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第63話 暮葉と雫とホラーゲーム談義
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最近のボクはスマートフォンゲームにもはまっていて、配信時にはゲームをPC連携させたりして画面を表示して見せる放送をしていたりする。
プレイするジャンルは色々だけど、特に最近は美少女艦船ゲームや美少女タワーディフェンスゲーム、美少女が銃を使ったアクションを行うゲームなど、とにかく美少女系が多くあるのでひたすらインストールしまくっていたりする。
部屋で一人ニヨニヨしながら、美少女系ゲームをプレイしていくというインドアライフを送っているのだ。
これが正直言って楽しい。
ボク自身はいわゆる女性もののゲームというのが好きではないので、そっち系の話をされても困る。
でも男性向けゲームで、美少女を操ったり攻略していくのは好きなのでどうしてもそっち系がメインとなってしまう。
まぁボクの性癖なので誰かに文句を言われる筋合いはないのだけど……。
でも考えてみると、ボクの周りでは女性主人公で男性キャラを攻略していくゲームを得意としている人はいないかもしれない。
実際、弥生姉様もやるなら美少女を攻略するゲームなわけで……。
「次の配信に使うゲーム何にしよう? ガチャやるのもいいけど出ないと悲しいしなぁ」
ボクはベッドの上に寝転がりながら独り言をつぶやく。
「暮葉様のお好きなゲームでいいと思いますけど、ランキング上位にあるお馬さんのゲームとかやりますか?」
ボクの独り言を聞いた雫ちゃんがそんな提案をしてくる。
でも残念、ボクはひたすら育成するゲームは得意ではないのだ。
「たしかに人気あるし、配信したら人来そうだけど。ボクってそういうの得意じゃないんだよね」
今どきのゲームは無料ガチャも多いけど、やっぱり課金重視なので使えるお金が多くないとなかなか見栄えが良くならない。
いっそ入金されたお金でガチャをするべきか?
「う~ん、そうですね~。幼稚園の訪問はこの前やりましたし、あのサンドボックスゲームもこの前やりましたよね」
「連続してやってもいいんだけどそれだけだと飽きない? シリーズ物の動画を作るならいいんだけど、見所さんが毎回行方不明だし」
いっそ迷走シリーズとでも銘打つべきだろうか。
「暮葉様の爆死悲鳴やビビり悲鳴は結構人気があるようですね。いっそホラーゲームでもやります?」
「あっはっはっ、それは無理!」
このボクにホラーゲームをやらせようだなんて雫ちゃんはなんて恐ろしい提案をするのだろう。
現実の幽霊は怖くなくてもホラーゲームの得体のしれない恐怖は苦手なのだよ。
「暮葉様って、人間界のお化け屋敷嫌いですよね。特に体感型の」
「あれの話はやめてほしい……」
人間界にある体感型のホラーアトラクションは驚かせることもそうだけど、驚かせるまでの雰囲気づくりがとても上手く、実体験するホラーゲームといったものになっていたりする。
くるぞくるぞー! と思わせておいて来ないこともあるけど、時間差を置いてくることもあって、まったく油断できない。
ボクは常に警戒しすぎて首のあたりが痛くなってしまうのだ。
「酒呑童子とか黒奈とか、あと雫ちゃんもああいうの得意だよね」
「ああいうのは楽しんだもの勝ちだと思ってますから。と、いいますか、黄泉平坂の迷宮もあんな感じでは?」
「あ~。でもあれは驚貸せて来たら叩けばいいし……」
人間界のアトラクションは手を出せないけど、妖精郷の迷宮なら手を出しても問題ないので、多少は気がまぎれるというものだ。
「できれば無意味に亡者や鬼を殴らないであげてください……」
「それは断る」
黄泉平坂の迷宮は何気に地獄へ堕ちた亡者たちの刑場でもあるのだ。
「あ、そうです。VR黄泉平坂迷宮とかあったらやります?」
「は?」
雫ちゃんの妙な提案を聞いてボクは思わず問い返してしまう。
あんな真っ暗でじめじめした場所をVRで体感ですと?
「雫ちゃん、それ絶対怖いやつ」
「だと思って提案しました。どうやら夢幻酔のチームが作ってみてるそうなんです。人間界にもリリースするそうですよ?」
「えぇー……」
ボクは思わず嫌そうな声を出してしまった。
だって、あれをVRで体感するとなったら相当ビビっちゃうからね?
「まぁ気持ちはわかりますよ? でも人間ってああいうの好きみたいなんですよね。VRで体感するホラーゲームってそれなりにあるそうですし」
「うわお、それってすごいね?」
人間って勇敢なんだろうか? ボクには考えられないよ。
「じゃあ雫ちゃんが配信するときはVR黄泉平坂迷宮でよろ」
「え゛っ」
言い出しっぺがやるべき。
ボクはそう思います。
そんな雫ちゃんは驚いたような顔でボクを見ている。
「暮葉様? 人数制限ないので一緒にやりません? なんなら酒呑童子様たちも一緒で……」
おやおや? 雫ちゃんビビっちゃったのかな?
でもあのジメジメした暗闇は正直ボクも叩きのめせないなら行きたくないんだよね。
「う~ん。考えとく」
ボクがそういうと、雫ちゃんはほっとしたように息を吐いた。
ちょっといじめすぎたかな?
