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豚司教に教育を
広場と2人
しおりを挟む充実とした屋台巡りが終わった。
俺のお腹がぽっこりと膨らんじゃった。
「ロコルお姉ちゃん、どこか王都でおすすめの場所とかってありますか?」
「えっ、あ、えーとああります。ここの通りをまっすぐに進むと大広場がありまして、そこの噴水がとても綺麗なんです。」
大広場かぁ。
ぽっこりお腹のことを考えるとそこで小休止しようかな。
「ロコルお姉ちゃん、私その噴水見てみたいな。案内してもらえますか?」
「は、はい喜んで!」
ロコルお姉ちゃんは常に汗をピャッピャッするように慌てている。
誰かを守りながらっていう緊張感からなのかそれともただの性格なのか。
今度はお姉ちゃんの先導で大広場を目指す。
王都の通りはいつも大賑わい。
だから、この人混みで離れ離れにならないようロコルお姉ちゃんの手を握る。
一瞬ビクッとされて嫌がられたかと思ったけど、そのまま握り続けてくれる。
良かったぁ、でも手汗がすごい。
無理させてるのかもしれない。
広場に着いたら噴水を見ながらゆっくりしようね。
そして、着きました!
ロコルお姉ちゃんの言うように綺麗の一言に尽きる。
いくつもの水飛沫が不規則に宙を舞う。それがキラキラと輝き、浮き出ている虹と仲良く踊っている。
「なんか良いところだね。」
「はい、よく落ち込んだりする時はここに来るんです。」
「教えてくれてありがとう、お姉ちゃん。」
ロコルお姉ちゃんは笑う俺を時間が止まったように見つめていた。
心なしか頬も赤い。
「ロコルお姉ちゃん?大丈夫?」
「へ?あ、はい!ちょっとポーッとしてました、すみません!」
「ううん、気にしてないよ。少し歩き疲れたのかもしれないね。あそこに座って休憩しよう。」
俺は腰をかけれそうな所に連れて行く。
ここでゆっくり噴水を眺めてよう。
ロコルお姉ちゃんと何気ない会話をしながら休憩中。
ロコルお姉ちゃんは地方の孤児院出身で王都で仕事探しの際にトーラスさんに拾ってもらったらしい。
少し堅物の人かと思ったら結構優しい一面もあるんだ。
俺も自分の身の上話をしたんだけど突然涙ぐみ始めた。
おかしい、私も両親いないからここ数年はずっと下手くそな手料理食べてるんだと話しただけだ。
このお姉ちゃんの涙腺崩壊は俺にも予測出来ない。
涙と鼻水を垂らすロコルお姉ちゃんの背中をさすっていると、目の前を2人の男性が歩いて行く。
別にただの通行人って思うところだけど、1人が酷く顔色が悪い。
うん、見過ごせないよね。
「お姉ちゃん、ちょっとあの人達のとこに行ってくるね」
「え?え?ど、どこ行くのですか!」
俺は言うや否やすぐに向かう。
後ろからロコルお姉ちゃんが慌てた様子でついてくる。
顔色悪い方の足取りは重く、もう1人の男性に支えてもらっている。
すぐに追いついた。
「あの、大丈夫ですか?」
「む、何者だ!」
顔色悪い男を支えていた男性がこちらを警戒するように目で制してくる。
見た感じ俺より4、5歳上のロコルお姉ちゃんと同い年くらいに見えるお二人。
「いや、ただ体調悪そうだったから声をかけただけだよ。大丈夫?」
「心配は感謝する。だが、この方をすぐに休ませたいのだ。失礼する。」
そう言って、用件は済んだというようにさっさと去ろうとする。
こういう堅物系は苦手だよ。
でも、見過ごせる訳ないじゃん。
気配を感じさせない動きで顔色悪男を反対側から支える。
「なっ!?」
「後で文句は聞くから、とりあえずあそこに寝かせようよ。これ以上この人に負担かけたらまずそうでしょ。」
「ぐっ、わ、分かった。だが、変な真似はするなよ。」
「はいはいしねーよ。ほら、行こ行こ。」
文句言いたげな顔する男性を無視して先ほど俺たちが座ってた所まで連れて行く。
周りでオロオロするお姉ちゃん落ち着いてね。
さて、この人治療しないと。
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