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第50話 にゃーにゃー七海ちゃんと異世界探索
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今日は猫村七海こと暁夏希ちゃんの放送に出演している。
メンバーは猫村七海ちゃん、ボク、セフィシス、それと黒奈だ。
今回初参加のセフィシスという子はボクの従者兼異世界での護衛役という立場の女の子で、真白セフィという名前のVtuberとして出演している。
それと、出演に際してセフィのアカウントとモデルは、兄様たちが事前に用意してくれたので、セフィもVtuberモデルが表示されるようになっていたりする。
兄様たちには感謝してもしきれないね。
「にゃっは~、にゃーにゃー七海ちゃんねるはっじまるよー! ということで今回のコラボゲストは、『真白狐白ちゃん』『真白セフィちゃん』『猫又クロちゃん』の三人で~す。さぁ、ご挨拶」
「やっほー、真白狐白だよ~。みんなよろしくね~」
「ま、真白セフィです……。えっと、こういうのは初めてなので、どうぞよろしくお願いいたします」
「クロ。黒宮クロって名前になった。よろ」
「というわけで、以上のメンバーで今日はやっていくね~」
セフィシスことセフィは、長い銀髪を二本の三つ編みにして、前後に垂らしたヘアスタイルをしている色白の小柄な女の子だ。
ボクがこちらの世界や下位世界に行く際の護衛兼従者の役割を担っている。
そんなセフィは、普段はボクに付き従い、雑用から戦闘、料理など色々なことをやってくれている。
ちなみに今回は、セフィがメインでカメラを持つのだが、ある程度したら交代してセフィも映すことになっている。
七海ちゃんは主役なので出来るだけ映したいところだけど、どうなるだろう。
もしかしたらボクたちを映す役に回るかもしれない
「さて、今回は生放送といきたいところだけど、残念ながら異世界からなので録画放送になりまーす。ということで、まずは~ってクロちゃん? なんで狐白ちゃんに抱き着いてるの?」
「七海ちゃん、助けて」
「七海、邪魔よくない」
七海ちゃんがジトっとした目でクロのことを見ている。
なんと抜け目のないクロは、七海ちゃんが放送の趣旨の説明を始めたあたりから、ボクに抱き着いてきては頭をこすりつけてきた。
「セフィちゃん、今のクロちゃんの動きって映ってるの?」
「はい、それはもうばっちりと」
「クーローちゃーん?」
初っ端からフリーダムな行動のクロに、七海ちゃんの怒りゲージが上がっていく。
「七海、わかった。ごめん、落ち着いて」
さすがのクロも反省したのか、七海ちゃんにそう言って頭を下げた。
ただしボクに抱き着いたままである。
「はぁ。もういいわ。それじゃあ、気を取り直していっくよ~」
「ごーごー」
「ごー」
「行きましょー」
七海ちゃんの合図でボクたちは目的の場所へと移動を開始した。
中央管理世界の中心都市『スピカ』は巨大な学園がいくつもある学園都市でもあり、同時に行政などの中枢機関も多く存在している、まさにこの世界の中心ともいえる場所だ。
このスピカを含む世界がどこにあるかは詳しくは語られていないが、思ったよりも身近な場所に存在しているということだけは確かだ。
さてこの都市、実は学園や行政機関があるだけではない。
なんと、みんなも知っているRPGのような世界へ行くためのゲートがある場所でもあるのだ。
そんなゲートへと向かう道を、ボクたちは進んでいく。
「え~、まだ詳しくは説明してなかったと思うので、改めて説明すると、このスピカの南地区には、なんと異世界行きのゲートが設置されてるんだよ。まぁゲートとはいっても、その見た目は大きなビルといった感じだけどね~」
七海ちゃんの説明が終わると、セフィがその場所へとカメラを向ける。
そこには大きな白いビルのような建物が存在していた。
これが異世界へ行くためのゲートのあるビフレストだ。
ちなみに名前にこの名前は、北欧神話の虹の橋からきているそうだ。
ここには見た目からは想像もできないようなすごい機能がまとめられている。
「この建物は『ビフレスト』という名前なんだよ。北欧神話の虹の橋で有名な名前だね~。まぁ実際、異世界への架け橋なので間違ってはいないんだけどね」
