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第59話 バーチャルライブと風音さんの性癖
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バーチャル街ライブ一日目は総勢20名が歌うことになっている。
大体2~3時間くらいのスケジュールになっているらしく、一人当たり3~5分くらいで一曲歌っていくといった感じになるようだ。
まぁ好きな人には少々物足りないのかもしれないけど、一種ののど自慢大会みたいなイメージでいいだろう。
「ところで、狐白ちゃんは歌わないの?」
ボクの近くにいる人が声をかけてきた。
「あ、こんばんわ。えっと、ボクは歌わないですよ? 得意じゃありませんし」
「そうなの? 残念」
今ボクに話しかけてきたは人は『黒野猫那(くろのねこな)』という猫耳美少女Vtuberだ。
声も話し方もかわいいのでかなりの人気がある。
「猫那さんこそ、歌わないんですか? 歌枠すごく人気あるじゃないですか」
猫那さんの歌枠はかなり有名で、歌枠というだけで余裕で何千人も視聴してくれる。
普段はかわいらしい声なのに、歌うときはしっかりとした凛とした声で歌うのだから、そこがまたずるい。
というか素晴らしいのだ。
「あはは。私だとちょっと霞んじゃうかなぁ。このメンバーを見ちゃうとね~」
知ってる人知らない人、色々な人がいるけど、たしかにリハーサルを聴いた限りだとボクたちでは実力が全く足りていないと思う。
ボクたちよりもずっとずっと練習してきた人たちばかりなのだから当然なのだが……。
「あれ? 珍しい組み合わせだね? というか君たち、コラボしたことないよね?」
そんなことを言いながら近づいてきたのは、先ほども出会った風音真さんだった。
「さっきぶりです。風音さん」
「やぁ、狐白ちゃん」
「あら、真じゃない。あなたこそ狐白ちゃんのこと知ってるとは思わなかったわよ」
「そうかなぁ? 界隈じゃ結構人気で有名なんだよ?」
「あなたの界隈って……」
「えっと、あの、界隈ってなんですか?」
二人の会話についていけなかったので、失礼かと思いつつもつい口を挟んでしまった。
「いいこと? 狐白ちゃん。真ってば小さい子系Vtuberが大好きで、それ系の愛好グループに入ってるの。逃げるなら今のうちよ?」
「ちょ、まってよ!? たしかに入ってるけど、逃げられるようなことはしてないよ!?」
「あ、あはは……」
ボクは知らなかったけど、風音さんにそんな趣味があったなんてなぁ。
ちなみに、風音さんと猫那さんは同じ会社に所属している。
つまり、ライバーハウスの所属ということで、さらに言えば二人は同期だ。
「はぁ。せっかくお近づきになれたのに。猫那、ひどくない?」
「ひどくないわよ。狐白ちゃんとそのお友達も大好きでしょうに」
「あぁ、あの鬼っ子たちもかわいいよね。どの子も素敵だ」
「あはは……」
どうやら風音さんは完全に小さい子が好きなタイプの人のようだった。
でも本人は女性なので、いわゆるおねロリっていうことになるのか? いやでも、ボクは十八歳だし。
「ほら、始まるみたいよ」
そんな話をしていると本日の本番が始まった。
「わりぃわりぃ。すっかり遅くなっちまった」
「やっと来たんだ。あれ? ほかのメンバーは?」
ぎりぎりになってやって来たのは酒呑童子こと鈴音鬼那ただ一人だった。
ほかのメンバーはどこに行ったんだろうか?
