今日も聖女は拳をふるう

こう7

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戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る

乗れないじゃじゃ馬は野に放つ

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アルフが壊れかけのアルフになってしまった。
でも、さっきまでの狂った人よりかは幾分かマシだと思って欲しい。

「アルフ様?アルフ様!!しっかりして下さい!!」

「ノーととトン!オデしツかリしてるゾィ!!キョウもイチにチガンバるゾイ!!」

「あ、アルフ様あぁぁ…。」

ガガガギギギと奇怪な音と鼻や耳から煙を吹き出すアルフ。
それをノートンは必死に揺さぶる。
これは見てて不憫だ。

やった張本人だけに申し訳ない。
だったら、やる事は一つだ。

「ノートン、どいて。もう一回直してみるね。」

「は?ちょ、ちょっと待って下さい。完全に…完全にぶっ壊れますから!!」

「大丈夫。」

「いやこれ見て信用出来ませんって!」

それはごもっとも。
でも…。

「俺を信じる俺を信じて。」

「は?」

二度目の疑問符を頂きました。勢いで納得してくれれば良いものを。
ノートンの未だ鳴り止まない制止を振り切って再度アルフに渾身の修理を一発放つ。

ゴッ…。

大破しないよう慎重に入れた一撃。
結果は。








国王と共和国で起きた事や帝国での事それにフォルクスについて話し合う為、ノートン達を残して俺達は談話用の部屋へ向かう事となりました。
ついさっき生まれた罪悪感に押し潰されそうだけど世界がヤバそうな今はそっちを優先する。

あれはただ眠っているだけ、そうだそうに違いない。

眠れる城の王子の名を懸命に呼ぶ騎士に背を向けて逃げるように国王達に付いて行く。

…………ごめん。


今まで空気と化していた宰相さんを先導にお部屋へ到着。
国王と対面する形で長椅子に座る。

「さて、聖女殿達に起きた出来事を色々話してくれるだろうか?正直、いきなり白装束の者達が目の前に現れてフォルクスが女神に仇を成したと聞いただけで詳しくは知らないのだ。情けない話だが教えてほしい。」

いよいよ国王相手にも遠慮が無くなって来てやがるな信者共め。

「勿論です。」

国王からお願いを断る訳が無い。そもそも下手したら世界の危機になるかもしれない。
あの商人が復活させようとしている龍王についても話そう。

チラッとスゥ様達を見る。

「お姉様、お姉様が何かを隠していたのはお見通しです。私達にも全て教えて下さいませ。私達はお姉様の使徒なのですから。」

「いや、違うよ。」

「「「使徒ですから!!!」」」

そんな眼前で鼻息荒く言わなくても…。
今度は国王を見る。

「ふむ、娘に危険が及ぶかもしれんのか?」

「はい。」

「今までも十分危険が及んでたと思うが…。」

確かに。
でも、規模が違う。

「親として不安ではある。だが、ぶっちゃけ駄目といっても聞いてくれないだろうし我が娘ながらかなりしぶとく生きてくれそうだし話していいよ。他の娘らも同様に死んでも生き返りそうだし良いと思うよ。」

そう言った彼女の父親は諦観を帯びた目で俺を見ていた。
ごめんなさい、こんな娘さんにしてしまって…。

父親の許可を頂いたので我儘娘達を交えて全てを話す、俺の神格化の件については絶対話さない。
加速する気がするもん。

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