し訳なさと背徳感が入り交じって興奮す…じゃなくて辛い。でも、俺の貞操の為に許して欲しい。
これでメシアの無力化に成功。
リリー単体の魔法なら自然操作だけで対応出来る。
余裕が生まれたのも束の間、茨の排除に集中する俺の死角を狙うように3つの異なる攻撃が襲って来た………下半身に。
「くっ…『簡易障壁』!!」
シルヴィア達か。
簡易障壁ではあの同時攻撃は数回しか耐えられない。
もう使っちゃおう。
公式チートスキル。
『運営(小学生)が考えた最強無敵絶対バリア』
名前がふざけ過ぎなスキルだけど効果は名前通りの効力。あらゆる攻撃を絶対に防いでくれるすっげぇバリアなんだぜ。
スキル持続時間は120秒。
再使用までの時間は360秒。
これはセーフティアでも配下の前で使ったことは無い。突然現れた虹色に光る障壁にシルヴィア達の攻撃はことごとく弾かれていく。
見た事のないスキルに動揺してくれている。
どうだ、これが廃課金プレイヤーのド卑怯な戦い方だ。
「くっ…ご主人様そんなスキルを保持しているとは。私の知らないご主人様がまだあるなんて知りませんでした。」
「どうだ、これが金の力だ!さぁ諦めて各々の寝室に戻りなさい。」
例えこのスキルが時間で解けてもまた再使用まで躱し続ければ問題無い。
俺の持久力は並じゃないよ。
「ご主人様素敵です…ですが、まだ諦めるつもりはございません!私達は絶対にご主人様の子種を手に入れるんです!!」
なんて宣言だ。
でも、本当に瞳には諦めを感じられない。
「皆さん、アイテムボックスから奥の手を装着して下さい!!これでご主人様も籠絡して頂けるはずです。」
「「「おう!!!」」」
そして、彼女達が取り出したのは様々な種類のケモ耳型のカチューシャ。
それを全員が付けていく。
「どうですかにゃん、ご主人様。」
俺のケモ耳好きを利用したか……。
それは無い。
配下達は俺と作者のケモ耳愛を怒らせた。
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