贄原くんと3匹の鬼

第8話「文化祭（２日目朝）」

目白先生の妖怪講座 第８回

　私だ、目白だ。
　今回は式神について話そうと思う。
　……え？　正体がバレたんだから、普段使っている名前に変えろ？
　まぁ、いいじゃないか。「目白」は術者としての私、もう一方は普段の私ということで。芸名みたいなものだよ。

『式神シキガミ』
　術者が紙に霊力を込めたり、霊を封じ込めることで生み出される使い魔。
　普段は紙の状態だが、術者の指示で任意の姿に変わる。
　特定の人間、動物、霊……成り代われる姿は様々だが、式神の知能はさほど高くはないため、他人に成り済ますことは難しい。式神の主人が対象のことをよく知っていないと上手く成り代われず、ボロが出てしまったり、蒼劔君のような特殊な能力を完全に真似ることが出来なかったりする。
　黒縄君が式神の蒼劔君をあっさり倒せたのも、式神の蒼劔君が破邪の能力を持っていなかったせいだろうね。
　そんな式神の使い道として最適なのは、主人の身代わりにすることだ。
　本人なら自分のことをよく分かっているから再現しやすいし、近しい者と話しても誤魔化せるからね。式神を囮にして、罠を仕掛けるのもオススメだ。

　如何だっただろうか。
　黒縄君が妖力を取り戻すには、まだまだかかるようだ。
　私もなし崩し的に協力することになってしまったが、どうなることやら。
　ではまた次回。