183 / 266
戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る
魅惑と戦場のお風呂2
しおりを挟む「「うへへへ、お姉様お姉様お姉しゃま好きしゅきなのしゅ……はっ!?」」
「あ、あれ?」
「私達いつの間に…お姉様は?」
私とミーナちゃんは涎でびっちょびちょになった身体を無理矢理起こす。
周囲に愛しい御方が居ない。
先程までお姉様に全てを捧げようとしていたはずなのに。
残っているのは私達の体液でドッロドロになったお姉様の枕のみ。
「ミーナちゃんお姉様は何処に行ったのかしら?」
「うーん、ちょっと調べてみましょう。」
そう言うとミーナちゃんは四つん這いになって床の匂いを嗅ぎ始めました。
私達信者であればお姉様の残り香から居場所を探る事は容易い。
ミーナちゃんは廊下へ出てどんどん匂いを頼りに移動する。
途中メイド達とすれ違うけど気にしません優先順位はお姉様です。王国のメイド達と違って四つん這いで探索する女の子にギョッとしていてなんだか新鮮。
我が国では日常風景ですよ。
進むにつれてお姉様の居場所がはっきりとしてきました。
そこはお風呂場。
「間違いないです。こちらにお姉様がまだ居られます。芳醇で香ばしい匂いが濃くなっています。じゅるり…。」
「ミーナちゃんありがとう。なら、やる事は一つしか無いですね。じゅるり…。」
近くに居るメイドへ私達の着替えを持ってきてもらうようお願いしていざ出陣へ。
着ている衣服を放り出して生まれたままの姿になる。
待ちきれないとばかりにそこら中から体液が溢れてしまいます。
「ミーナちゃん、私達の初めてはここで貰って頂けるようですね。」
「はいスゥ様。いきなり複数なのは少々興ふ…不安ですが精一杯お姉様に尽くしましょう。」
ふふ、ミーナちゃんも不安からか体液が止まらない様子です。
木桶一杯に貯まりそうな涎を放置して豪快に大浴場への扉を開け放つ。
すぐに発見した我らがお姉様。
開いた扉に気付いてこちらに振り向くお姉様。
湯煙が邪魔で仕方ないお姉様。
運命のように目と目が合う。
目と目が合ったならもうそれは同意でしょう。
「あ、二人共起きたんだね。そこで立ち止まってないでさっさと入りなよ。」
「「お…お…」」
「お?」
「「お姉様……ご覚悟!!」」
「おぉ!?」
桃源郷はもう目の前。
突然の出来事にびっくりした。
お風呂でも変態に襲撃されるとは思わなかった。反省してくれないのだろうか。
呆れるように湯舟でぷかりと浮かぶ2つの死体を眺める。うつ伏せで表情が見えないけど周囲へ徐々に赤い染みが侵食していってる。
いきなり覚悟と叫んで数メートルの距離を一気に縮めて迫って来た。
目は本能と煩悩と欲望に塗れて怖かった。
咄嗟に近くにあった木桶で二人の頭部を叩き払わなかったらどうなっていたことだろう。
その後まだ立ち上がろうとする二人を丁寧に背後から首へ抱きつき締め落としていった。
「じ、直で…直で…。」
「背中に伝わる絶壁…。」
首を締めているのに何故か嬉しそうに鼻血を出して逝く姿は不気味だった。
変な事を呟いているし…。
王国では姫様と稀にお風呂に入る事はあったけどこんな事は無かった。
旅先で浮かれているのかもしれない。
ロコルお姉ちゃんだって妙にやたら現在進行形で抱きついているし。
なんで身内に警戒しないといけないのかな。
0
お気に入りに追加
951
あなたにおすすめの小説
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
妹と寝たんですか?エセ聖女ですよ?~妃の座を奪われかけた令嬢の反撃~
岡暁舟
恋愛
100年に一度の確率で、令嬢に宿るとされる、聖なる魂。これを授かった令嬢は聖女と認定され、無条件で時の皇帝と婚約することになる。そして、その魂を引き当てたのが、この私、エミリー・バレットである。
本来ならば、私が皇帝と婚約することになるのだが、どういうわけだか、偽物の聖女を名乗る不届き者がいるようだ。その名はジューン・バレット。私の妹である。
別にどうしても皇帝と婚約したかったわけではない。でも、妹に裏切られたと思うと、少し癪だった。そして、既に二人は一夜を過ごしてしまったそう!ジューンの笑顔と言ったら……ああ、憎たらしい!
そんなこんなで、いよいよ私に名誉挽回のチャンスが回ってきた。ここで私が聖女であることを証明すれば……。
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる