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迷宮3

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骸骨討伐から更に迷宮を進み、50階層一歩手前の49階にやって参りました。
コロックさんが教えてくれた冒険者の最高到達地点を越えた。
だが、ここで問題が。

ボス階層へ続く階段前にしっかりとした野営地が完成されている事。
魔物対策か木材で作られたバリケードまである。長期の滞在を目的とした設営がされている。
クロコ程ではないけど気配には少々敏感。何人かの人の気配を感じる。

更に攻略が進んでいて50階層のボスに向けて入念に用意したってところか。

『クロコ、あそこに人が何人居る?』

『12名っす、男8人に女4人。服装から見た所冒険者だと思いやす。』

迷宮だから冒険者だろう。
問題なのは、今までみたいに気配を殺してコソコソっと無視して進めない点だ。

どうしよう?

『殺しやすか?』

あら物騒。
隠密系のスキル何か取って無かったかな?
ステータスを開いてスキル欄を隈なく探す。

ありました。

スキル『天使の子守唄』。
名前から推測しやすいスキル。
範囲100メートル以内の標的を強制的に眠らせる。相手よりもレベル差が高ければ高いほど効果てきめん。
懸念があるとすればこの層まで来れたってことはつまり結構な実力者達。もしかしたら、俺と同レベルが居て眠らない可能性も……そんなことありませんでした。

本当に鑑定が欲しい。
相手のレベルが分かればどれほど戦いやすいことか。
けれど、鑑定を手に入れるのも時間の問題。迷宮生活の合間で解放欄に載っているスキルを一通り確認した結果、鑑定を発見済み。
100万z大金貨一枚分って馬鹿げたお値段だけどいずれ取得してやる。

ぐっすりおねんねする冒険者方を素通り。食事中だったようで申し訳無い。

誰も起きている人間は居なくてホッとする。
確認を終えたのでいざ50層へ。


『旦那ストップっす。畏れながら進言しやすが、この先魔物だらけみたいっすよ。』

魔物だらけ?
モンスターハウスかな。セーフティアでもあるエリア内に侵入したら大量のモンスターが出現したもんだけど、50層はそういう仕様かな。

『まぁボス部屋には変わりないから約束通り俺がやるからね。』

『旦那ぁ…。』

そんな甘えるような声音で言っても撫でてあげないんだからね。
クロコの顎の辺りをワシャワシャして侵入。

おぉ…。
大広間に無理矢理詰め込んだような魔物の大群。逆に動きづらくなっているような。
でも、一気に攻め込まれたら圧し潰されるかもしれない。

ひとまずスキルによる結界を発動して圧死されないよう防ぐ。
さて、どうやって倒そう。
素材の事を考えるとデススコープ戦のように自然操作で生み出した風の刃でバラバラにするのが良いかな。

それか確認がてら他のスキルを使うか。
……………うん、風の刃でいいや。上の階層で寝てる冒険者達が起きたら困る。音の小さいこれが一番だ。


俺を支点に一筋の大きな風の刃を大広間全体に流す。
無事奥まで通過したら綺麗に切断されて崩れる。それでもまだ空中に飛んでいた魔物が生き残っている。鳥の頭に獅子の体、まさかリアルグリフォンをお目にかかるとは。

人差し指の先に風の球を作る。それは徐々に規模を変えていき、ジンお兄さん10人分にまで膨れ上がった。
そしたら、標的を空中に浮く魔物に合わせて放つ。
巨大になった風の球体は放たれた瞬間に無数の小さな風の球に分かれて、それぞれが標的に向かって飛んでいく。

圧倒的物量に為す術もなく、いくつかの風穴を開けてグリフォンは墜落していった。

全滅完了。

『クロコ、悪いけど全部回収してくれる。幾らになるか分かんないけど、これだけあれば結構お金が手に入ると思うから。』

『へい!』

クロコの発動した影が広間全体に広がって、その影に沢山の死骸が沈んで消えて行く。

素材回収が終わったら攻略の続き。
さっさと下層に降りていかないとあの野営地の冒険者達が来て出くわしてしまうかもしれない。

逃げるように前人未到の領域に足を踏み入れる。


そして、未開の地で出会ったのはゴツゴツとした岩のような外殻に守られたドラゴン達でした。
なるほどここからはドラゴンだらけって事だね。

絶対高く売れる!
お金の塊達に涎が止まらない。



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