224 / 227
第4部 エピローグ『2051』
⑶
しおりを挟む
利緒は居ても立っても居られず、電車を乗り換え、夢花の子供の家へ向かった。
住宅地の一角にある、ごく普通の一軒家だ。表札には「夜宵日野日野夜宵」とあった。
「どっちが本当の名字か分からないじゃないの」
インターホンを押すが出ない。鍵は開いていたので、こっそりドアを開けた。
「お邪魔しま……す?!」
玄関は大量の靴で埋め尽くされていた。
男もの、女もの、子供用、大人用、カジュアル、フォーマルなど、種類が幅広い。ドアが半開きになっている靴箱にも、大量の靴が力づくでねじ込んであった。
利緒はすぐに逃げられるよう、靴を持って上がる。
玄関に限らず、とにかく物が多い家だった。
台所には大量の食器と食材で占拠され、入ることすらできない。冷蔵庫は食材を詰めすぎて膨らみ、「ミチミチ」と今にも破裂しそうな音を立てていた。
リビングには色んな年代のテレビやテーブル、ソファが積み上げられていた。いくつかテレビを点けてみたが、どのテレビも「天使様と悪魔様」の番組しかやっていない。本当にあった都市伝説特集、バーチャルアイドル特集、宗教団体「天使様と悪魔様」の末路……利緒が持っていたポスターと同じく、テレビにも三種類の「天使様と悪魔様」が共存していた。
「いったい全体、この世界はどうしちゃったのよ?」
利緒はテレビを消し、二階へ上がった。
二階には子供部屋があった。広々とした二人用の部屋で、やはり大量の荷物で埋め尽くされていた。
一番多いのは服だ。ゴスロリ、制服、シスターと神父の衣装などが、こんもりと山になっている。クローゼットも大量にあったが、入り切らずにあふれていた。
テーブルの上には、ピンクのダイヤル式固定電話や最新型のパソコン、薔薇のロザリオ、日野が書いた「悪夢使い」などが、無造作に置かれている。ハンモックのつもりか、天井に子供用と大人用のベッドがいくつか吊ってあった。
規則性がなく、狂気的。悪夢そのものだ。
利緒は家を見れば双子の正体が分かると期待していたのに、余計分からなくなってきた。
その時、
「ただいまー」
と、誰かが帰ってきた。七十代くらいの男性と女性の声がする。
利緒は階段の上から玄関を覗いた。
「ッ!」
悲鳴をあげそうになり、とっさに両手で口をふさぐ。
帰ってきたのは、夢花の父親と日野の母親だった。夢花の子供にとっては祖父母で、養父母でもある。
二人は一体化し、右半分が祖父、左半分が祖母になっていた。服も左右で違う。
二人は交代で靴を脱ぎ、それぞれ手に下げていた買い物袋をおろした。
「変だな? さっきテレビの音がしたから、誰か帰ってきていると思ったのに」
祖父は首を右へ傾げる。
「まさかドロボウ? あの子達が帰ってくるかもしれないと思って、鍵を開けておいたんだけど……不用心だったかしら?」
祖母も首を左へ傾ける。
台所を覗き、リビングを覗き、一階を探し終えると、利緒がいる二階へ上がってこようとした。
(マズい!)
利緒は子供部屋のクローゼットの中へ隠れる。
しかし祖父母が階段を上がりきる前に、家のインターホンが鳴った。
「はぁーい」
「どなたですかー?」
祖父母は引き返し、玄関のドアを開ける。
利緒もクローゼットから出て、階段の上から様子をうかがった。
来客は間宮だった。隣にノバラもいる。間宮はビクビクしながら尋ねた。
「週刊草葉の陰の者です。お宅に、高岡利緒という女が訪ねてきませんでしたか?」
「さぁ?」
「私達も、ついさっき帰ってきたばかりなので」
すると、ノバラが自転車に変わった。間宮が乗っていた自転車だ。
間宮はペンとメモ帳を手に、二人に質問した。
「高岡利緒の名前に聞き覚えは?」
祖父が答える。
「そういえば、夢花ちゃん……娘の同級生で、そんな名前の子がいたような気がします」
「ほう。親しかったんですか?」
「いえ、同じ小学校と中学校にかよっていただけで、特に仲が良かったとは聞いていません」
「失礼ですが、家の中を見せてもらってもいいですか? 高岡は今も、この家にいるはずなんです」
祖母は訝しげに眉をひそめた。
「どうして、そう言い切れるんです?」
自転車がアンテナに変わる。間宮が持っていたペンとメモ帳も、最新型のスマホと電子ペンに変わった。
「高岡には発信機がついていましてね、お宅から電波が飛んでいるんですよ。このままだとお二人とも、高岡に殺されますよ。ほら」
間宮はスマホの画面を見せる。
祖父母もスマホを見て、納得した。
「そういうことなら、どうぞ」
「ちょっと散らかっていますけど」
「ありがとうございます」
間宮は玄関で靴を脱ぎ、家に入る。アンテナを動かし、利緒の位置を探した。
いなくなったはずのノバラも、間宮の後をついてくる。自転車は家の前に停まっていた。
利緒は慌てて、子供部屋の窓から外へ出た。
〈キャスト〉
第1章「天使ちゃんと悪魔ちゃん」
夜宵魅魔:夜宵夢路
夜宵聖:夜宵夢遊
常時正夢:夜宵夢路
常時カオリ:夜宵夢遊
(発信機?! 電車で確かめた時はなかったのに!)
あるいは、あの家を調べるためのハッタリかもしれない。もしそうなら、しばらくは出てこないだろう。
家の表へ回り込み、間宮の自転車を拝借する。なるべく音を立てないよう、そっと漕ぎ出した。
第2章「天使くんと悪魔くん」
日野聖夜:夜宵夢路
日野遊魔:夜宵夢遊
魅魔=デビル:夜宵夢路
聖=エンジェル:夜宵夢遊
館操江(邸アヤコ):夜宵夢遊
駅に向かって、坂を下る。
空には太陽と月が浮かんでいる。東は明るく、西は暗い。昼か夜かも分からない。
夢花の子供の家だけでなく、外もおかしくなりつつあった。
第3章「天使神様と悪魔神様」
日野麻闇:夜宵夢遊
夜宵光司:夜宵夢路
野々原夢雲:夜宵夢遊
ノバラ:ノバラ
「……というか、さっきから出てる文字なんなの? 同じ名前ばっかだけど」
利緒は時折、空中に現れる字を怪しむ。
どの役名も知った名前ばかりだ。演者は夢花と同じ名字だが、知らない人だった。
「まぁ、あの家もこの世界もおかしいし、今さら空中に名前が出る程度じゃ驚かないけど」
しかし、次に流れてきた名前を見て、自転車を止めた。
日野歩夢:夜宵歩夢(友情出演)
夜宵夢花:夜宵夢花(友情出演)
間宮可夢偉:夜宵夢路・夜宵夢遊
「は……? どういうこと? 何で、夜宵夢花とその旦那の名前が出てくるのよ?」
文字はどこかへ去っていく。
キャストの紹介が終わると、だんだんあたりが暗くなってきた。太陽と月が消え、住宅地が消え、自転車が消える。
利緒は一人、暗闇の世界に取り残された。
〈スタッフ〉
監督・演出・脚本他:夜宵夢路・夜宵夢遊
スペシャルサンクス:常時正夢・館操江・野々原夢雲・ノバラ
制作:夢十屋
暗闇に白い文字が浮かび上がる。
最後の「夢十屋」の名前を目にした瞬間、利緒は今度こそ本当の記憶を思い出した。
「そうよ! 夢花の子供は双子の兄妹だった! 十六歳の高校生で、映画研究部の部員! 私を自主制作映画の試写会へ呼び、悪夢へ閉じ込めた! 間宮もスペシャルサンクスの連中も、全員グル! 夢花とその旦那は死んでいない!」
スタッフロールが終わり、視界はさらに暗くなる。自分の姿も見えない。
利緒はどこかから見ているであろう、夢花の子供達に呼びかけた。
「さっさとここから出しなさい! もう十分でしょう?! ねぇ!」
応答はない。どこかから「クスクス」と笑い声が聞こえるだけだ。
それでも利緒は必死に呼びかける。次第に意識が遠のき、暗闇の中で倒れた。
完全に意識を失う寸前、まばらな拍手の音が聞こえた気がした。
住宅地の一角にある、ごく普通の一軒家だ。表札には「夜宵日野日野夜宵」とあった。
「どっちが本当の名字か分からないじゃないの」
インターホンを押すが出ない。鍵は開いていたので、こっそりドアを開けた。
「お邪魔しま……す?!」
玄関は大量の靴で埋め尽くされていた。
男もの、女もの、子供用、大人用、カジュアル、フォーマルなど、種類が幅広い。ドアが半開きになっている靴箱にも、大量の靴が力づくでねじ込んであった。
利緒はすぐに逃げられるよう、靴を持って上がる。
玄関に限らず、とにかく物が多い家だった。
台所には大量の食器と食材で占拠され、入ることすらできない。冷蔵庫は食材を詰めすぎて膨らみ、「ミチミチ」と今にも破裂しそうな音を立てていた。
リビングには色んな年代のテレビやテーブル、ソファが積み上げられていた。いくつかテレビを点けてみたが、どのテレビも「天使様と悪魔様」の番組しかやっていない。本当にあった都市伝説特集、バーチャルアイドル特集、宗教団体「天使様と悪魔様」の末路……利緒が持っていたポスターと同じく、テレビにも三種類の「天使様と悪魔様」が共存していた。
