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第38話 古本市と創作小説フェア
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ここ最近、ボクの周りではコスプレが流行っているように感じる。というのも、妖精郷の一部の催しにコスプレイヤーが出現し始めたからだ。
そういう催しなんでしょ? と思うかもしれないけど、例えば今日みたいな古本市にすらコスプレイヤーがいたりするから不思議に思っている。まぁ、過激なコスプレとかじゃなくて、所謂魔法少女系だったり、ファンタジー小説系の衣装だったりといったものなので、割と大人しめではあるのだけど。
「そこの人狼のお姉さん、そのコスプレは何なのですか?」
ボクは意を決して人狼のお姉さんに尋ねてみた。人狼のお姉さんが着ている服はファンタジー系魔法少女っぽい服で、スカートが短めだ。胸の下から腰にかけてコルセットをしているという特徴がある。
「ようこそ、妖狐のお嬢様! これはですね、妖精郷の一部で開催されている投稿小説のコスプレ宣伝企画なんです。小説内で設定した衣装を実施に作ってみて、どんなものかを確かめてから宣伝しようというものなんですよ。あっちこっちにそういう人がいるので、ちょくちょく見かけるかもしれませんね。今妖精郷は創作小説ブームですから」
にこやかな笑顔でコスプレの趣旨を説明してくれてる人狼のお姉さん。本人の見た目が狼耳と狼尻尾の生えた人間の女の子なので、非常に可愛らしく見える。ここだけ切り抜けば実にファンタジーな光景だ。
「そういえば、人間界でも創作小説は人気ですよね。そっちでは宣伝しないのですか?」
「あはは。たしかにそうなんですけど、あっちでは私、結構地味めなんです。女性作者ということも特に公表してませんし、あっちの見た目でこの衣装を着ても似合いませんから」
人狼のお姉さんは、少ししょんぼりした感じに事情を説明してくれた。まぁ言いたいことはよくわかる。
「なるほど、お姉さんもあっちでは目立ちたくないほうなんですね。実はボクもなんです。こっちではこんな見た目でしょう? だからあっちは眼鏡もかけて地味に過ごしてるんです」
「えぇ~~~!? こんなに可愛らしいのにもったいないですよ! 妹にしたいとか娘にしたいとか言われません? それなのにあっちでは地味に過ごすとかもったいないですよ!!」
強く力説してくれるのはいいんだけど、ボクの方にずいっと顔を近づてくるせいで、距離が近すぎてなんとなく困る。なので、若干ボクは後ろに下がりつつ少し距離を取ることにした。
「あぁ~、逃げないで~~~~」
「あうう、どうしろと。んと、それでどうして今日みたいな古本市にもその格好でいるんですか?」
若干後ろに下がったボクを捕まえて引き寄せつつ、お姉さんはそんなことを言う。それからは、いくら逃げようとしてもビクともしないので、仕方なしにそのまま今日いる理由を尋ねた。
「今日はおじいちゃんのお手伝いに来たんです。それでついでに宣伝もと思いましてこの格好をしたというわけです。変でしょうか?」
「変じゃないですけど、今日の古本市って年齢層高めみたいですから、効果は薄いかもしれませんよ? あ、でも、案外孫可愛いみたいなノリで支援者増えるかも?」
人狼のお姉さんは、服の上の方やスカートのすその方をつまんで軽く持ち上げながらボクに意見を求めてきた。なのでボクは、率直な感想を述べることにした。あと、変じゃないです。可愛いと思います。
「えへへ、ありがとうございます! もしよかったら、午後は創作小説フェアがあるのでそちらも見ていきませんか? 私みたいなコスプレした人も多数来ますよ」
「う~ん。そうですね。今はちょうど暇なのでいいかもしれません」
ちょうど予定もないので、お姉さんのお誘いを受けることにした。ボク自身は小説は書かないけど、どんな感じなのか見てみるのもいいかもしれないと思ったからだ。
