173 / 227
悪夢曇天色 第五話『薔薇色の悪魔』
2
しおりを挟む
「全員……?!」
野々原は絶句した。
全員ということは当然、その中にはマイとフミも含まれているのだろう。
野々原は二人の安否を確認しようと、慌てて携帯を取り出した。
しかしどういうわけか、マイとフミの連絡先が消えていた。電話番号もメールアドレスもSNSも、一切消えている。
なんとか電話番号を思い出し、かけてみた。
「もしもし、舞川さんですか?」
「違いますよ。番号、間違えているんじゃないですか?」
が、どちらも二人とは関係のない人の携帯に繋がった。ここ数年は使っている番号らしく、マイとフミとも面識はなかった。
「……そうですか。すみません、お手数をおかけして」
野々原は狐につままれたような気分で、電話を切った。
実は全員グルで、野々原を騙そうとしているのかもしれないと思いたかった。マイとフミと美崎が一斉に現れて、馬鹿な自分を笑って欲しかった。
しかしいくら待っても、三人は一向に現れない。
再度、裏口から外を覗くと、美崎が真っ白な目を見開いたまま倒れていた。全く微動だにせず、先程見た時と位置が変わっていない。
こっそり近づき、脈を測ってみる。手首も首も、脈はなかった。
「本当に、死んでる」
野々原は全身から血の気が引いていくのを感じた。
赤いドレスの女は、嘘をついていない。
野々原は絶句した。
全員ということは当然、その中にはマイとフミも含まれているのだろう。
野々原は二人の安否を確認しようと、慌てて携帯を取り出した。
しかしどういうわけか、マイとフミの連絡先が消えていた。電話番号もメールアドレスもSNSも、一切消えている。
なんとか電話番号を思い出し、かけてみた。
「もしもし、舞川さんですか?」
「違いますよ。番号、間違えているんじゃないですか?」
が、どちらも二人とは関係のない人の携帯に繋がった。ここ数年は使っている番号らしく、マイとフミとも面識はなかった。
「……そうですか。すみません、お手数をおかけして」
野々原は狐につままれたような気分で、電話を切った。
実は全員グルで、野々原を騙そうとしているのかもしれないと思いたかった。マイとフミと美崎が一斉に現れて、馬鹿な自分を笑って欲しかった。
しかしいくら待っても、三人は一向に現れない。
再度、裏口から外を覗くと、美崎が真っ白な目を見開いたまま倒れていた。全く微動だにせず、先程見た時と位置が変わっていない。
こっそり近づき、脈を測ってみる。手首も首も、脈はなかった。
「本当に、死んでる」
野々原は全身から血の気が引いていくのを感じた。
赤いドレスの女は、嘘をついていない。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
【短編集】エア・ポケット・ゾーン!
ジャン・幸田
ホラー
いままで小生が投稿した作品のうち、短編を連作にしたものです。
長編で書きたい構想による備忘録的なものです。
ホラーテイストの作品が多いですが、どちらかといえば小生の嗜好が反映されています。
どちらかといえば読者を選ぶかもしれません。
なぎさくん。
待永 晄愛
ホラー
好きな子がいつも通りの時間に学校へ来ない。
それだけでも重大事件なのに私の住む町もなにか様子がおかしい。
転載防止のため、毎話末に[待永 晄愛/なぎさくん。]をつけています。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
欲望の館〜ウザい奴らは消えてゆく〜
猫屋敷 鏡風
ホラー
中学3年に進級し、運悪く親友2人とクラスが離れた十六夜 音緒(イザヨイ ネオ)。
新しいクラスでいじめの標的になっていた女子生徒を庇ったことで新年度早々いじめのターゲットにされてしまう。
いじめは痛くも怖くも何ともなかったが、受験生の音緒はしつこいいじめっ子を邪魔に思っていた。
そんなある日、音緒はとあるサイトを見つけた。
そのサイトは、なんでも望みを叶えてくれるという胡散臭いものだったのだが…
ーーー
これはもはや『欲望』ではない。
れっきとした『正義』だ。
邪魔な害虫どもがのさばり続ける限り、
俺は『制裁』を下し続ける。
『偽善』?
それでも構わない。
『自己満足』?
勝手に言っていろ。
何もできない愚かな人間の戯言なんてどうでもいい。
俺は俺の意思で動く。
それだけだ。
「僕」と「彼女」の、夏休み~おんぼろアパートの隣人妖怪たちによるよくある日常~
石河 翠
ホラー
夏休み中につき、おんぼろアパートでのんびり過ごす主人公。このアパートに住む隣人たちはみな現代に生きる妖(あやかし)だが、主人公から見た日常はまさに平和そのものである。
主人公の恋人である雪女はバイトに明け暮れているし、金髪褐色ギャルの河童は海辺で逆ナンばかりしている。猫又はのんびり町内を散歩し、アパートの管理人さんはいつも笑顔だ。
ところが雪女には何やら心配事があるようで、主人公に内緒でいろいろと画策しているらしい。実は主人公には彼自身が気がついていない秘密があって……。
ごくごく普通の「僕」と雪女によるラブストーリー。
「僕」と妖怪たちの視点が交互にきます。「僕」視点ではほのぼの日常、妖怪視点では残酷な要素ありの物語です。ホラーが苦手な方は、「僕」視点のみでどうぞ。
扉絵は、遥彼方様に描いて頂きました。ありがとうございます。
この作品は、小説家になろうにも投稿しております。
また、小説家になろうで投稿しております短編集「『あい』を失った女」より「『おばけ』なんていない」(2018年7月3日投稿)、「『ほね』までとろける熱帯夜」(2018年8月14日投稿) 、「『こまりました』とは言えなくて」(2019年5月20日投稿)をもとに構成しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる