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第29話 葵姉様の婚約者現る
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世の中にはたくさんのYouTuberとVtuberが存在している。
少なくなくともボク自身もそうだし、ボクの周囲にもそういう人達が多く存在している。
特に、妖種にとっては隠れ蓑としてもすごくいいものなので、本業の傍らでこういった活動をしている人が多いのは当然のことだろう。
温泉施設から帰ってきたボクは人間界側の自宅のリビングで寝転がりながら漫画本を読んでいた。コラボ企画についてはまた次回ということになったので疲労は少ないけど、小旅行とはいえ、ちょっと遠くへ行って帰ってくるだけでもそれなりに疲れてしまうのは仕方のないことだろう。だから今ボクが妖狐の姿で寝転がっていても何も問題はないはずだ。そのはずだった……。
問題が起きたのはボクが上半身にキャミソールを着用し、下半身にハーフパンツを穿いてその姿ままごろごろと寝転がっていた時だった。
ピンポーンというチャイムの音が鳴り、パタパタと宗親兄様が出迎えに行く。そしてそのまま何事もなくただ戻ってくるだけ。のはずが、なぜか長身黒髪の男性を伴ってリビングに入ってきたのだ。その瞬間ボクは非常に困惑した。なぜなら前述したように妖狐の姿だったからだ。
「ほぉぅ? これはこれは、まさかこんな可愛らしいお嬢さんが」
男性はそう言うと、顎に手を当てたまま涼し気な眼でボクとじっと見つめていた。
やってしまった、ボクはそう思った。ただでさえこの姿は真白狐白そのものなのだ。その上、現実に存在するケモミミタイプであり妖狐族という種族の妖種なのだ。他人に見せるべきものでは決してない。その瞬間頭をよぎったのは二つ。ボクが妖狐ということがばらされ見世物などにされる可能性。そしてお母様にお尻を叩かれながらお説教をされてしまうという可能性だ。まずい、非常にまずい。
「あ、あわわわ」
だというのに、ボクの口から出たのはこの言葉だけだった。否、言葉でさえないだろう。どうしよう、どうしたらいいのだろう。そんなことを必死に考えていると突如宗親兄様から声がかかった。冷静に、とても落ち着いた声でだ。怒られる……ボクはそう確信した。
「ご、ごめんなひゃ『暮葉、紹介するよ。私たちと同じ妖狐族で夢幻酔での妖種のプロデュースを担当している井坂源一郎だ』ほえ?」
兄様の口から出た言葉は予想外の言葉だった。紹介? プロデュース?
「あはは、困惑しているじゃないか宗親。大体、薄着の少女がいるなら事前に教えていてくれてもいいんじゃないかな? あられもない姿を見られて困惑しているだろう?」
「あぁ、そのことなら問題ないよ。それに本人は別のことを考えているようだからね」
「ほぅ、別のこと? ……ふむ。なるほど。その姿のことで怒られると思ったのか」
現在進行形で困惑しているボクとニヤニヤしながら宗親兄様にそう言う井坂というお客さん、そしてやれやれといった表情をしている宗親兄様。何とも言えないカオスな状況が出来上がっていた。ついでに開け放たれた扉の間からは弥生姉様の顔が少しだけ見えている。どうやらこっちをこっそり覗いていたようだ。
「弥生君、そんなところにいないで入ってきてはどうかな? 私が苦手なのは理解しているがそう離れて見られているというのも困るのでね」
「井坂さん、今日は何しに来たんですか? 暮葉ちゃんへのセクハラなら許しませんけど?」
姉様は警戒モードに入っている。普段の朗らかな姉様からは考えられないほどの警戒心だ。もし姉様が妖狐かしていたら尻尾の毛も逆立っていたことだろう。
「そう警戒しないでほしいのだが。今回はバーチャル街についての話と二人の今後の活動支援についての話を持ってきたのだからね」
「活動の支援……ですか? 囲い込むだけのつもりならお断りしますが」
「そういうわけではないよ。まぁ忖度するというのも問題ではあるのだが、我ら夢幻酔が二人のバックに就くという話が天都様から出ていてね、その話をしたいと思ってやってきたのだ。個人だけの状況だと困ることも多いだろ? まぁ企業に所属しているからいいというわけでもないのだが……」
弥生姉様と井坂さんの間からはただならぬ気配を感じる。何かしらの因縁でもあるのだろうか? そう思い、混乱が収まったボクは思わず問いかけてしまった。
「お二人は昔からのお知り合いで?」
「一応は葵さんの婚約者だ」
「泥棒です」
「???」
井坂さんと弥生姉様の口からはそれぞれ違う回答が出てきてしまった。
葵姉様の婚約者? 泥棒? どういうことだろう?