それからしばらくは売り子の様子を見ながら、奢ってもらったお茶とお菓子を食べてまったりと過ごした。ちなみに、人狼のお姉さんのお爺さんにはものすごく気に入られた。
「じゃ~ん! ここが創作小説フェアの会場です! 人間界でいうところの即売会も兼ねてるんですよ? 出版社の人も見に来ますので、プロデビューも夢じゃないんです!」
午前中で売り子の仕事を切り上げた人狼のお姉さんに連れられ、ボクは近くで行われている創作小説フェアの会場までやってきた。会場には某同人誌即売会かと思うほどたくさんの人がいた。
「すごいですね。こんな賑やかな催しをやってるなんて今まで知りませんでした」
普段は通学のために人間界で過ごしているせいか、妖精郷のイベントには若干疎いところがある。特に今日は他の皆が所要のためにいないので、情報がほとんどないのだ。
「あはは~、そうなんですよね。そこそこ長い催しなんですけど、なぜか知名度がないというか……」
ボクの言葉にお姉さんしょんぼり。まさかここまでショックを受けるとは思ってもみなかった。
「だ、大丈夫ですよ。ボクも配信とかしてますけど知名度は高くないほうなので」
ボクがそういうと、お姉さんは驚いたような顔をして大きな声を出した。
「あー!! 真白狐白ちゃん!!」
「お姉さん、声大きいです。そういうことは心の中に秘めておいてください」
「あう。ごめんなさい。でも言われてみればそうですね。何で今まで気が付かなかったんでしょう」
「それはきっとお姉さんがコスプレもしているからじゃないですか? だから非現実的なことも受け入れやすくなっているから、意外とそういうことに気が付けなくなっているのかもです」
「そうかな~?」
「そうですよ」
「そうかなぁ」
「そうですよ」
「そうかぁ」
「そうですよ」
「うん。なんかそんな気がしてきました。ありがとう、狐白ちゃん」
「いえいえ。で、この催しはどんなことをするのですか?」
ボクに関する話題をなんとかうやむやにすることに成功したので、連れてきてもらった催しについて尋ねることにした。
「簡単に言うと、販売と宣伝、そして交流」
「すっごく簡単になりましたね」
「もっと褒めてください」
ボクの言葉に人狼のお姉さんは気を良くする。今日初めて会った人だけど、なかなか愉快な人だ。
「今日は私の姉に販売を頼んでいるので、宣伝に専念するつもりなんです」
お姉さんは着ている服を引っ張りながらそう言った。つまりこれからその格好で小説の宣伝をするというわけだ。
「応援してます。ついでだから少し周りを見てきますね」
「えぇ~~~!? 宣伝、手伝ってくれないんですか~~~!?」
「だって今日知り合ったばかりじゃないですか。なので手伝いませんよ」
「そんな~」
がっくりと肩を落とすお姉さんをそのままにして、創作小説フェアの会場を見て回る。
色々なコスプレをした人が本を片手に宣伝をしていたり、ノートPCなどを持ち込んで投稿サイトの小説を見せたりしていた。イラストたっぷりの小説は見た目にも華やかだし分かりやすい反面、イメージが固定されてしまうので想像して楽しむという楽しみを奪われてしまう欠点がある。かといって文章だらけというのも想像力を刺激してくれるのはいいのだが、イラストで見てみたい部分も文字だけになってしまうので少し残念な気持ちになってしまう。一長一短というべきかな。
と、そんなことを考えながら本を見たりしつつ歩いていると、とある本が目に入った。
『あたしと狐白ちゃんのムフフな妄想』という何やら怪しいタイトルの本だ。作者は『こまこま』という人のようだ。
ふと気になって視線を上げると、ブースの中には見たことのある茶色の髪の毛。サングラスは掛けているけどじっとこっちを見るその視線。これはあれだ。見ちゃいけないやつだ。
「じゃ、じゃあボクはこれで」
なんとなく居心地が悪かったので、ボクはそのまま去ろうとした。するとーー。
「ま、まってください!」
小柄な茶色い物体がボクの袖を引っ張って引き止めた。
