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所長代理編 第三話「暗殺騎士〈Lv999の騎士(ナイト)が、非合法職の暗殺者(アサシン)Lv1に強制ジョブチェンジ?!〉」
⑴
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とある異世界の王国……の、騎士団本部玄関ホール。
テンプク騎士団所属騎士、フィリップ・ド・キシダは大の字になって倒れていた。
任務から帰還し、「さて、団長に報告するか」と大階段を上ろうとした次の瞬間、体が急に動かなくなり、後ろへ倒れたのだ。
今も起き上がれないまま、呆然と天井を見上げている。
「フィリップ隊長、大丈夫ですか?」
「先ほど捕らえた、黒魔導士のしわざか?」
部下たちが心配そうに覗き込む。
そこへ、フィリップが報告に行こうとしていた団長まで駆けつけた。
「何事だ?」
「団長!」
「フィリップ隊長が起き上がれなくなってしまったんです!」
団長も怪訝そうに、フィリップを見下ろす。
フィリップとは年の差がひと回りしかなく、実の弟のように可愛がってもらっている。このような姿を見せるのは、不本意だった。
「フィリップ、何があった?」
「わ、私にも何がなんだか……。急に甲冑が重くなって、起き上がれなくなってしまったのです」
「そんなバカな。お前ほどの騎士ならば、小指でも持ち上げられるはずだろう?」
「いや、小指はちょっと」
ふいに、団長はハッとした。フィリップに向かって、ボタンを押すような仕草をする。
電子音とともに、うっすら赤みがかった半透明の画面が現れる。画面にはフィリップのステータスや個人情報がびっしり書かれていた。
集まった部下たちは画面を見た瞬間、悲鳴を上げた。
「この赤は……非合法職の証!」
「嘘だ! フィリップ隊長は騎士団第一小隊隊長だぞ?! 非合法職のはずがない!」
「……いいえ。ご覧なさい」
団長がフィリップの職業欄を指差す。
本来「騎士(Lv999)」とあるはずが、「暗殺者(Lv1)」に変わっていた。
「暗殺者?!」
「よりにもよって、そんなジョブに?!」
「どうりで、甲冑の重みで起き上がれないはずだ。初期ステータスが、騎士の初期ステータスの十分の一もない」
「フィリップ隊長、どういうことですか?! 気でも触れましたか?!」
「だから、私にも分からないって言っているじゃないか!」
フィリップは部下に対し、逆ギレする。
彼が焦るのも無理はない。
この世界において、「非合法職」と呼ばれるジョブは粛清対象……騎士や自警団などの保安職に捕まえれば、この世界から抹消される。すなわち、死だ。
非合法職になるはずがないことは、フィリップが一番よく分かっていた。
彼は転生者だった。「来世では認められたい」と、わざわざ騎士を選んで転生したのに、その人生を棒に振るような選択をするわけがない。
しかし事情を話したところで、彼らは納得しない。
この異世界はファンタジー系MMORPG〈フリーダムファンタジーキングダム(通称:FFK)〉の世界……フィリップ以外の人間は、全員NPCなのだ。システムに従い、フィリップを処刑しようとするだろう。
案の定、騎士たちの目の色が「正常」を示すブルーから「要捕縛対象発見」を示すイエローへ変わった。
抵抗すれば、「処刑モード」のレッドに染まってしまう。
「とりあえず、牢に運ぶか」
「隊長。悪く思わないでくださいね」
騎士たちはフィリップの体へ手を伸ばす。
抵抗しようにも、かろうじて指先を動かせる程度だった。
(くそッ、女神め! こんなアクシデントが起きるなんて、きいてないぞ! 性格が悪そうな神だとは思っていたが、ここまでとは……!)
