今日も聖女は拳をふるう

こう7

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豚司教に教育を

トーテル発王都行き

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俺は現在トーテルの町に舞い戻っている。 行きと違って帰りは何の問題も起きなかった。
出てくる魔物も全て騎士達が対処して行くので退屈。
途中、行きとは違う村で一晩明かした。
行きの村にまた訪れたら一騒ぎ起こるだろうしね。
でも結局、お礼も兼ねて治療をしたら同様の騒ぎになった。
喜んでもらえるのは嬉しいけど、流石に頬が赤くなるよ。


そして、トーテル。
ここから王都までは1週間かかる。
なので、3日かけて準備をする。
といっても、俺が準備することは特にない。エルドさんから言われたのは敬語を使いこなせるようにした方が良いとだけ。
だから、この三日間は教会のシスターさん相手に敬語を使って会話した。
意識していれば敬語を保てる程度にはなれました。

それとトーテルでも治療を行なった。
訪れた村にはやって、ここだけしないってのはありえない。
おかげ様で村とは規模の違う量の患者と歓声が上がった。

聖女に認定されてから特に気疲れを感じるようになったよ。


今回の王都行きには、エルドさんとサイルさんの騎士達もそのまま同行してくれる。
そのため、エルドさんはこの準備期間で1ヶ月分の書類整理や助祭の人達に指示をしていく。
サイルさん達は行きで起きた出来事を教訓に出発まで訓練を続けた。俺も時々参加させてもらえた。


そして、いよいよ王都に。
トーテルと王都の間に村が2つに町が1つ。
最初に1つ目の村、次に小さな町クート、そして2つ目の村。
最後に王都という順番だ。


俺は馬車に乗り込む。
トーテルでの聖女熱はまだまだ熱い。
俺を見ようと集まった人達で道が出来ている。
やめて、恥ずかしい。

俺の羞恥心を知らないエルドさんは手を振ったらどうですか?と薦めてくる。
めちゃめちゃ熱くなった顔で懸命に声援に応える。

やっと町の門から出れた。

「まさに聖女様に相応しい出発でしたね。」

うるさいこの野郎、恥ずかしかったんだぞ!
赤い顔が元に戻るまで少しの時間がかかった。


そして始まった馬車の旅。
最初の村までおよそ2日かかる。
その間で出てくる魔物は相変わらず騎士達で対処出来ている。
俺はずっとエルドさん相手に敬語練習。
騎士達の動きを観察出来るのは良いけど、それでも退屈。闘いたいな。

教会では俺の戦闘力を知った騎士達が偶に遠慮がちに試合を申し込んで来て闘ったけど、今は我々ではまだ相手不足だと言って挑んで来なくなってしまった。


結局、村に着くまでこの拳をふるうことはなかったです。

そしてもうお決まりとなってしまった聖女の治療活動。
俺がやろうか相談する前にエルドさんと騎士達が村人たちにふれ回っていく。
エルドさん達ただ聖女の力を見たいだけだよね?


そして集まる群衆。
慣れたよ、慣れましたよ。
もう聖女としての経験人数は3桁に到達している。
同時に一気に治療することも出来るようになっている。但し、目に見える範囲内だけど。
同時治療で輝く光も広範囲に広がる。まるで光の海。とても幻想的で隣で感動に咽び泣くエルドさんが鬱陶しかった。

そして、歓声感激の雨あられの中、次の日の朝すぐに出発。


次の町クートは丸一日で着く。
多分おそらく間違いなく次の町でも同様の騒ぎが起こる。主にエルドさん達主催で。

人が元気になってくれる嬉しさと毎度起こる騒ぎの憂鬱さで複雑な気持ち。



せめて、闘ってスッキリとしたい。


おねだりしたけど、我々の特訓が出来ませんとサイルさんに断られました。


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