「あぁ、ちょっと遅れてくるってよ。ライブも長いんだし、慌てて集まらなくてもいいだろ」
「まぁたしかにね」
そんなことを話しながら、ボクたちは割り当てられた席へ向かった。
「鈴音鬼那ちゃんか。やっぱりかわいいなぁ。勇ましくも可憐な、そんな美少女。いいね!」
「うるさいわよ、変態」
「うぐっ」
「なんだか面白いやつだな。よろしくな、Vの先輩」
「もう、鬼那? 少しは丁寧に話しなよ。怒られるよ?」
「いやいや、むしろ鬼那ちゃんはこれくらいのほうが!」
「こら、静かにしなさい」
どういうわけか、ボクたちは席が近かった。
ちょうどまだ残りのメンバーも来ていないので、これ幸いとばかりに集まっているのだが……。
「それにしても、みんな歌すごく上手いですよね」
うるさい人たちはおいといて、ボクはライブ中のVさんたちの歌を聞いていた。
ダンスも決まっているし、歌も上手い。
なにより、イメージに合った新作衣装も似合っていて、すごいということばしかでない。
「あの子は『水無瀬優奈』ちゃんね。新進気鋭のバーチャルシンガーで、大手の『V-ZONE』っていう会社に所属しているわ」
今猫那さんが紹介してくれた『水無瀬優奈(みなせゆな)』さんは、期待の大型新人のようだ。
ちなみにボクは全く知らなかったのだが、大きな事務所でもあるライバーハウスの人は彼女のことをよく知っているようだった。
ちなみに『V-ZONE』という会社は、百人単位のVを擁している大きな会社で、売り上げも高く、常にトップ争いをしている。
売り上げだけでもどこかの大企業に近い金額になっているんだとか……。
「末恐ろしいですね。ということは、世代が入れ替わったら売り上げトップの一人になるんですか?」
「可能性はあるわね」
ちなみに、『水無瀬優奈』さんは水色のロングヘアが特徴的な、歌の得意な人魚という設定のキャラクターだったりする。
まぁ、Vさんを捕まえて、設定とかキャラクターと言ってしまうのも問題なのだが……。
「それにしてもきれいな歌声でしたね。あ、次の子もまた可愛い」
水無瀬さんの歌が終わると今度は茶色い髪のうさ耳の女の子が出てきた。
ウサギ系の子は猫系や狐系の子と同じように人気があるので、よく使われている素材でもある。
「あの子も同じ 『V-ZONE』所属の子ね。名前は『宇佐美雛(うさみひな)』」
「へぇ~。もしかして、その宇佐美さんも歌が上手いんですか?」
「聴いてればわかるわ」
ボクの質問に、猫那さんはそれだけ答える。
そして、宇佐美さんの歌が始まった。
宇佐美さんは茶色の髪を長く伸ばしていて、後ろで一本に束ねている。
身長は低めだが胸は大きめで、目は大きく口は小さめ。
まぁ簡単に言うと小柄で童顔なロリ系の子だ。
ある意味アニメ系な感じの子ともいえるのか。
しかし、その見た目からは想像もできないようなパワフルで身体に響くような歌声で歌っていた。
「すごいですね。なんだかとっても力強いです」
別に低いわけでもないのに力を感じさせるような歌声に、ボクは少しだけ感動を覚えていた。
「聞きかじった話だけど、あの子は歌手志望らしいのよね。だからかしら?」
「へぇ~」
もともとの才能か、それとも努力の成果かはわからないけど、確かな実力のようなものを感じることができた。
まぁボクは歌の専門家じゃないので、ちゃんとしたことはわからないけどね。
「でもあの子、実はデスメタルが好きらしいのよね。よく練習しているらしいわよ?」
「えっ?」
予想外だった。
可憐な外見なのにデスメタルのほうを志望していたなんて……。
「まぁどうなるかわからないけど、人気はあるんだしいいんじゃないかしら」
「まぁ……」