「いったい全体、この世界はどうしちゃったのよ?」
利緒はテレビを消し、二階へ上がった。
二階には子供部屋があった。広々とした二人用の部屋で、やはり大量の荷物で埋め尽くされていた。
一番多いのは服だ。ゴスロリ、制服、シスターと神父の衣装などが、こんもりと山になっている。クローゼットも大量にあったが、入り切らずにあふれていた。
テーブルの上には、ピンクのダイヤル式固定電話や最新型のパソコン、薔薇のロザリオ、日野が書いた「悪夢使い」などが、無造作に置かれている。ハンモックのつもりか、天井に子供用と大人用のベッドがいくつか吊ってあった。
規則性がなく、狂気的。悪夢そのものだ。
利緒は家を見れば双子の正体が分かると期待していたのに、余計分からなくなってきた。
その時、
「ただいまー」
と、誰かが帰ってきた。七十代くらいの男性と女性の声がする。
利緒は階段の上から玄関を覗いた。
「ッ!」
悲鳴をあげそうになり、とっさに両手で口をふさぐ。
帰ってきたのは、夢花の父親と日野の母親だった。夢花の子供にとっては祖父母で、養父母でもある。
二人は一体化し、右半分が祖父、左半分が祖母になっていた。服も左右で違う。
二人は交代で靴を脱ぎ、それぞれ手に下げていた買い物袋をおろした。
「変だな? さっきテレビの音がしたから、誰か帰ってきていると思ったのに」
祖父は首を右へ傾げる。
「まさかドロボウ? あの子達が帰ってくるかもしれないと思って、鍵を開けておいたんだけど……不用心だったかしら?」
祖母も首を左へ傾ける。
台所を覗き、リビングを覗き、一階を探し終えると、利緒がいる二階へ上がってこようとした。
(マズい!)
利緒は子供部屋のクローゼットの中へ隠れる。
しかし祖父母が階段を上がりきる前に、家のインターホンが鳴った。
「はぁーい」
「どなたですかー?」
祖父母は引き返し、玄関のドアを開ける。
利緒もクローゼットから出て、階段の上から様子をうかがった。
来客は間宮だった。隣にノバラもいる。間宮はビクビクしながら尋ねた。
「週刊草葉の陰の者です。お宅に、高岡利緒という女が訪ねてきませんでしたか?」
「さぁ?」
「私達も、ついさっき帰ってきたばかりなので」
すると、ノバラが自転車に変わった。間宮が乗っていた自転車だ。
間宮はペンとメモ帳を手に、二人に質問した。
「高岡利緒の名前に聞き覚えは?」
祖父が答える。
「そういえば、夢花ちゃん……娘の同級生で、そんな名前の子がいたような気がします」
「ほう。親しかったんですか?」
「いえ、同じ小学校と中学校にかよっていただけで、特に仲が良かったとは聞いていません」
「失礼ですが、家の中を見せてもらってもいいですか? 高岡は今も、この家にいるはずなんです」
祖母は訝しげに眉をひそめた。
「どうして、そう言い切れるんです?」
自転車がアンテナに変わる。間宮が持っていたペンとメモ帳も、最新型のスマホと電子ペンに変わった。
「高岡には発信機がついていましてね、お宅から電波が飛んでいるんですよ。このままだとお二人とも、高岡に殺されますよ。ほら」
間宮はスマホの画面を見せる。
祖父母もスマホを見て、納得した。
「そういうことなら、どうぞ」
「ちょっと散らかっていますけど」
「ありがとうございます」
間宮は玄関で靴を脱ぎ、家に入る。アンテナを動かし、利緒の位置を探した。
いなくなったはずのノバラも、間宮の後をついてくる。自転車は家の前に停まっていた。
利緒は慌てて、子供部屋の窓から外へ出た。
〈キャスト〉
第1章「天使ちゃんと悪魔ちゃん」
夜宵魅魔:夜宵夢路
夜宵聖:夜宵夢遊
常時正夢:夜宵夢路
常時カオリ:夜宵夢遊
(発信機?! 電車で確かめた時はなかったのに!)
