贄原くんと3匹の鬼

第１５話（第２部 第４話）「魔弾の射手」

目白先生の妖怪講座 第15回

　私だ、目白だ。
　今回は森中狩人が契約している十二神将、天空の分身について話そうと思う。
　……なに？　サブタイトルが「魔弾の射手」なのに、魔弾の講義ではないのかって？
　それは次回以降の講義で扱う予定だ。アレにはまだまだ、本編で明かされていない秘密があるのでね。
　今講義をしたら、伏せ字だらけになってしまうよ。



『天空テンクウ（分身）』

〈概要〉
　十二人将の証として晴霞から贈られる、十二神将の分身。性能は本体より劣るものの、他の式神を凌駕する強い力を持つ。
　本来は森中が術者協会から追放された際に契約を解除させられるはずだったが、森中を気に入り、今も仕え続けている。晴霞への忠誠心は薄く、裏切りがち。

〈外見データ〉
　犬。柴犬に似た、日本犬。飼い犬というより、野犬。
　普通の犬とは違い、背中に小さな翼が生えており、額には十二神将の証である陰陽魚の印が刻まれている。

〈戦闘能力〉
　砂嵐：口から砂嵐を吐き出す。巻き込まれると目が開けられず、視界を奪われる。森中はフルフェイスヘルメットを着用しているため、平気。
　霧：口から霧を吐き出し、一帯を覆い尽くす。巻き込まれると方向感覚を失い、視界を奪われる。フルフェイスヘルメットではどうにもならず、森中も迷う。
　飛行（滑空）：背中の翼を使い、飛ぶ。人や物を運べるほどの力はなく、かろうじて滑空できる程度。
　？？？：現代の電子機器に影響を及ぼす能力。森中はこれを使って、監視の目をかいくぐっていた。

〈異形になる前〉
　本体は、天界に仕える神。晴霞と契約してからは、十二神将の一柱として名を連ねている。

〈関連人物〉
　森中狩人：現在の契約者。晴霞の命令に反いてまで仕えている。
　安倍晴霞：本体の契約者。最近は特に「いけ好かない」。
　魔弾：自分と同じく、森中と契約している式神。うさんくさい。
　？？：自分と同じく、森中と契約している式神。「魔弾の盾役なんて、よくやるなぁ」と思っている。



　如何だっただろうか。
　能力こそシンプルだが、魔弾の射手である森中を最大限にサポートできる、良いパートナーだと思う。
　彼がいなければ、森中はとっくに術者協会に捕まっていたかもしれないね。
　ではまた次回。

（目白先生の妖怪講座　第１６回へ続く）