「あはは、一応説明しておくと、源一郎は葵の婚約者なんだよ。母上が決めたことなんだけどね。それで弥生が反発しているというわけなんだ」
「婚約者とか! ただの泥棒でしょ!?」
「弥生君は本当に姉妹を大切にしているな。もちろん葵さんが嫌ならば私は無理にとは言えない。天都様もその辺りは理解していらっしゃる」
どうやら家族大好きな弥生姉様は葵姉様の婚約者の井坂さんをお気に召さないご様子。妖狐族は家族をとても大切にする傾向があるらしいので当然の反応と言えば当然なんだけど、じゃあ当の葵姉様はどう思っているのだろうか。ボクはその辺りが気になってしまった。
「えっと、葵姉様はなんと?」
「異性に興味はないけど天都様の話ならと」
「どうでもいいって!」
なるほど、葵姉様はこの話については特に興味を持っていなかったのか。だからこんな風になったのか。
「葵姉様、そういうところに興味示さないですしね」
ボクがそう言うと、井坂さんも弥生姉様も、そして宗親兄様も同時にこめかみに指を当てていた。葵姉様の今の趣味ってボクたちの着せ替え関連だから、それを邪魔されなければ他はどうでもいいという感じなのだろう。特に今は酒吞童子たちの着せ替えを作ったり、姉妹Vtuberの日常というタイトルで定期的にボクと弥生姉様の四コマ漫画をTwitterにあげているので毎日忙しそうにしているしね。
「まぁ葵の件はまた後程ということにしてだ、まず暮葉は着替えてきなさい」
「は~い」
ボクは宗親兄様にそう言われると、いそいそと自室に戻ることにした。
「さて、もう色々と見られちゃってるし、今更取り繕えないから普段着でいいよね?」
部屋に戻ったボクはさっそくクローゼットを開こうとした。するとボクの机の上に服が置かれているのが目に入ってきた。机はクローゼットの横にあるので、服の仮置き場にしたりするのに重宝している。しかし見たことのない新しい服がそこにはあった。藍色のデニム生地のオーバーオールだった。
「これと白いシャツでいいか。気楽だし。でもこれ置いたのって誰だろう? 弥生姉様かな?」
ボクはそう思いオーバーオールを持ち上げた。するとその下には一枚の紙切れが隠されていた。
「紙の切れ端? 何か書いてある」
『オーバーオールを着た狐白ちゃんが描きたいので暮葉ちゃんが着たら私の部屋へ来るように』
どうやら葵姉様からの贈り物だったようだ。それにしても絵のモデルか。どんな風になるんだろう? ちょっと楽しみかも。
「とりあえず着替えたら葵姉様のところに行こうか。井坂さんたちのところに戻るにしても葵姉様に一言言っておいたほうがいいだろうし」
ボクはそう呟くといったん下着姿になってから着替え始めていく。脱いだものは後でまた着るかもしれないから畳んでおく。
「デニム生地の服って思ったより窮屈かも。他のみたいに伸びるわけでもないし」
そうは言うけど、ジーンズにちょっと上部分が追加されたようなものなので、極端に動きが制限されるわけではなかった。ただ肩口に引っ掛けるので若干引っ張られる感覚はあるけど。
「よし、着替えたし葵姉様に見せに行こうかな。それにしても葵姉様の婚約者かぁ。将来のボクたちの兄候補かぁ」
突然現れた葵姉様の婚約者には驚いたものの、夢幻酔の関係者ということで今後はそれなりに関わることになるだろう。色々と話を聞いておいたほうがいいのかもしれない。ボクはそんなことを考えながら葵姉様の部屋へ向かうのだった。
少なくなくともボク自身もそうだし、ボクの周囲にもそういう人達が多く存在している。
特に、妖種にとっては隠れ蓑としてもすごくいいものなので、本業の傍らでこういった活動をしている人が多いのは当然のことだろう。
温泉施設から帰ってきたボクは人間界側の自宅のリビングで寝転がりながら漫画本を読んでいた。コラボ企画についてはまた次回ということになったので疲労は少ないけど、小旅行とはいえ、ちょっと遠くへ行って帰ってくるだけでもそれなりに疲れてしまうのは仕方のないことだろう。だから今ボクが妖狐の姿で寝転がっていても何も問題はないはずだ。そのはずだった……。
