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第10話「ブラック・クリスマス」
拾壱:クリスマスの惨劇の始まり
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陽斗がいなくなった後のケーキ屋は、一足早く地獄と化していた。
「いやぁぁぁ!」
「手がッ! 手がぁッ!」
ケーキ屋の店員達は絶叫し、手に食いついたスマホを振り払おうとする。
しかし異形と化したスマホは、一向に離れない。それどころか彼女達の手を食い破らんと、さらに牙を突き立てた。
ケーキ屋の店員達は少しでもスマホから距離を取ろうと、無意識のうちに後ずさる。やがて店員の一人がケーキが並んでいるショーケースに、後退りながら近づいた。
次の瞬間、ショーケースが大きく口を開き、近づいてきた店員を丸呑みした。
「キャーッ! 出して! 出してよ!」
「洋子?!」
もう一人の店員が異変に気づき、慌ててショーケースへ駆け寄る。
ショーケースに呑まれた店員は売れ残りのケーキと一緒に、ショーケースの中に閉じ込められていた。なんとか外へ脱出しようと、スマホに食われていない方の手で、必死に引き戸を開けようとしている。
しかしショーケースの裏面はツルツルしている上に冷え切っており、取っ手のない中からでは開くのに困難を極めた。
そうこうしているうちに店員の霊力はショーケースの異形に吸い取られ、もう一人の店員が彼女をショーケースの中から助け出す頃には、すっかり体が冷たくなっていた。
「そんな……洋子! 洋子ォ!」
残された店員は我を忘れ、冷たくなった店員に泣きつく。
直後、手を食い終えたスマホが、今度は首に噛みついてきた。
「がッ……!」
店員は小さくうめき、倒れる。彼女もまた、首の傷を通して霊力を吸い取られ、徐々に体が冷たくなっていった。
スマホが店員の霊力を吸い取っている間に、店の備品は次々に異形へと変化した。包丁、業務用冷蔵庫、自動ドア、レジスター、最終的には店の建物までもが牙を剥き、意思を持って動き出す。
いずれも鉄を含んだ物体ばかりで、木の机や食べ物など、鉄を含んでいないものは異形にはならなかった。
スマホが店員から霊力を全て奪い取る頃には、ありふれたケーキ屋は大量の異形の巣窟と化していた。
『サぁ、終演ノ始マリ、始マリ。我々ヲ支配シテキタ人間共ヲ、我々ガ支配致シマショウ!』
スマホは音声アシスト機能を使い、他の異形達を扇動する。
物言わぬ異形達は牙を鳴らしたり、ドアを開閉させたりと、思い思いの方法で応え、自動ドアから外の街へと散らばっていった。
・
街の外も、ケーキ屋と似たような状況だった。
鉄を含んだ非生物が突如、異形と化し、人々へと襲いかかる。元々異形ではないからか、常人にも彼らの姿は見えており、街の至るところで悲鳴が上がっていた。
「キャーッ!」
「何なんだ、この化け物達は?!」
「誰か、助け……!」
特に、駅のホームは阿鼻叫喚の嵐だった。
電車が、線路が、改札機が、電光掲示板が……駅の利用客や駅員に襲いかかり、霊力を奪っていく。中には電車の下敷きになったり、電線で感電したりと、霊力を奪われる前に命を落とす者もいた。
惨劇は街中や駅のホームに留まらず、駅中でイルミネーションを楽しんでいる者達にまで迫ろうとしていた。
・
「見て、成田君! イルミネーション、綺麗だね!」
「お、おぉ! ホントだな!」
(君の方が綺麗だぜ、神服部ちゃん! ……とは、恥ずかしくて言ねぇぇぇッ!)