意外な事実を聞いて、ボクは少しだけ力が抜けてしまった。
ところで、さっきからほかの二人は静かなんだけど、一体どうしたのだろうか。
そう思い、鬼那たちのほうをみると、そこには風音さんを踏みつけて座る鬼那と恍惚とした表情の風音さんがいた。
「でたわね、変態」
「あぁ~」
「なぁ狐白。これって一体どういうことなんだ? なんかやってくれって頼まれたんだけどよ」
「いや、ボクにもさっぱりだよ」
「はぁ……」
「はぁはぁ、尊い」
鬼那に踏みつけられながら、風音さんはそんな言葉を口にしていた。
一体どうしてこうなった……。
大体2~3時間くらいのスケジュールになっているらしく、一人当たり3~5分くらいで一曲歌っていくといった感じになるようだ。
まぁ好きな人には少々物足りないのかもしれないけど、一種ののど自慢大会みたいなイメージでいいだろう。
「ところで、狐白ちゃんは歌わないの?」
ボクの近くにいる人が声をかけてきた。
「あ、こんばんわ。えっと、ボクは歌わないですよ? 得意じゃありませんし」
「そうなの? 残念」
今ボクに話しかけてきたは人は『黒野猫那(くろのねこな)』という猫耳美少女Vtuberだ。
声も話し方もかわいいのでかなりの人気がある。
「猫那さんこそ、歌わないんですか? 歌枠すごく人気あるじゃないですか」
猫那さんの歌枠はかなり有名で、歌枠というだけで余裕で何千人も視聴してくれる。
普段はかわいらしい声なのに、歌うときはしっかりとした凛とした声で歌うのだから、そこがまたずるい。
というか素晴らしいのだ。
「あはは。私だとちょっと霞んじゃうかなぁ。このメンバーを見ちゃうとね~」
知ってる人知らない人、色々な人がいるけど、たしかにリハーサルを聴いた限りだとボクたちでは実力が全く足りていないと思う。
ボクたちよりもずっとずっと練習してきた人たちばかりなのだから当然なのだが……。
「あれ? 珍しい組み合わせだね? というか君たち、コラボしたことないよね?」
そんなことを言いながら近づいてきたのは、先ほども出会った風音真さんだった。
「さっきぶりです。風音さん」
「やぁ、狐白ちゃん」
「あら、真じゃない。あなたこそ狐白ちゃんのこと知ってるとは思わなかったわよ」
「そうかなぁ? 界隈じゃ結構人気で有名なんだよ?」
「あなたの界隈って……」
「えっと、あの、界隈ってなんですか?」
二人の会話についていけなかったので、失礼かと思いつつもつい口を挟んでしまった。
「いいこと? 狐白ちゃん。真ってば小さい子系Vtuberが大好きで、それ系の愛好グループに入ってるの。逃げるなら今のうちよ?」
「ちょ、まってよ!? たしかに入ってるけど、逃げられるようなことはしてないよ!?」
「あ、あはは……」
ボクは知らなかったけど、風音さんにそんな趣味があったなんてなぁ。
ちなみに、風音さんと猫那さんは同じ会社に所属している。
つまり、ライバーハウスの所属ということで、さらに言えば二人は同期だ。
「はぁ。せっかくお近づきになれたのに。猫那、ひどくない?」
「ひどくないわよ。狐白ちゃんとそのお友達も大好きでしょうに」
「あぁ、あの鬼っ子たちもかわいいよね。どの子も素敵だ」
「あはは……」
どうやら風音さんは完全に小さい子が好きなタイプの人のようだった。
でも本人は女性なので、いわゆるおねロリっていうことになるのか? いやでも、ボクは十八歳だし。
「ほら、始まるみたいよ」
そんな話をしていると本日の本番が始まった。
「わりぃわりぃ。すっかり遅くなっちまった」
「やっと来たんだ。あれ? ほかのメンバーは?」
ぎりぎりになってやって来たのは酒呑童子こと鈴音鬼那ただ一人だった。
ほかのメンバーはどこに行ったんだろうか?