「暮葉様、黄泉平坂迷宮を一言で表すならどんな感じになりますか?」
急に雫ちゃんにそんなことを振られたのでボクはこう答えた。
「真っ暗で寒気がするじめじめした地下室と廊下」
実際こんな感じだから仕方ない。
プレイするジャンルは色々だけど、特に最近は美少女艦船ゲームや美少女タワーディフェンスゲーム、美少女が銃を使ったアクションを行うゲームなど、とにかく美少女系が多くあるのでひたすらインストールしまくっていたりする。
部屋で一人ニヨニヨしながら、美少女系ゲームをプレイしていくというインドアライフを送っているのだ。
これが正直言って楽しい。
ボク自身はいわゆる女性もののゲームというのが好きではないので、そっち系の話をされても困る。
でも男性向けゲームで、美少女を操ったり攻略していくのは好きなのでどうしてもそっち系がメインとなってしまう。
まぁボクの性癖なので誰かに文句を言われる筋合いはないのだけど……。
でも考えてみると、ボクの周りでは女性主人公で男性キャラを攻略していくゲームを得意としている人はいないかもしれない。
実際、弥生姉様もやるなら美少女を攻略するゲームなわけで……。
「次の配信に使うゲーム何にしよう? ガチャやるのもいいけど出ないと悲しいしなぁ」
ボクはベッドの上に寝転がりながら独り言をつぶやく。
「暮葉様のお好きなゲームでいいと思いますけど、ランキング上位にあるお馬さんのゲームとかやりますか?」
ボクの独り言を聞いた雫ちゃんがそんな提案をしてくる。
でも残念、ボクはひたすら育成するゲームは得意ではないのだ。
「たしかに人気あるし、配信したら人来そうだけど。ボクってそういうの得意じゃないんだよね」
今どきのゲームは無料ガチャも多いけど、やっぱり課金重視なので使えるお金が多くないとなかなか見栄えが良くならない。
いっそ入金されたお金でガチャをするべきか?
「う~ん、そうですね~。幼稚園の訪問はこの前やりましたし、あのサンドボックスゲームもこの前やりましたよね」
「連続してやってもいいんだけどそれだけだと飽きない? シリーズ物の動画を作るならいいんだけど、見所さんが毎回行方不明だし」
いっそ迷走シリーズとでも銘打つべきだろうか。
「暮葉様の爆死悲鳴やビビり悲鳴は結構人気があるようですね。いっそホラーゲームでもやります?」
「あっはっはっ、それは無理!」
このボクにホラーゲームをやらせようだなんて雫ちゃんはなんて恐ろしい提案をするのだろう。
現実の幽霊は怖くなくてもホラーゲームの得体のしれない恐怖は苦手なのだよ。
「暮葉様って、人間界のお化け屋敷嫌いですよね。特に体感型の」
「あれの話はやめてほしい……」
人間界にある体感型のホラーアトラクションは驚かせることもそうだけど、驚かせるまでの雰囲気づくりがとても上手く、実体験するホラーゲームといったものになっていたりする。
くるぞくるぞー! と思わせておいて来ないこともあるけど、時間差を置いてくることもあって、まったく油断できない。
ボクは常に警戒しすぎて首のあたりが痛くなってしまうのだ。
「酒呑童子とか黒奈とか、あと雫ちゃんもああいうの得意だよね」
「ああいうのは楽しんだもの勝ちだと思ってますから。と、いいますか、黄泉平坂の迷宮もあんな感じでは?」
「あ~。でもあれは驚貸せて来たら叩けばいいし……」
人間界のアトラクションは手を出せないけど、妖精郷の迷宮なら手を出しても問題ないので、多少は気がまぎれるというものだ。
「できれば無意味に亡者や鬼を殴らないであげてください……」
「それは断る」
黄泉平坂の迷宮は何気に地獄へ堕ちた亡者たちの刑場でもあるのだ。
「あ、そうです。VR黄泉平坂迷宮とかあったらやります?」
「は?」
雫ちゃんの妙な提案を聞いてボクは思わず問い返してしまう。
あんな真っ暗でじめじめした場所をVRで体感ですと?
「雫ちゃん、それ絶対怖いやつ」
「だと思って提案しました。どうやら夢幻酔のチームが作ってみてるそうなんです。人間界にもリリースするそうですよ?」
「えぇー……」
ボクは思わず嫌そうな声を出してしまった。
だって、あれをVRで体感するとなったら相当ビビっちゃうからね?
「まぁ気持ちはわかりますよ? でも人間ってああいうの好きみたいなんですよね。VRで体感するホラーゲームってそれなりにあるそうですし」
「うわお、それってすごいね?」
人間って勇敢なんだろうか? ボクには考えられないよ。
「じゃあ雫ちゃんが配信するときはVR黄泉平坂迷宮でよろ」
「え゛っ」
言い出しっぺがやるべき。
ボクはそう思います。
そんな雫ちゃんは驚いたような顔でボクを見ている。
「暮葉様? 人数制限ないので一緒にやりません? なんなら酒呑童子様たちも一緒で……」
おやおや? 雫ちゃんビビっちゃったのかな?
でもあのジメジメした暗闇は正直ボクも叩きのめせないなら行きたくないんだよね。
「う~ん。考えとく」
ボクがそういうと、雫ちゃんはほっとしたように息を吐いた。
ちょっといじめすぎたかな?
「暮葉様、黄泉平坂迷宮を一言で表すならどんな感じになりますか?」
急に雫ちゃんにそんなことを振られたのでボクはこう答えた。
「真っ暗で寒気がするじめじめした地下室と廊下」
実際こんな感じだから仕方ない。
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