惨劇が起こる十分前。
成田は神服部と一緒に、駅中のデパートに飾られているイルミネーションを見に来ていた。巨大なクリスマスツリーや雪だるま、ソリに乗ったサンタやそれを引く赤鼻のトナカイといった、クリスマスにまつわるイルミネーションの数々が、ところ狭しと飾られている。
二人の他にも大勢の客がイルミネーション周辺に集まっていた。イルミネーションの写真を撮ったり、ベンチに座ってのんびり眺めたりと、思い思いに楽しんでいる。中には平然とイチャつくカップルもいた。
「予定してた時間より遅くなっちゃったけど、夜の方がロマンチックな雰囲気でいいね」
「全くもって、その通り!」
成田と神服部が名曽野市に着いたのは、クリスマスパーティが終わってから、一時間後のことだった。
その足でイルミネーションを見に行けばすぐ済んだのだが、
「せっかく名曽野市まで来たから、お買い物していってもいい? それと、映画も観に行きたいなー。恋愛ものなんだけど、ちょっとホラー要素もあって、すっごく面白そうなの! ねっ、一緒に観に行かない?」
「行くぅー!」
という具合で、神服部の希望に百パーセント沿った結果、名曽野市に来てから一度もイルミネーションを見ることなく、夜になっていたのだった。
「成田君、ごめんね? こんな時間まで連れ回しちゃって」
「いやいや、すっげぇ楽しかったよ! 俺も色々買い物出来たし、映画も面白かったし、夕飯に食ったハンバーガーも美味かった! 目的のイルミネーションも見られて、大満足さ!」
「そう? 良かった!」
成田がフォローすると、神服部はホッとした様子で、微笑んだ。
その天使のような笑顔を目にしたことで、成田の心にほんの少し勇気が湧いた。
「あの、神服部ちゃん!」
「は、はい!」
成田は背筋をピンと伸ばし、神服部に向き直る。急に大声を出したせいか、裏声になった。
改まって名前を呼ばれ、神服部も緊張で体を強張らせる。周りの客はイルミネーションに夢中で、二人には全く興味を持っていなかった。
「お、俺、実は前から神服部ちゃんのことが……」
その時、
「ぎゃぁぁッ! 俺の手がッ!」
イルミネーションの写真を撮っていた男の手に、異形と化したスマホが噛みついた。
「キャーッ! 化け物!」
「来ないで!」
男の周囲にいた人々は、一斉に逃げ出す。
しかし彼らもまた、握っていたスマホに手や首を食われ、霊力を吸い取られて倒れていった。
「何これ? 一体、どうなってるの?」
「フラッシュモブ……にしては、演者が本気過ぎるよな? 本当にスマホが手に食いついてるし」
幸い、成田と神服部はスマホを鞄の中に入れていたため、一旦は難を逃れた。
しかし、二人のスマホも鞄の中で既に異形と化しており、今にも布を食い破って外へ出ようとしていた。また、同じように鞄に入っている、財布の中の小銭や家の鍵といった鉄を含んだ物も異形に変化しており、鞄が開けられる瞬間を今か今かと待ち構えていた。
「よく分かんねぇけど……鞄に入れてる俺達のスマホも、おかしくなってるかもしれない。念のため鞄ごと捨てて、ここから離れよう」
成田はテレビか何かのドッキリを疑いつつも、鞄を壁のすみに置いた。
一方、神服部は鞄を置いて行くことに抵抗があるのか、手放そうとはしなかった。
「でも、こんなところに置いていったら、誰かに盗まれちゃうんじゃ? ここへ戻って来られる保障だってないのに」
「大丈夫。みんな、盗む余裕なんてねぇよ。とにかく、今は逃げよう!」
成田は神服部から無理矢理に鞄を奪うと、自分の鞄の横に置いた。そして彼女を手を引き、出口に向かって走り出した。
神服部は成田と共に走りながらも、名残惜しそうに鞄を振り返る。鞄の中にはスマホの他にも、今日購入したばかりの本やオカルトグッズ、それから成田と観た映画のパンフレットが入っていた。簡単に捨てられるものではない。
すると、成田と神服部の鞄の中で、何かがひとりでにボコボコと動いているのが見えた。
「ひっ?!」
神服部は思わず青ざめ、悲鳴を上げる。恐怖のあまり、すぐに正面へ向き直った。
「神服部ちゃん、どうした?」
神服部の悲鳴を聞き、成田も振り返る。
鞄の動きは止まっていたものの、今度はイルミネーションが動き出し、逃げ惑う人々に襲いかかっていた。上から覆い被さって捕らえては、異常に発熱した豆電球で全身を焼いている。
「ぎゃぁぁぁッ!」
「ッ!」
犠牲者の声が、一際大きく駅中に響く。何かが焼け焦げた、嫌な臭いが成田の鼻をかすめた。
成田は最期まで見届けることなく、正面に向き直った。神服部にはあの光景を見せまいと、もう一方の手で神服部の頭を包み込むように抑えた。
「すごい悲鳴……成田君、後ろで何かあったの?」
「……神服部ちゃんは見ない方がいい」
今起きている現象の正体が何なのか、成田は把握し切れなかった。ただの事故なのか、誰かが故意に起こしている事件なのか、はたまた心霊現象か、宇宙人の陰謀か……。
同時に、最悪の事態が脳裏をよぎって仕方がなかった。
この騒動が起きているのは、駅だけではないのではないか?
既に街中に広がっていて、あらゆるスマホや携帯電話、固定電話が暴走しているのではないか? もしそうなら、どうやって助けを呼べばいいのか?
