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第11.5話「2022年エイプリルフール企画 五代が作った乙女ゲーム『君と9人のイケメンズ』を、絶賛彼氏募集中の暗梨がプレイしてみた!」
前編
しおりを挟む五代「ドーモ皆さん、五代でゅえっす! てなわけで、今回はオイラが作った乙女ゲー『君と9人のイケメンズ』をゲストさんにプレイしていただきたいと思いマァス!」
暗梨「……」
五代「栄えある初コラボゲストは、この方! 瞬間移動系ゴスロリ鬼の暗梨氏でゅえーすッ!」
暗梨「誰もいないのに、一人で何喋ってんの? 私、朱羅が作ったお菓子食べに行きたいんだけど。不知火達が帰って来る前に、さっさと"げぇむ"を済ませてよ」
五代「んもー、このゲームは絶賛彼ピ募集中の暗梨氏のために作ったんだよ? 次の彼氏候補の参考にしてもらおうと思ってね」
暗梨「私の?」
五代「そっ! "君9"にはタイプの違うイケメンがたくさん登場すんだべさ! 暗梨氏の好きなタイプのイケメンも必ずいるはず!」
暗梨「ふ、ふーん。そこまで言うならやってやろうじゃない。つまんなかったら、北極まで飛ばすからね」
五代「ポーラーベァッ?! そ、それじゃあレッツプレイ!」
☆
〈私、カキハシアンリ! 高校一年! 先週、親の仕事の都合で、生まれ故郷の節木市に戻ってきたんだー〉
暗梨「誰これ?」
五代「主人公ちゃんだよん。性格は陽斗氏を参考にしました。可愛かろう?」
暗梨「私、こんなバカっぽそうな女じゃないんだけど」
五代「ルートによって変わっていくから案ずるなかれ!」
〈今日から新しい学校だ……みんなと仲良くなれるかな?〉
『おはよう、アンリちゃん! 久しぶり!』
〈同じ制服を着た男子が、気さくに話しかけてきた。あれ? この人、見覚えがあるかも〉
『もしかして、君……』
・幼馴染のハルト君?
・誰だっけ?
五代「お! 来ましたな、選択肢!」
暗梨「こいつ、ニエなんとかっていう人間のガキじゃない。人間なんか興味ないんだけど」
五代「鬼の乙女ゲーより、人間の学園ものの方が作りやすくってさー。気になるなら、全員鬼ってことにしといて」
暗梨「あいつが鬼なんて考えられないんだけど……」
五代「気になる男子には積極的に絡みに行くと仲良くなれるぞい! レッツ、アタック!」
暗梨「……じゃあ、これ」
暗梨はコントローラーを操作した。
・幼馴染のハルト君?
・誰だっけ?
▷てめぇに用はねぇ!(みぞおちキック)
『てめぇに用はねぇ!』
『ぐはッ!』
アンリはハルトにみぞおちキックを繰り出した!
ハルトに大ダメージ!
ハルトを倒した!
五代「ちょっとぉぉぉッ?! 変な選択肢増やさないでよ! 別のゲームになっちゃうっしょ?!」
暗梨「私のせいじゃないから! 勝手に選択肢が出てきたの!」
五代「……そういや、そういう仕様にしてたっけ。プレイヤーの思考を読み取って、選択肢に加えるっていう。ハイテク過ぎて、掲示板で"嘘乙wwww"ってめっちゃ叩かれた」
暗梨「結局、アンタのせいじゃない」
五代「てへっ!」
『そんな……僕のこと覚えてないなんて。あんなに仲良かったのに、ショックだなぁ。じゃあ、僕はソウケン君と一緒に行くから。同じクラスだといいね』
〈ハルトと名乗ったその男子は、悲しそうに去って行きました〉
『あの人、誰だったんだろう? まぁいっか』
☆
〈学校に着いたよ! さっきの男子とは別のクラスみたい〉
『転校生のカキハシアンリさんです。仲良くするように』
『よろしくお願いします!』
〈暖かい拍手が送られる。とりあえず歓迎されているみたい〉
〈担任はシラヌイ先生。男の先生で、白衣を着てる。理科の先生なのかな?〉
暗梨「不知火が担任なんて、嫌なんだけど」
五代「シラヌイ先生ね。モデルが生モノなんで、そこんとこ区別ヨロシク」
〈私の席は、チャラそうな男子の隣だった。男子は私が席につくなり、「よっ!」と挨拶してきた〉
『カキハシちゃん、だっけ? 俺、ナリタ! よろしくな!』
『よ、よろしく』
『時にカキハシちゃん、今日の英語の宿題ってやってきた? 良かったら見せて欲しいんだけど……』
・「いいよ」と快く見せる
・隣の席なので、仕方なく見せる
・宿題は自力でやらなきゃ意味がない! 見せない!
五代「ほっ。今回は三つも選択肢があるから、どれかは選べるっしょ」
暗梨「……」
暗梨はコントローラーを操作した。
・「いいよ」と快く見せる
・隣の席なので、仕方なく見せる
・宿題は自力でやらなきゃ意味がない! 見せない!
▷は? 馴れ馴れしく口利かないでくれる?