「あぁ、ちょっと遅れてくるってよ。ライブも長いんだし、慌てて集まらなくてもいいだろ」
「まぁたしかにね」
そんなことを話しながら、ボクたちは割り当てられた席へ向かった。
「鈴音鬼那ちゃんか。やっぱりかわいいなぁ。勇ましくも可憐な、そんな美少女。いいね!」
「うるさいわよ、変態」
「うぐっ」
「なんだか面白いやつだな。よろしくな、Vの先輩」
「もう、鬼那? 少しは丁寧に話しなよ。怒られるよ?」
「いやいや、むしろ鬼那ちゃんはこれくらいのほうが!」
「こら、静かにしなさい」
どういうわけか、ボクたちは席が近かった。
ちょうどまだ残りのメンバーも来ていないので、これ幸いとばかりに集まっているのだが……。
「それにしても、みんな歌すごく上手いですよね」
うるさい人たちはおいといて、ボクはライブ中のVさんたちの歌を聞いていた。
ダンスも決まっているし、歌も上手い。
なにより、イメージに合った新作衣装も似合っていて、すごいということばしかでない。
「あの子は『水無瀬優奈』ちゃんね。新進気鋭のバーチャルシンガーで、大手の『V-ZONE』っていう会社に所属しているわ」
今猫那さんが紹介してくれた『水無瀬優奈(みなせゆな)』さんは、期待の大型新人のようだ。
ちなみにボクは全く知らなかったのだが、大きな事務所でもあるライバーハウスの人は彼女のことをよく知っているようだった。
ちなみに『V-ZONE』という会社は、百人単位のVを擁している大きな会社で、売り上げも高く、常にトップ争いをしている。
売り上げだけでもどこかの大企業に近い金額になっているんだとか……。
「末恐ろしいですね。ということは、世代が入れ替わったら売り上げトップの一人になるんですか?」
「可能性はあるわね」
ちなみに、『水無瀬優奈』さんは水色のロングヘアが特徴的な、歌の得意な人魚という設定のキャラクターだったりする。
まぁ、Vさんを捕まえて、設定とかキャラクターと言ってしまうのも問題なのだが……。
「それにしてもきれいな歌声でしたね。あ、次の子もまた可愛い」
水無瀬さんの歌が終わると今度は茶色い髪のうさ耳の女の子が出てきた。
ウサギ系の子は猫系や狐系の子と同じように人気があるので、よく使われている素材でもある。
「あの子も同じ 『V-ZONE』所属の子ね。名前は『宇佐美雛(うさみひな)』」
「へぇ~。もしかして、その宇佐美さんも歌が上手いんですか?」
「聴いてればわかるわ」
ボクの質問に、猫那さんはそれだけ答える。
そして、宇佐美さんの歌が始まった。
宇佐美さんは茶色の髪を長く伸ばしていて、後ろで一本に束ねている。
身長は低めだが胸は大きめで、目は大きく口は小さめ。
まぁ簡単に言うと小柄で童顔なロリ系の子だ。
ある意味アニメ系な感じの子ともいえるのか。
しかし、その見た目からは想像もできないようなパワフルで身体に響くような歌声で歌っていた。
「すごいですね。なんだかとっても力強いです」
別に低いわけでもないのに力を感じさせるような歌声に、ボクは少しだけ感動を覚えていた。
「聞きかじった話だけど、あの子は歌手志望らしいのよね。だからかしら?」
「へぇ~」
もともとの才能か、それとも努力の成果かはわからないけど、確かな実力のようなものを感じることができた。
まぁボクは歌の専門家じゃないので、ちゃんとしたことはわからないけどね。
「でもあの子、実はデスメタルが好きらしいのよね。よく練習しているらしいわよ?」
「えっ?」
予想外だった。
可憐な外見なのにデスメタルのほうを志望していたなんて……。
「まぁどうなるかわからないけど、人気はあるんだしいいんじゃないかしら」
「まぁ……」
意外な事実を聞いて、ボクは少しだけ力が抜けてしまった。
ところで、さっきからほかの二人は静かなんだけど、一体どうしたのだろうか。
そう思い、鬼那たちのほうをみると、そこには風音さんを踏みつけて座る鬼那と恍惚とした表情の風音さんがいた。
「でたわね、変態」
「あぁ~」
「なぁ狐白。これって一体どういうことなんだ? なんかやってくれって頼まれたんだけどよ」
「いや、ボクにもさっぱりだよ」
「はぁ……」
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