そもそも、人間が解決出来る域を越えているのではないか……と。
(もしそうだったら……誰が俺達を助けてくれるんだ?)
「いやぁぁぁ!」
「手がッ! 手がぁッ!」
ケーキ屋の店員達は絶叫し、手に食いついたスマホを振り払おうとする。
しかし異形と化したスマホは、一向に離れない。それどころか彼女達の手を食い破らんと、さらに牙を突き立てた。
ケーキ屋の店員達は少しでもスマホから距離を取ろうと、無意識のうちに後ずさる。やがて店員の一人がケーキが並んでいるショーケースに、後退りながら近づいた。
次の瞬間、ショーケースが大きく口を開き、近づいてきた店員を丸呑みした。
「キャーッ! 出して! 出してよ!」
「洋子?!」
もう一人の店員が異変に気づき、慌ててショーケースへ駆け寄る。
ショーケースに呑まれた店員は売れ残りのケーキと一緒に、ショーケースの中に閉じ込められていた。なんとか外へ脱出しようと、スマホに食われていない方の手で、必死に引き戸を開けようとしている。
しかしショーケースの裏面はツルツルしている上に冷え切っており、取っ手のない中からでは開くのに困難を極めた。
そうこうしているうちに店員の霊力はショーケースの異形に吸い取られ、もう一人の店員が彼女をショーケースの中から助け出す頃には、すっかり体が冷たくなっていた。
「そんな……洋子! 洋子ォ!」
残された店員は我を忘れ、冷たくなった店員に泣きつく。
直後、手を食い終えたスマホが、今度は首に噛みついてきた。
「がッ……!」
店員は小さくうめき、倒れる。彼女もまた、首の傷を通して霊力を吸い取られ、徐々に体が冷たくなっていった。
スマホが店員の霊力を吸い取っている間に、店の備品は次々に異形へと変化した。包丁、業務用冷蔵庫、自動ドア、レジスター、最終的には店の建物までもが牙を剥き、意思を持って動き出す。
いずれも鉄を含んだ物体ばかりで、木の机や食べ物など、鉄を含んでいないものは異形にはならなかった。
スマホが店員から霊力を全て奪い取る頃には、ありふれたケーキ屋は大量の異形の巣窟と化していた。
『サぁ、終演ノ始マリ、始マリ。我々ヲ支配シテキタ人間共ヲ、我々ガ支配致シマショウ!』
スマホは音声アシスト機能を使い、他の異形達を扇動する。
物言わぬ異形達は牙を鳴らしたり、ドアを開閉させたりと、思い思いの方法で応え、自動ドアから外の街へと散らばっていった。
・
街の外も、ケーキ屋と似たような状況だった。
鉄を含んだ非生物が突如、異形と化し、人々へと襲いかかる。元々異形ではないからか、常人にも彼らの姿は見えており、街の至るところで悲鳴が上がっていた。
「キャーッ!」
「何なんだ、この化け物達は?!」
「誰か、助け……!」
特に、駅のホームは阿鼻叫喚の嵐だった。
電車が、線路が、改札機が、電光掲示板が……駅の利用客や駅員に襲いかかり、霊力を奪っていく。中には電車の下敷きになったり、電線で感電したりと、霊力を奪われる前に命を落とす者もいた。
惨劇は街中や駅のホームに留まらず、駅中でイルミネーションを楽しんでいる者達にまで迫ろうとしていた。
・
「見て、成田君! イルミネーション、綺麗だね!」
「お、おぉ! ホントだな!」
(君の方が綺麗だぜ、神服部ちゃん! ……とは、恥ずかしくて言ねぇぇぇッ!)