「大きいね」
「でかい」
「この場所は年々大きくなりますからね、次来るときにはもっと大きくなっているかもしれません」
「そうなの?」
「はい」
異世界への移動装置があるといっても、ボクが使用している場所はここではないし、セフィもここを使うことはない。
もちろんクロも行ったこともなければ七海ちゃんも行ったことはないだろう。
「セフィちゃん、どういうことなの?」
七海ちゃんがセフィちゃんに理由を尋ねた。
「はい。ここはいける世界の数だけ増築されるようになっているんです。今でも8つの世界に行き来できるようになっていますが、今後もいける世界が増える予定になってるので大きくなっていくはずです」
「「「へぇ~」」」
セフィの説明に思わず感心してしまった。
「もう。狐白様、前に説明しましたよね?」
「うぐぐ、ごめんなさい。あと『様』禁止」
「あ、つい」
セフィは従者気質なので、気を抜くと『様』をつけてしまう癖がある。
少なくともボクは友達だと思ってるんだから、もっと気易くてもいいのになぁ。
「なんだか思わぬ情報が聞けちゃったね~。さて、そんなビフレストだけど、使い方はいたってシンプルなんだよ。簡単に言うと、『登録』『作成』『選択』『転移』の4つってわけ。それじゃあ説明していくね~」
七海ちゃんを先頭に、ボクたちはビフレストの中へと入っていく。
ビフレストの正面エントランスから自動ドアを通り中へと入っていくと、中央にいくつものカウンターが見受けられた。
そのカウンターには受付嬢と思われる女性職員がおり、並んでいる人たちに何かの説明を行っている。
カウンター上部には大きなモニターが設置されていて、緑豊かな風景などが場所の名前と共に映し出されていた。
どうやらこれは異世界の紹介動画のようだ。
「は~い、ここが登録カウンターだよ~。新規の登録と許可証の発行と通行証の発行ができま~す。ここで作るものを作っておかないと、異世界へはいけないってわけ。それじゃあ次はこちら」
七海ちゃんに案内されるがまま、ボクたちは登録カウンターのゲートの奥へと進んでいく。
途中、警備の人と七海ちゃんがカメラから離れた場所で話す。それから少し後、警備の人と一緒に七海ちゃんが戻ってきた。
「あはは、みんなごめんね~。許可は無事に取れたから、このまま続行しま~す。登録カウンターでもらった登録証一式を警備の人に見せたら、いよいよこの奥へと進んでいくよ。まぁこの奥はちょっと映せないから、ここでの説明になっちゃうけど。こればかりは許可が下りなかったんだよ~」
「七海ちゃん、ここはどんな場所なの?」
「実はまだ実際に行ったことはないんだよね~。でも資料はもらってるので、そこから引用するよ。ここは『アバター作成室』といって、自身の異世界用の体を作る場所なんだ。『ホムンクルス技術』というものを使って、作ってるそうだよ」
「へぇ~。ということは、万が一異世界で何かあっても安心ってこと?」
「お、狐白ちゃんするどい! その通りだよ」
「狐白えらい」
「あはは、ありがとう」
まさか褒められるとは思わなかった。でも、ちょっと嬉しいね。
「ところでクロ? そろそろボクから離れてほしいんだけどなぁ」
「や」
「え~」
「や・だ」
「あ、うん」
外にいるときからずっとクロはボクにくっつきっぱなしだった。
正直歩きにくくて困るんだけど。
「クロちゃんは本当に狐白ちゃんが好きですよね」
「好き」
「恥ずかしいからやめて」
「はぁ。まったく」
そう言う七海ちゃんは、ため息を吐きつつも優し気なまなざしでクロ見ていた。
「なんか七海さんはクロさんのお姉さんって感じですね」
「そ、そう? まぁ妹っぽいとは思ってるけどね~。うちの妹もこんな感じだもの」
「な、なるほどです」
セフィの疑問に七海ちゃんが笑顔で答えていた。
まぁクロが子供っぽいってのは間違ってないかもしれない。
でも、こんなんでもモモちゃんとミドリちゃんの前ではお姉さんぶるんだよね。不思議。
「まぁいいわ。いったん説明はやめてみんなでカフェテリアに行きましょ? ここのカフェテリアの紹介もしておきたいし」
「へぇ~、ここってカフェテリアもあるんだね」
「そそ。こっちとは別の方向にカフェテリアコーナーがあってね~。前にアリサたちと来たんだけど、美味しかったからまた来たいな~とおもってたの。それじゃ、休憩がてらに行こう」