あるいは、あの家を調べるためのハッタリかもしれない。もしそうなら、しばらくは出てこないだろう。
家の表へ回り込み、間宮の自転車を拝借する。なるべく音を立てないよう、そっと漕ぎ出した。
第2章「天使くんと悪魔くん」
日野聖夜:夜宵夢路
日野遊魔:夜宵夢遊
魅魔=デビル:夜宵夢路
聖=エンジェル:夜宵夢遊
館操江(邸アヤコ):夜宵夢遊
駅に向かって、坂を下る。
空には太陽と月が浮かんでいる。東は明るく、西は暗い。昼か夜かも分からない。
夢花の子供の家だけでなく、外もおかしくなりつつあった。
第3章「天使神様と悪魔神様」
日野麻闇:夜宵夢遊
夜宵光司:夜宵夢路
野々原夢雲:夜宵夢遊
ノバラ:ノバラ
「……というか、さっきから出てる文字なんなの? 同じ名前ばっかだけど」
利緒は時折、空中に現れる字を怪しむ。
どの役名も知った名前ばかりだ。演者は夢花と同じ名字だが、知らない人だった。
「まぁ、あの家もこの世界もおかしいし、今さら空中に名前が出る程度じゃ驚かないけど」
しかし、次に流れてきた名前を見て、自転車を止めた。
日野歩夢:夜宵歩夢(友情出演)
夜宵夢花:夜宵夢花(友情出演)
間宮可夢偉:夜宵夢路・夜宵夢遊
「は……? どういうこと? 何で、夜宵夢花とその旦那の名前が出てくるのよ?」
文字はどこかへ去っていく。
キャストの紹介が終わると、だんだんあたりが暗くなってきた。太陽と月が消え、住宅地が消え、自転車が消える。
利緒は一人、暗闇の世界に取り残された。
〈スタッフ〉
監督・演出・脚本他:夜宵夢路・夜宵夢遊
スペシャルサンクス:常時正夢・館操江・野々原夢雲・ノバラ
制作:夢十屋
暗闇に白い文字が浮かび上がる。
最後の「夢十屋」の名前を目にした瞬間、利緒は今度こそ本当の記憶を思い出した。
「そうよ! 夢花の子供は双子の兄妹だった! 十六歳の高校生で、映画研究部の部員! 私を自主制作映画の試写会へ呼び、悪夢へ閉じ込めた! 間宮もスペシャルサンクスの連中も、全員グル! 夢花とその旦那は死んでいない!」
スタッフロールが終わり、視界はさらに暗くなる。自分の姿も見えない。
利緒はどこかから見ているであろう、夢花の子供達に呼びかけた。
「さっさとここから出しなさい! もう十分でしょう?! ねぇ!」
応答はない。どこかから「クスクス」と笑い声が聞こえるだけだ。
それでも利緒は必死に呼びかける。次第に意識が遠のき、暗闇の中で倒れた。
完全に意識を失う寸前、まばらな拍手の音が聞こえた気がした。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
奇妙な家
376219206@qq.com
ホラー
運転手なしのバスは、呪われた人々を乗せて、奇妙な黒い家へと向かった...その奇妙な家には、血で染まったドアがあった。呪われた人は、時折、血の門の向こうの恐ろしい世界に強制的に引きずり込まれ、恐ろしい出来事を成し遂げることになる... 寧秋水は奇怪な家で次々と恐ろしく奇妙な物語を経験し、やっとのことで逃げ延びて生き残ったが、すべてが想像とは全く違っていた... 奇怪な家は呪いではなく、... —— 「もう夜も遅いよ、友よ、奇怪な家に座ってくれ。ここには火鉢がある。ところで、この話を聞いてくれ

女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる