美術部俺達

緋色刹那

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あとがき「私と美術部の備忘録」(ネタバレ含みます)

〈最後に〉

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 学生時代の私にとって、美術部は青春の舞台でした。
 成宮達が所属していたのが、運動部でも他の文化でもなかったのは、こういった私自身の背景があったからなのです。
 あの頃は「もっと有意義なことがしたい」「青春らしいことがしたい」と鬱屈としていました。万年美術部でいることにコンプレックスすら感じていました。「新しいことがしたい」と高校では演劇部に入りましたが、2週間でやめて美術部に転部しました。
 ですが今の私からすれば、十分青春していたと思います。何度、あの頃に戻りたいと思ったことか……。もしも私が美術部に入っていなかったら、「美術部俺達」は書けなかったでしょう。

 実はもう一ヶ所、学生時代の私には心の拠り所がありました。
 それは図書室……ひいては、物語の中です。
 どんなに教室の居心地が悪くても、本を読んでいる間だけは気になりませんでした。どんなに学校に行きたくなくても、「新しく本を借りたいから」と休みませんでした。
 当時の私を支えてくれた本と絵という存在は、今の私にとっても心の拠り所です。
 まさか美術部の話を書くことになるとは思ってもいませんでしたが、いい経験になったと思います。

 これをもちまして、「美術部俺達」は完結です。
 次回以降のドリーム小説大賞への参加は未定ですが、「美術部俺達」に代わる新たな物語が思いついたらエントリーするかもしれません。
 ここまで読んで下さった方々、二年間(創作試験問題時代を入れたら、四年間)お付き合い下さり、本当にありがとうございました。

 2022年7月12日 緋色刹那
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