問題が起きたのはボクが上半身にキャミソールを着用し、下半身にハーフパンツを穿いてその姿ままごろごろと寝転がっていた時だった。
ピンポーンというチャイムの音が鳴り、パタパタと宗親兄様が出迎えに行く。そしてそのまま何事もなくただ戻ってくるだけ。のはずが、なぜか長身黒髪の男性を伴ってリビングに入ってきたのだ。その瞬間ボクは非常に困惑した。なぜなら前述したように妖狐の姿だったからだ。
「ほぉぅ? これはこれは、まさかこんな可愛らしいお嬢さんが」
男性はそう言うと、顎に手を当てたまま涼し気な眼でボクとじっと見つめていた。
やってしまった、ボクはそう思った。ただでさえこの姿は真白狐白そのものなのだ。その上、現実に存在するケモミミタイプであり妖狐族という種族の妖種なのだ。他人に見せるべきものでは決してない。その瞬間頭をよぎったのは二つ。ボクが妖狐ということがばらされ見世物などにされる可能性。そしてお母様にお尻を叩かれながらお説教をされてしまうという可能性だ。まずい、非常にまずい。
「あ、あわわわ」
だというのに、ボクの口から出たのはこの言葉だけだった。否、言葉でさえないだろう。どうしよう、どうしたらいいのだろう。そんなことを必死に考えていると突如宗親兄様から声がかかった。冷静に、とても落ち着いた声でだ。怒られる……ボクはそう確信した。
「ご、ごめんなひゃ『暮葉、紹介するよ。私たちと同じ妖狐族で夢幻酔での妖種のプロデュースを担当している井坂源一郎だ』ほえ?」
兄様の口から出た言葉は予想外の言葉だった。紹介? プロデュース?
「あはは、困惑しているじゃないか宗親。大体、薄着の少女がいるなら事前に教えていてくれてもいいんじゃないかな? あられもない姿を見られて困惑しているだろう?」
「あぁ、そのことなら問題ないよ。それに本人は別のことを考えているようだからね」
「ほぅ、別のこと? ……ふむ。なるほど。その姿のことで怒られると思ったのか」
現在進行形で困惑しているボクとニヤニヤしながら宗親兄様にそう言う井坂というお客さん、そしてやれやれといった表情をしている宗親兄様。何とも言えないカオスな状況が出来上がっていた。ついでに開け放たれた扉の間からは弥生姉様の顔が少しだけ見えている。どうやらこっちをこっそり覗いていたようだ。
「弥生君、そんなところにいないで入ってきてはどうかな? 私が苦手なのは理解しているがそう離れて見られているというのも困るのでね」
「井坂さん、今日は何しに来たんですか? 暮葉ちゃんへのセクハラなら許しませんけど?」
姉様は警戒モードに入っている。普段の朗らかな姉様からは考えられないほどの警戒心だ。もし姉様が妖狐かしていたら尻尾の毛も逆立っていたことだろう。
「そう警戒しないでほしいのだが。今回はバーチャル街についての話と二人の今後の活動支援についての話を持ってきたのだからね」
「活動の支援……ですか? 囲い込むだけのつもりならお断りしますが」
「そういうわけではないよ。まぁ忖度するというのも問題ではあるのだが、我ら夢幻酔が二人のバックに就くという話が天都様から出ていてね、その話をしたいと思ってやってきたのだ。個人だけの状況だと困ることも多いだろ? まぁ企業に所属しているからいいというわけでもないのだが……」
弥生姉様と井坂さんの間からはただならぬ気配を感じる。何かしらの因縁でもあるのだろうか? そう思い、混乱が収まったボクは思わず問いかけてしまった。
「お二人は昔からのお知り合いで?」
「一応は葵さんの婚約者だ」
「泥棒です」
「???」
井坂さんと弥生姉様の口からはそれぞれ違う回答が出てきてしまった。
葵姉様の婚約者? 泥棒? どういうことだろう?
「あはは、一応説明しておくと、源一郎は葵の婚約者なんだよ。母上が決めたことなんだけどね。それで弥生が反発しているというわけなんだ」
「婚約者とか! ただの泥棒でしょ!?」
「弥生君は本当に姉妹を大切にしているな。もちろん葵さんが嫌ならば私は無理にとは言えない。天都様もその辺りは理解していらっしゃる」
どうやら家族大好きな弥生姉様は葵姉様の婚約者の井坂さんをお気に召さないご様子。妖狐族は家族をとても大切にする傾向があるらしいので当然の反応と言えば当然なんだけど、じゃあ当の葵姉様はどう思っているのだろうか。ボクはその辺りが気になってしまった。
「えっと、葵姉様はなんと?」
「異性に興味はないけど天都様の話ならと」
「どうでもいいって!」
なるほど、葵姉様はこの話については特に興味を持っていなかったのか。だからこんな風になったのか。
「葵姉様、そういうところに興味示さないですしね」
ボクがそう言うと、井坂さんも弥生姉様も、そして宗親兄様も同時にこめかみに指を当てていた。葵姉様の今の趣味ってボクたちの着せ替え関連だから、それを邪魔されなければ他はどうでもいいという感じなのだろう。特に今は酒吞童子たちの着せ替えを作ったり、姉妹Vtuberの日常というタイトルで定期的にボクと弥生姉様の四コマ漫画をTwitterにあげているので毎日忙しそうにしているしね。
「まぁ葵の件はまた後程ということにしてだ、まず暮葉は着替えてきなさい」
「は~い」
ボクは宗親兄様にそう言われると、いそいそと自室に戻ることにした。
「さて、もう色々と見られちゃってるし、今更取り繕えないから普段着でいいよね?」
部屋に戻ったボクはさっそくクローゼットを開こうとした。するとボクの机の上に服が置かれているのが目に入ってきた。机はクローゼットの横にあるので、服の仮置き場にしたりするのに重宝している。しかし見たことのない新しい服がそこにはあった。藍色のデニム生地のオーバーオールだった。
「これと白いシャツでいいか。気楽だし。でもこれ置いたのって誰だろう? 弥生姉様かな?」
ボクはそう思いオーバーオールを持ち上げた。するとその下には一枚の紙切れが隠されていた。
「紙の切れ端? 何か書いてある」
『オーバーオールを着た狐白ちゃんが描きたいので暮葉ちゃんが着たら私の部屋へ来るように』
どうやら葵姉様からの贈り物だったようだ。それにしても絵のモデルか。どんな風になるんだろう? ちょっと楽しみかも。
「とりあえず着替えたら葵姉様のところに行こうか。井坂さんたちのところに戻るにしても葵姉様に一言言っておいたほうがいいだろうし」
ボクはそう呟くといったん下着姿になってから着替え始めていく。脱いだものは後でまた着るかもしれないから畳んでおく。
「デニム生地の服って思ったより窮屈かも。他のみたいに伸びるわけでもないし」
そうは言うけど、ジーンズにちょっと上部分が追加されたようなものなので、極端に動きが制限されるわけではなかった。ただ肩口に引っ掛けるので若干引っ張られる感覚はあるけど。
「よし、着替えたし葵姉様に見せに行こうかな。それにしても葵姉様の婚約者かぁ。将来のボクたちの兄候補かぁ」
突然現れた葵姉様の婚約者には驚いたものの、夢幻酔の関係者ということで今後はそれなりに関わることになるだろう。色々と話を聞いておいたほうがいいのかもしれない。ボクはそんなことを考えながら葵姉様の部屋へ向かうのだった。
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