諦めかけたその時、フィリップの指先から小さな丸い物体が転がり出た。
次の瞬間、丸い物体が爆ぜ、一帯を白煙に覆った。
☆
カチカチ、カタカタ
カチカチ、カタカタ
二人分のマウスとキーボードを操作する音が、斡旋所に響く。会話はない。
平凡仙人はげっそりした顔でパソコンの画面と睨み合いながら、ボソッとつぶやいた。
「……今、ハデスがバイクで突撃してきたら、ぶん殴ってもいいか?」
同じく、目の下にくまができているヘカテーが、弱々しく返す。
「それだけじゃ足りません。火車タクシーを呼びましょう。ハデス様の頭上に、ドカンと」
「ははっ。いいな、それ」
平凡仙人は乾いた声で笑った。
「専門家」の働きにより、女神の人生は正常に戻った。
だが、女神以外にも人生トレーダーの被害にあった転生者は山のようにいる。中には、現在進行形で苦しんでいる転生者もいるかもしれない。
平凡仙人は元転生者として、彼らを無視できなかった。
そこで、被害にあった転生者の調査に乗り出した……ヘカテーと、たった二人で。
欲を言えば、改ざん前のデータを知っているハデスにも協力してもらいたかったが、
「ペルセポネが帰ってくるまでに完成させなきゃいけないアニメが百本あるからムリ!」
と断られてしまった。
斡旋所には時間の流れがないとはいえ、精神的に疲労はする。
もちろん、転生の斡旋も休めない。明らかにオーバーワークだった。
なお、被害にあった転生者には、来世での補てんを予定している。
笑って緊張が解けたおかげか、平凡仙人はある転生者のデータの異変に気づいた。
「あれ? この客の職業、騎士から暗殺者に変わってら」
「IDは?」
「E1915410789。個人名は岸田武夫……今はフィリップ・ド・キシダか」
ヘカテーもIDを検索し、転生者のデータに目をとおす。
「転職したんじゃないですか? FFK異世界なら、簡単に職業を変えられるはずですよね?」
「あぁ、ゲームの中の世界だからな。だけど、あいつは騎士になりたくて、この異世界に転生したんだ。今さら、非合法職の暗殺者になるメリットがない。最悪、人生が終わっちまう」
キシダは女神が所長だった頃に、斡旋所を訪れた客だ。
前世は会社員で、会社のために精いっぱい働いたが、手柄だけを横取りされ、リストラさせられた。
「来世は、心から『従いたい』と思える上司がいる職場で働きたい」
と強く願い、FFK世界の騎士に転生した。
暗殺者はむしろ、キシダが一番嫌っていた前世の職場と似ている。キシダが望んで、暗殺者に転職したとは思えない。
「観てみるか。キシダが今、どんな状況か」
テンプク騎士団所属騎士、フィリップ・ド・キシダは大の字になって倒れていた。
任務から帰還し、「さて、団長に報告するか」と大階段を上ろうとした次の瞬間、体が急に動かなくなり、後ろへ倒れたのだ。
今も起き上がれないまま、呆然と天井を見上げている。
「フィリップ隊長、大丈夫ですか?」
「先ほど捕らえた、黒魔導士のしわざか?」
部下たちが心配そうに覗き込む。
そこへ、フィリップが報告に行こうとしていた団長まで駆けつけた。
「何事だ?」
「団長!」
「フィリップ隊長が起き上がれなくなってしまったんです!」
団長も怪訝そうに、フィリップを見下ろす。
フィリップとは年の差がひと回りしかなく、実の弟のように可愛がってもらっている。このような姿を見せるのは、不本意だった。
「フィリップ、何があった?」
「わ、私にも何がなんだか……。急に甲冑が重くなって、起き上がれなくなってしまったのです」
「そんなバカな。お前ほどの騎士ならば、小指でも持ち上げられるはずだろう?」
「いや、小指はちょっと」
ふいに、団長はハッとした。フィリップに向かって、ボタンを押すような仕草をする。
電子音とともに、うっすら赤みがかった半透明の画面が現れる。画面にはフィリップのステータスや個人情報がびっしり書かれていた。
集まった部下たちは画面を見た瞬間、悲鳴を上げた。
「この赤は……非合法職の証!」
「嘘だ! フィリップ隊長は騎士団第一小隊隊長だぞ?! 非合法職のはずがない!」
「……いいえ。ご覧なさい」
団長がフィリップの職業欄を指差す。
本来「騎士(Lv999)」とあるはずが、「暗殺者(Lv1)」に変わっていた。
「暗殺者?!」