惨劇が起こる十分前。
成田は神服部と一緒に、駅中のデパートに飾られているイルミネーションを見に来ていた。巨大なクリスマスツリーや雪だるま、ソリに乗ったサンタやそれを引く赤鼻のトナカイといった、クリスマスにまつわるイルミネーションの数々が、ところ狭しと飾られている。
二人の他にも大勢の客がイルミネーション周辺に集まっていた。イルミネーションの写真を撮ったり、ベンチに座ってのんびり眺めたりと、思い思いに楽しんでいる。中には平然とイチャつくカップルもいた。
「予定してた時間より遅くなっちゃったけど、夜の方がロマンチックな雰囲気でいいね」
「全くもって、その通り!」
成田と神服部が名曽野市に着いたのは、クリスマスパーティが終わってから、一時間後のことだった。
その足でイルミネーションを見に行けばすぐ済んだのだが、
「せっかく名曽野市まで来たから、お買い物していってもいい? それと、映画も観に行きたいなー。恋愛ものなんだけど、ちょっとホラー要素もあって、すっごく面白そうなの! ねっ、一緒に観に行かない?」
「行くぅー!」
という具合で、神服部の希望に百パーセント沿った結果、名曽野市に来てから一度もイルミネーションを見ることなく、夜になっていたのだった。
「成田君、ごめんね? こんな時間まで連れ回しちゃって」
「いやいや、すっげぇ楽しかったよ! 俺も色々買い物出来たし、映画も面白かったし、夕飯に食ったハンバーガーも美味かった! 目的のイルミネーションも見られて、大満足さ!」
「そう? 良かった!」
成田がフォローすると、神服部はホッとした様子で、微笑んだ。
その天使のような笑顔を目にしたことで、成田の心にほんの少し勇気が湧いた。
「あの、神服部ちゃん!」
「は、はい!」
成田は背筋をピンと伸ばし、神服部に向き直る。急に大声を出したせいか、裏声になった。
改まって名前を呼ばれ、神服部も緊張で体を強張らせる。周りの客はイルミネーションに夢中で、二人には全く興味を持っていなかった。
「お、俺、実は前から神服部ちゃんのことが……」
その時、
「ぎゃぁぁッ! 俺の手がッ!」
イルミネーションの写真を撮っていた男の手に、異形と化したスマホが噛みついた。
「キャーッ! 化け物!」
「来ないで!」
男の周囲にいた人々は、一斉に逃げ出す。
しかし彼らもまた、握っていたスマホに手や首を食われ、霊力を吸い取られて倒れていった。
「何これ? 一体、どうなってるの?」
「フラッシュモブ……にしては、演者が本気過ぎるよな? 本当にスマホが手に食いついてるし」
幸い、成田と神服部はスマホを鞄の中に入れていたため、一旦は難を逃れた。
しかし、二人のスマホも鞄の中で既に異形と化しており、今にも布を食い破って外へ出ようとしていた。また、同じように鞄に入っている、財布の中の小銭や家の鍵といった鉄を含んだ物も異形に変化しており、鞄が開けられる瞬間を今か今かと待ち構えていた。
「よく分かんねぇけど……鞄に入れてる俺達のスマホも、おかしくなってるかもしれない。念のため鞄ごと捨てて、ここから離れよう」
成田はテレビか何かのドッキリを疑いつつも、鞄を壁のすみに置いた。
一方、神服部は鞄を置いて行くことに抵抗があるのか、手放そうとはしなかった。
「でも、こんなところに置いていったら、誰かに盗まれちゃうんじゃ? ここへ戻って来られる保障だってないのに」
「大丈夫。みんな、盗む余裕なんてねぇよ。とにかく、今は逃げよう!」
成田は神服部から無理矢理に鞄を奪うと、自分の鞄の横に置いた。そして彼女を手を引き、出口に向かって走り出した。
神服部は成田と共に走りながらも、名残惜しそうに鞄を振り返る。鞄の中にはスマホの他にも、今日購入したばかりの本やオカルトグッズ、それから成田と観た映画のパンフレットが入っていた。簡単に捨てられるものではない。
すると、成田と神服部の鞄の中で、何かがひとりでにボコボコと動いているのが見えた。
「ひっ?!」
神服部は思わず青ざめ、悲鳴を上げる。恐怖のあまり、すぐに正面へ向き直った。
「神服部ちゃん、どうした?」
神服部の悲鳴を聞き、成田も振り返る。
鞄の動きは止まっていたものの、今度はイルミネーションが動き出し、逃げ惑う人々に襲いかかっていた。上から覆い被さって捕らえては、異常に発熱した豆電球で全身を焼いている。
「ぎゃぁぁぁッ!」
「ッ!」
犠牲者の声が、一際大きく駅中に響く。何かが焼け焦げた、嫌な臭いが成田の鼻をかすめた。
成田は最期まで見届けることなく、正面に向き直った。神服部にはあの光景を見せまいと、もう一方の手で神服部の頭を包み込むように抑えた。
「すごい悲鳴……成田君、後ろで何かあったの?」
「……神服部ちゃんは見ない方がいい」
今起きている現象の正体が何なのか、成田は把握し切れなかった。ただの事故なのか、誰かが故意に起こしている事件なのか、はたまた心霊現象か、宇宙人の陰謀か……。
同時に、最悪の事態が脳裏をよぎって仕方がなかった。
この騒動が起きているのは、駅だけではないのではないか?
既に街中に広がっていて、あらゆるスマホや携帯電話、固定電話が暴走しているのではないか? もしそうなら、どうやって助けを呼べばいいのか?
そもそも、人間が解決出来る域を越えているのではないか……と。
(もしそうだったら……誰が俺達を助けてくれるんだ?)
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