贄原くんと3匹の鬼

緋色刹那

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第16.5話(第2部 第5.5話)「羅門の過去〈闇を手に入れた忍び〉」

目白先生の妖怪講座 第16.5回

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(映像を食い入るように見つめる目白)
(生徒に催促され、振り向く。心なしか、目のまわりが赤い)
 ……あぁ、すまない。懐かしい人が出ていたもので、つい。

 改めて、目白だ。今回は赤ダイダラ山について話そうと思う。
 村一つを飲み込み、朱禅君とその奥さんの命を奪った山……その真の姿とは?



あかダイダラ山(もしくは甚三じんぞう山)』

〈概要〉
 山の山頂に覆い被さるように倒れている妖怪。
 元は「ダイダラボッチ」と呼ばれる赤銅色の巨人で、なんらかの理由で自我を失い、山の一部に姿を変えた。額にツノの形状の巨石があったことから、妖力が暴走した鬼ではないかという説もある。
 後に、蒼劔君が討伐。消滅した。

〈外見データ〉
 赤銅色の岩。上空から見ると、人型になっている。
 ダイダラボッチが倒れる以前(室町時代末期~戦国時代初期)より、標高が高くなっている。なお、この山には鬼の隠れ里があったというウワサがあったが、実際に住んでいたのは人間だったらしい。

〈戦闘能力〉
 噴火:赤ダイダラ山の溶岩には強い妖力が宿っており、巻き込まれれば人も異形も無事では済まない。噴火は無意識かつ、不定期。山の周辺やふもとには人も異形も寄りつかない。

〈異形になる前〉
 誰よりも力を欲していた人間。山の名称は、その人間の名前とも言われている。
 自ら妖力を取り込み、異形化。力を制御できずに暴走し、自我を完全に失う。

〈関連人物〉
 羅門、朱禅:山の一部になる前の赤ダイダラと交戦した記録がある。詳細不明。
 甚三:ダイダラボッチの出現と入れ替わりに、存在が確認できなくなった人間。詳細不明。
 朱羅:赤ダイダラ山の噴火に巻き込まれながらも生存を果たした、唯一の生き残り。本人にその自覚はない。
 蒼劔:山の一部となったダイダラボッチを討伐。



 如何だっただろうか。
 山の一部になってでも果たしたい執念とは、なんとも恐ろしい。
 ではまた次回。

(映像に視線を戻す目白)

(目白先生の妖怪講座 第17回へ続く)
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