「よりにもよって、そんなジョブに?!」
「どうりで、甲冑の重みで起き上がれないはずだ。初期ステータスが、騎士の初期ステータスの十分の一もない」
「フィリップ隊長、どういうことですか?! 気でも触れましたか?!」
「だから、私にも分からないって言っているじゃないか!」
フィリップは部下に対し、逆ギレする。
彼が焦るのも無理はない。
この世界において、「非合法職」と呼ばれるジョブは粛清対象……騎士や自警団などの保安職に捕まえれば、この世界から抹消される。すなわち、死だ。
非合法職になるはずがないことは、フィリップが一番よく分かっていた。
彼は転生者だった。「来世では認められたい」と、わざわざ騎士を選んで転生したのに、その人生を棒に振るような選択をするわけがない。
しかし事情を話したところで、彼らは納得しない。
この異世界はファンタジー系MMORPG〈フリーダムファンタジーキングダム(通称:FFK)〉の世界……フィリップ以外の人間は、全員NPCなのだ。システムに従い、フィリップを処刑しようとするだろう。
案の定、騎士たちの目の色が「正常」を示すブルーから「要捕縛対象発見」を示すイエローへ変わった。
抵抗すれば、「処刑モード」のレッドに染まってしまう。
「とりあえず、牢に運ぶか」
「隊長。悪く思わないでくださいね」
騎士たちはフィリップの体へ手を伸ばす。
抵抗しようにも、かろうじて指先を動かせる程度だった。
(くそッ、女神め! こんなアクシデントが起きるなんて、きいてないぞ! 性格が悪そうな神だとは思っていたが、ここまでとは……!)
諦めかけたその時、フィリップの指先から小さな丸い物体が転がり出た。
次の瞬間、丸い物体が爆ぜ、一帯を白煙に覆った。
☆
カチカチ、カタカタ
カチカチ、カタカタ
二人分のマウスとキーボードを操作する音が、斡旋所に響く。会話はない。
平凡仙人はげっそりした顔でパソコンの画面と睨み合いながら、ボソッとつぶやいた。
「……今、ハデスがバイクで突撃してきたら、ぶん殴ってもいいか?」
同じく、目の下にくまができているヘカテーが、弱々しく返す。
「それだけじゃ足りません。火車タクシーを呼びましょう。ハデス様の頭上に、ドカンと」
「ははっ。いいな、それ」
平凡仙人は乾いた声で笑った。
「専門家」の働きにより、女神の人生は正常に戻った。
だが、女神以外にも人生トレーダーの被害にあった転生者は山のようにいる。中には、現在進行形で苦しんでいる転生者もいるかもしれない。
平凡仙人は元転生者として、彼らを無視できなかった。
そこで、被害にあった転生者の調査に乗り出した……ヘカテーと、たった二人で。
欲を言えば、改ざん前のデータを知っているハデスにも協力してもらいたかったが、
「ペルセポネが帰ってくるまでに完成させなきゃいけないアニメが百本あるからムリ!」
と断られてしまった。
斡旋所には時間の流れがないとはいえ、精神的に疲労はする。
もちろん、転生の斡旋も休めない。明らかにオーバーワークだった。
なお、被害にあった転生者には、来世での補てんを予定している。
笑って緊張が解けたおかげか、平凡仙人はある転生者のデータの異変に気づいた。
「あれ? この客の職業、騎士から暗殺者に変わってら」
「IDは?」
「E1915410789。個人名は岸田武夫……今はフィリップ・ド・キシダか」
ヘカテーもIDを検索し、転生者のデータに目をとおす。
「転職したんじゃないですか? FFK異世界なら、簡単に職業を変えられるはずですよね?」
「あぁ、ゲームの中の世界だからな。だけど、あいつは騎士になりたくて、この異世界に転生したんだ。今さら、非合法職の暗殺者になるメリットがない。最悪、人生が終わっちまう」
キシダは女神が所長だった頃に、斡旋所を訪れた客だ。
前世は会社員で、会社のために精いっぱい働いたが、手柄だけを横取りされ、リストラさせられた。
「来世は、心から『従いたい』と思える上司がいる職場で働きたい」
と強く願い、FFK世界の騎士に転生した。
暗殺者はむしろ、キシダが一番嫌っていた前世の職場と似ている。キシダが望んで、暗殺者に転職したとは思えない。
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