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ミッドデイアパート 第二話『えれべぇたぁ』
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レンゴ君は扉を閉めようと、「閉」ボタンを押しました。
徐々に「カップル」の声がエレベーターに近づいてくる中、扉はゆっくりと閉まっていきます。もう「カップル」はエレベーターには乗れません。
すると扉が閉まる寸前、扉の隙間に茶色い革靴を履いた右足が割り込んできました。続いて青白い肌の骨張った両手が隙間から中へ入り込んだかと思うと、ガッと扉をつかみ、閉まろうとしていた扉を押さえました。
扉は人がいるのを感知し、自動で開いていきました。開いた扉の向こうには、先程の「カップル」のお兄さんが不気味な笑顔で立っていました。
「ひぃ……ッ!」
レンゴ君は悲鳴を上げ、後退りました。慌てて「閉」ボタンを連打しましたが、エレベーターはレンゴ君の言うことを聞いてくれませんでした。
お兄さんはレンゴ君を見下ろしながらエレベーターの中へ入ってくると、「君は悪い子だね」とレンゴ君が押した1~3までのボタンを指差しました。
「僕達が乗らないよう、意地悪していたんだろう?」
「ぼ、僕は悪くない! お前達が『カップル』だから、やっつけようとしただけだ!」
するとお兄さんは「カップル?」とキョトンとしました。
「僕達はカップルではないよ。単なる、お隣さんさ」
「嘘つけ! 絶対『カップル』だろ! お母さんが言ってたんだ! 引っついて歩いてる男と女は、みんな『カップル』だからウザいって!」
「その理屈だと、君と君のお母さんもカップルってことになると思うけど」
お兄さんは難しい話をし始めました。大人はいつだって都合が悪くなると、難しい話をして誤魔化そうとします。
レンゴ君は誤魔化されない、賢い小学生だったので「うるせぇ! 黙れ!」と、男らしく威嚇しました。
するとお兄さんはレンゴ君にビビったのか、顔から笑みが消えました。そして蔑むような目でレンゴ君を見つめました。
「……憐れだな。母親からまともな教育を受けさせてもらえなかったんだね。でも、だからと言って何もかも許されるわけじゃない。悪い子にはお仕置きしないとね」
徐々に「カップル」の声がエレベーターに近づいてくる中、扉はゆっくりと閉まっていきます。もう「カップル」はエレベーターには乗れません。
すると扉が閉まる寸前、扉の隙間に茶色い革靴を履いた右足が割り込んできました。続いて青白い肌の骨張った両手が隙間から中へ入り込んだかと思うと、ガッと扉をつかみ、閉まろうとしていた扉を押さえました。
扉は人がいるのを感知し、自動で開いていきました。開いた扉の向こうには、先程の「カップル」のお兄さんが不気味な笑顔で立っていました。
「ひぃ……ッ!」
レンゴ君は悲鳴を上げ、後退りました。慌てて「閉」ボタンを連打しましたが、エレベーターはレンゴ君の言うことを聞いてくれませんでした。
お兄さんはレンゴ君を見下ろしながらエレベーターの中へ入ってくると、「君は悪い子だね」とレンゴ君が押した1~3までのボタンを指差しました。
「僕達が乗らないよう、意地悪していたんだろう?」
「ぼ、僕は悪くない! お前達が『カップル』だから、やっつけようとしただけだ!」
するとお兄さんは「カップル?」とキョトンとしました。
「僕達はカップルではないよ。単なる、お隣さんさ」
「嘘つけ! 絶対『カップル』だろ! お母さんが言ってたんだ! 引っついて歩いてる男と女は、みんな『カップル』だからウザいって!」
「その理屈だと、君と君のお母さんもカップルってことになると思うけど」
お兄さんは難しい話をし始めました。大人はいつだって都合が悪くなると、難しい話をして誤魔化そうとします。
レンゴ君は誤魔化されない、賢い小学生だったので「うるせぇ! 黙れ!」と、男らしく威嚇しました。
するとお兄さんはレンゴ君にビビったのか、顔から笑みが消えました。そして蔑むような目でレンゴ君を見つめました。
「……憐れだな。母親からまともな教育を受けさせてもらえなかったんだね。でも、だからと言って何もかも許されるわけじゃない。悪い子にはお仕置きしないとね」
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