「いや、まぁいいんだけど。まさかここに来てるとは思わなかったよ。杏ちゃん」
ボクを引き止めた茶色い物体というか人物。それは紛れもなく子狐小毬こと宮内杏だった。
そういう催しなんでしょ? と思うかもしれないけど、例えば今日みたいな古本市にすらコスプレイヤーがいたりするから不思議に思っている。まぁ、過激なコスプレとかじゃなくて、所謂魔法少女系だったり、ファンタジー小説系の衣装だったりといったものなので、割と大人しめではあるのだけど。
「そこの人狼のお姉さん、そのコスプレは何なのですか?」
ボクは意を決して人狼のお姉さんに尋ねてみた。人狼のお姉さんが着ている服はファンタジー系魔法少女っぽい服で、スカートが短めだ。胸の下から腰にかけてコルセットをしているという特徴がある。
「ようこそ、妖狐のお嬢様! これはですね、妖精郷の一部で開催されている投稿小説のコスプレ宣伝企画なんです。小説内で設定した衣装を実施に作ってみて、どんなものかを確かめてから宣伝しようというものなんですよ。あっちこっちにそういう人がいるので、ちょくちょく見かけるかもしれませんね。今妖精郷は創作小説ブームですから」
にこやかな笑顔でコスプレの趣旨を説明してくれてる人狼のお姉さん。本人の見た目が狼耳と狼尻尾の生えた人間の女の子なので、非常に可愛らしく見える。ここだけ切り抜けば実にファンタジーな光景だ。
「そういえば、人間界でも創作小説は人気ですよね。そっちでは宣伝しないのですか?」
「あはは。たしかにそうなんですけど、あっちでは私、結構地味めなんです。女性作者ということも特に公表してませんし、あっちの見た目でこの衣装を着ても似合いませんから」
人狼のお姉さんは、少ししょんぼりした感じに事情を説明してくれた。まぁ言いたいことはよくわかる。
「なるほど、お姉さんもあっちでは目立ちたくないほうなんですね。実はボクもなんです。こっちではこんな見た目でしょう? だからあっちは眼鏡もかけて地味に過ごしてるんです」
「えぇ~~~!? こんなに可愛らしいのにもったいないですよ! 妹にしたいとか娘にしたいとか言われません? それなのにあっちでは地味に過ごすとかもったいないですよ!!」
強く力説してくれるのはいいんだけど、ボクの方にずいっと顔を近づてくるせいで、距離が近すぎてなんとなく困る。なので、若干ボクは後ろに下がりつつ少し距離を取ることにした。
「あぁ~、逃げないで~~~~」
「あうう、どうしろと。んと、それでどうして今日みたいな古本市にもその格好でいるんですか?」
若干後ろに下がったボクを捕まえて引き寄せつつ、お姉さんはそんなことを言う。それからは、いくら逃げようとしてもビクともしないので、仕方なしにそのまま今日いる理由を尋ねた。
「今日はおじいちゃんのお手伝いに来たんです。それでついでに宣伝もと思いましてこの格好をしたというわけです。変でしょうか?」
「変じゃないですけど、今日の古本市って年齢層高めみたいですから、効果は薄いかもしれませんよ? あ、でも、案外孫可愛いみたいなノリで支援者増えるかも?」
人狼のお姉さんは、服の上の方やスカートのすその方をつまんで軽く持ち上げながらボクに意見を求めてきた。なのでボクは、率直な感想を述べることにした。あと、変じゃないです。可愛いと思います。
「えへへ、ありがとうございます! もしよかったら、午後は創作小説フェアがあるのでそちらも見ていきませんか? 私みたいなコスプレした人も多数来ますよ」
「う~ん。そうですね。今はちょうど暇なのでいいかもしれません」
ちょうど予定もないので、お姉さんのお誘いを受けることにした。ボク自身は小説は書かないけど、どんな感じなのか見てみるのもいいかもしれないと思ったからだ。
それからしばらくは売り子の様子を見ながら、奢ってもらったお茶とお菓子を食べてまったりと過ごした。ちなみに、人狼のお姉さんのお爺さんにはものすごく気に入られた。
「じゃ~ん! ここが創作小説フェアの会場です! 人間界でいうところの即売会も兼ねてるんですよ? 出版社の人も見に来ますので、プロデビューも夢じゃないんです!」
午前中で売り子の仕事を切り上げた人狼のお姉さんに連れられ、ボクは近くで行われている創作小説フェアの会場までやってきた。会場には某同人誌即売会かと思うほどたくさんの人がいた。
「すごいですね。こんな賑やかな催しをやってるなんて今まで知りませんでした」
普段は通学のために人間界で過ごしているせいか、妖精郷のイベントには若干疎いところがある。特に今日は他の皆が所要のためにいないので、情報がほとんどないのだ。
「あはは~、そうなんですよね。そこそこ長い催しなんですけど、なぜか知名度がないというか……」
ボクの言葉にお姉さんしょんぼり。まさかここまでショックを受けるとは思ってもみなかった。
「だ、大丈夫ですよ。ボクも配信とかしてますけど知名度は高くないほうなので」
ボクがそういうと、お姉さんは驚いたような顔をして大きな声を出した。
「あー!! 真白狐白ちゃん!!」
「お姉さん、声大きいです。そういうことは心の中に秘めておいてください」
「あう。ごめんなさい。でも言われてみればそうですね。何で今まで気が付かなかったんでしょう」
「それはきっとお姉さんがコスプレもしているからじゃないですか? だから非現実的なことも受け入れやすくなっているから、意外とそういうことに気が付けなくなっているのかもです」
「そうかな~?」
「そうですよ」
「そうかなぁ」
「そうですよ」
「そうかぁ」
「そうですよ」
「うん。なんかそんな気がしてきました。ありがとう、狐白ちゃん」
「いえいえ。で、この催しはどんなことをするのですか?」
ボクに関する話題をなんとかうやむやにすることに成功したので、連れてきてもらった催しについて尋ねることにした。
「簡単に言うと、販売と宣伝、そして交流」
「すっごく簡単になりましたね」
「もっと褒めてください」
ボクの言葉に人狼のお姉さんは気を良くする。今日初めて会った人だけど、なかなか愉快な人だ。
「今日は私の姉に販売を頼んでいるので、宣伝に専念するつもりなんです」
お姉さんは着ている服を引っ張りながらそう言った。つまりこれからその格好で小説の宣伝をするというわけだ。
「応援してます。ついでだから少し周りを見てきますね」
「えぇ~~~!? 宣伝、手伝ってくれないんですか~~~!?」
「だって今日知り合ったばかりじゃないですか。なので手伝いませんよ」
「そんな~」
がっくりと肩を落とすお姉さんをそのままにして、創作小説フェアの会場を見て回る。
色々なコスプレをした人が本を片手に宣伝をしていたり、ノートPCなどを持ち込んで投稿サイトの小説を見せたりしていた。イラストたっぷりの小説は見た目にも華やかだし分かりやすい反面、イメージが固定されてしまうので想像して楽しむという楽しみを奪われてしまう欠点がある。かといって文章だらけというのも想像力を刺激してくれるのはいいのだが、イラストで見てみたい部分も文字だけになってしまうので少し残念な気持ちになってしまう。一長一短というべきかな。
と、そんなことを考えながら本を見たりしつつ歩いていると、とある本が目に入った。
『あたしと狐白ちゃんのムフフな妄想』という何やら怪しいタイトルの本だ。作者は『こまこま』という人のようだ。
ふと気になって視線を上げると、ブースの中には見たことのある茶色の髪の毛。サングラスは掛けているけどじっとこっちを見るその視線。これはあれだ。見ちゃいけないやつだ。
「じゃ、じゃあボクはこれで」
なんとなく居心地が悪かったので、ボクはそのまま去ろうとした。するとーー。
「ま、まってください!」
小柄な茶色い物体がボクの袖を引っ張って引き止めた。
「いや、まぁいいんだけど。まさかここに来てるとは思わなかったよ。杏ちゃん」
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