ビフレスト内にあるカフェテリア、いったいどんなところなんだろう。
メンバーは猫村七海ちゃん、ボク、セフィシス、それと黒奈だ。
今回初参加のセフィシスという子はボクの従者兼異世界での護衛役という立場の女の子で、真白セフィという名前のVtuberとして出演している。
それと、出演に際してセフィのアカウントとモデルは、兄様たちが事前に用意してくれたので、セフィもVtuberモデルが表示されるようになっていたりする。
兄様たちには感謝してもしきれないね。
「にゃっは~、にゃーにゃー七海ちゃんねるはっじまるよー! ということで今回のコラボゲストは、『真白狐白ちゃん』『真白セフィちゃん』『猫又クロちゃん』の三人で~す。さぁ、ご挨拶」
「やっほー、真白狐白だよ~。みんなよろしくね~」
「ま、真白セフィです……。えっと、こういうのは初めてなので、どうぞよろしくお願いいたします」
「クロ。黒宮クロって名前になった。よろ」
「というわけで、以上のメンバーで今日はやっていくね~」
セフィシスことセフィは、長い銀髪を二本の三つ編みにして、前後に垂らしたヘアスタイルをしている色白の小柄な女の子だ。
ボクがこちらの世界や下位世界に行く際の護衛兼従者の役割を担っている。
そんなセフィは、普段はボクに付き従い、雑用から戦闘、料理など色々なことをやってくれている。
ちなみに今回は、セフィがメインでカメラを持つのだが、ある程度したら交代してセフィも映すことになっている。
七海ちゃんは主役なので出来るだけ映したいところだけど、どうなるだろう。
もしかしたらボクたちを映す役に回るかもしれない
「さて、今回は生放送といきたいところだけど、残念ながら異世界からなので録画放送になりまーす。ということで、まずは~ってクロちゃん? なんで狐白ちゃんに抱き着いてるの?」
「七海ちゃん、助けて」
「七海、邪魔よくない」
七海ちゃんがジトっとした目でクロのことを見ている。
なんと抜け目のないクロは、七海ちゃんが放送の趣旨の説明を始めたあたりから、ボクに抱き着いてきては頭をこすりつけてきた。
「セフィちゃん、今のクロちゃんの動きって映ってるの?」
「はい、それはもうばっちりと」
「クーローちゃーん?」
初っ端からフリーダムな行動のクロに、七海ちゃんの怒りゲージが上がっていく。
「七海、わかった。ごめん、落ち着いて」
さすがのクロも反省したのか、七海ちゃんにそう言って頭を下げた。
ただしボクに抱き着いたままである。
「はぁ。もういいわ。それじゃあ、気を取り直していっくよ~」
「ごーごー」
「ごー」
「行きましょー」
七海ちゃんの合図でボクたちは目的の場所へと移動を開始した。
中央管理世界の中心都市『スピカ』は巨大な学園がいくつもある学園都市でもあり、同時に行政などの中枢機関も多く存在している、まさにこの世界の中心ともいえる場所だ。
このスピカを含む世界がどこにあるかは詳しくは語られていないが、思ったよりも身近な場所に存在しているということだけは確かだ。
さてこの都市、実は学園や行政機関があるだけではない。
なんと、みんなも知っているRPGのような世界へ行くためのゲートがある場所でもあるのだ。
そんなゲートへと向かう道を、ボクたちは進んでいく。
「え~、まだ詳しくは説明してなかったと思うので、改めて説明すると、このスピカの南地区には、なんと異世界行きのゲートが設置されてるんだよ。まぁゲートとはいっても、その見た目は大きなビルといった感じだけどね~」
七海ちゃんの説明が終わると、セフィがその場所へとカメラを向ける。
そこには大きな白いビルのような建物が存在していた。
これが異世界へ行くためのゲートのあるビフレストだ。
ちなみに名前にこの名前は、北欧神話の虹の橋からきているそうだ。
ここには見た目からは想像もできないようなすごい機能がまとめられている。
「この建物は『ビフレスト』という名前なんだよ。北欧神話の虹の橋で有名な名前だね~。まぁ実際、異世界への架け橋なので間違ってはいないんだけどね」
「大きいね」
「でかい」
「この場所は年々大きくなりますからね、次来るときにはもっと大きくなっているかもしれません」
「そうなの?」
「はい」
異世界への移動装置があるといっても、ボクが使用している場所はここではないし、セフィもここを使うことはない。
もちろんクロも行ったこともなければ七海ちゃんも行ったことはないだろう。
「セフィちゃん、どういうことなの?」
七海ちゃんがセフィちゃんに理由を尋ねた。
「はい。ここはいける世界の数だけ増築されるようになっているんです。今でも8つの世界に行き来できるようになっていますが、今後もいける世界が増える予定になってるので大きくなっていくはずです」
「「「へぇ~」」」
セフィの説明に思わず感心してしまった。
「もう。狐白様、前に説明しましたよね?」
「うぐぐ、ごめんなさい。あと『様』禁止」
「あ、つい」
セフィは従者気質なので、気を抜くと『様』をつけてしまう癖がある。
少なくともボクは友達だと思ってるんだから、もっと気易くてもいいのになぁ。
「なんだか思わぬ情報が聞けちゃったね~。さて、そんなビフレストだけど、使い方はいたってシンプルなんだよ。簡単に言うと、『登録』『作成』『選択』『転移』の4つってわけ。それじゃあ説明していくね~」
七海ちゃんを先頭に、ボクたちはビフレストの中へと入っていく。
ビフレストの正面エントランスから自動ドアを通り中へと入っていくと、中央にいくつものカウンターが見受けられた。
そのカウンターには受付嬢と思われる女性職員がおり、並んでいる人たちに何かの説明を行っている。
カウンター上部には大きなモニターが設置されていて、緑豊かな風景などが場所の名前と共に映し出されていた。
どうやらこれは異世界の紹介動画のようだ。
「は~い、ここが登録カウンターだよ~。新規の登録と許可証の発行と通行証の発行ができま~す。ここで作るものを作っておかないと、異世界へはいけないってわけ。それじゃあ次はこちら」
七海ちゃんに案内されるがまま、ボクたちは登録カウンターのゲートの奥へと進んでいく。
途中、警備の人と七海ちゃんがカメラから離れた場所で話す。それから少し後、警備の人と一緒に七海ちゃんが戻ってきた。
「あはは、みんなごめんね~。許可は無事に取れたから、このまま続行しま~す。登録カウンターでもらった登録証一式を警備の人に見せたら、いよいよこの奥へと進んでいくよ。まぁこの奥はちょっと映せないから、ここでの説明になっちゃうけど。こればかりは許可が下りなかったんだよ~」
「七海ちゃん、ここはどんな場所なの?」
「実はまだ実際に行ったことはないんだよね~。でも資料はもらってるので、そこから引用するよ。ここは『アバター作成室』といって、自身の異世界用の体を作る場所なんだ。『ホムンクルス技術』というものを使って、作ってるそうだよ」
「へぇ~。ということは、万が一異世界で何かあっても安心ってこと?」
「お、狐白ちゃんするどい! その通りだよ」
「狐白えらい」
「あはは、ありがとう」
まさか褒められるとは思わなかった。でも、ちょっと嬉しいね。
「ところでクロ? そろそろボクから離れてほしいんだけどなぁ」
「や」
「え~」
「や・だ」
「あ、うん」
外にいるときからずっとクロはボクにくっつきっぱなしだった。
正直歩きにくくて困るんだけど。
「クロちゃんは本当に狐白ちゃんが好きですよね」
「好き」
「恥ずかしいからやめて」
「はぁ。まったく」
そう言う七海ちゃんは、ため息を吐きつつも優し気なまなざしでクロ見ていた。
「なんか七海さんはクロさんのお姉さんって感じですね」
「そ、そう? まぁ妹っぽいとは思ってるけどね~。うちの妹もこんな感じだもの」
「な、なるほどです」
セフィの疑問に七海ちゃんが笑顔で答えていた。
まぁクロが子供っぽいってのは間違ってないかもしれない。
でも、こんなんでもモモちゃんとミドリちゃんの前ではお姉さんぶるんだよね。不思議。
「まぁいいわ。いったん説明はやめてみんなでカフェテリアに行きましょ? ここのカフェテリアの紹介もしておきたいし」
「へぇ~、ここってカフェテリアもあるんだね」
「そそ。こっちとは別の方向にカフェテリアコーナーがあってね~。前にアリサたちと来たんだけど、美味しかったからまた来たいな~とおもってたの。それじゃ、休憩がてらに行こう」
ビフレスト内にあるカフェテリア、いったいどんなところなんだろう。
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