『は? 馴れ馴れしく口利かないでくれる?』
『……はい。すみませんでした』
チャラそうな男子は怯えた様子で縮こまった。
チャラそうな男子のメンタルに大ダメージ!
〈フッ、いい気味だわ〉
五代「暗梨氏ぃぃぃ?!」
暗梨「だって本当に思ったんだもの」
五代「だからって、そりゃないぜ! せっかく成田氏……じゃなくて、ナリタ氏が声かけてくれたのに! しかも主人公ちゃんの性格まで変わってるし!」
暗梨「いいじゃない。私、ぶりっ子嫌いだし」
『仕方ない。遠井に頼むか』
〈フンッ。最初からそいつに頼めばいいのよ〉
五代「こっわ」
☆
〈放課後になった。入るか決めてないけど、暇だし、部活の見学にでも行こうかしら〉
『すみません、貴方が転校生のカキハシさんですか?』
〈そこへ赤髪で大柄な男子が声をかけてきた。どうやら上級生みたい〉
五代「朱羅氏、キター! これで勝つる!」
『そうだけど、何?』
『生徒会に興味はありませんか? 今、人員不足で困っているんです』
『おい、』
〈すると、白い胴着姿の男子が割って入ってきた。手には竹刀を持っている〉
五代「蒼劔氏もキタァァー!」
『こいつは俺が先に目をつけていたんだ。邪魔をするな、シュラ』
『それはこちらのセリフです。彼女を剣道部の手には渡しません。引いてください、ソウケン殿』
〈二人は睨み合ったのち、私に詰め寄った〉
『カキハシさん、どちらを選ぶんですか!』
『この場で決めてくれ!』
『え、えっと……』
・シュラがいる生徒会へ
・ソウケンがいる剣道部へ
・決められない
・どちらも興味ない
暗梨「……」
五代「悩むぅー! オイラだったら、決めるのに1週間かかっちゃうカモ! さぁ、暗梨氏はどっちにするんだい? 悩む時間ならいくらでも……」
暗梨は五代が言い終わる前に、コントローラーを操作した。
・シュラがいる生徒会へ
・ソウケンがいる剣道部へ
・決められない
・どちらも興味ない
▷ソウケンの竹刀を奪い、面を食らわす
アンリは鮮やかな手つきでソウケンから竹刀を奪うと、二人に面を食らわした。
『チャーシュー?!』
『煮卵ッ!』
『なーんか、部活とかどうでも良くなっちゃった。めんどいし、帰宅部でいいや』
アンリは竹刀を捨て、学校を後にした。
五代「嘘ぉぉぉん?! 二人ともフルってあり得ないんですけどぉぉ?!」
暗梨「こっちのセリフ。こいつらを候補に入れるなんて何考えてんの? あり得ないんですけど」
五代「モデルは関係ないって言ったしょ?! 先入観にとらわれず、純粋に性格を見て欲しいのヨ!」
暗梨「だとしても無理。私の好みじゃない」
五代「じゃー、しょうがないわ! 次行こ、次ぃ!」
☆
『カキハシ君、ちょっと頼みたいことがあるんだけど』
〈校門を出たところで、担任のシラヌイ先生に声をかけられた〉
『何ですか?』
『ゴダイ君にプリントを持っていって欲しいんだ。実は彼、不登校でね……転校生の君が行ったら、学校に興味を持ってくれるんじゃないかと思って』
『嫌だと言ったら?』
五代「断る気満々じゃん」
『そうだな……私と明日の授業の手伝いでもしてもらおうかな。どちらか一方でも手伝ってくれたら、お礼にコーヒーでもご馳走するよ』
『コーヒーは苦手』
『自販機のジュースでもいい。どうかな?』
・ゴダイの家にプリントを届ける
・シラヌイの手伝いをする
暗梨「ぐぬぬ……」
五代「さすがシラヌイ氏! 暗梨氏の扱いが上手い! 暗梨氏も悩んでいるぞ!」
暗梨は悩んだ末、コントローラーを操作した。
・ゴダイの家にプリントを届ける
・シラヌイの手伝いをする
・いちごミルク……
・紅茶も捨てがたい……
・コーラ……いや、ブドウの炭酸……
・緑茶……ほうじ茶……麦茶……
▷決めた! ミルクティーにする! プリントは五代の家のポストに入れとくわ!
五代「いや、どのジュースにするか悩んでたんかいッ!」
暗梨「ふう、ゲームだって分かってても悩んじゃうわね」
五代「どのルートに行くか悩んで欲しかったよ! しかもプリント、オイラに直で渡してくれないし! これじゃ、オイラのルートに入らないじゃん!」
暗梨「良かったー。アンタのルートだけは、絶対に入りたくなかったのよねー」
五代「ぐふぁッ! ひどいッ!」
『じゃ、プリントよろしくね』
『はーい! 先生、さよーならー!』
〈私はミルクティーを手に、シラヌイ先生と別れた。プリントを持って行くだけでジュースをおごってもらえるなんて、ラッキー!〉
五代「えー、暗梨氏。ここで重大なお知らせです」
暗梨「何よ?」
五代「現時点で、一日目に起きるイベント……ほぼ終了しました。残ったルートは、あと二つっす」
暗梨「あと二つ?!」
(後編に続く)
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