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第7話「文化祭(1日目)」
肆:節木高校七不思議体験〈黒縄と朱羅の場合〉前半
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「これって、オカルト研究部の展示ですよね! すっごい面白かったです! 私達、来年節木高校を受験するんですけど、受かったら絶対、オカルト研究部に入部しますね!」
「いいねー! 将来有望な後輩が増えるのは嬉しいよ~!」
アンケートを提出した後、比較的怖がっていなかった方の女子中学生は入口にいた岡本と盛り上がっていた。
岡本も話の合いそうな後輩(になるかもしれない中学生)を見つけ、喜んでいる。
「ねぇ、私も入ることになってない?! 絶対嫌だからね?!」
その横で、終始怖がっていた女子中学生は必死に主張していたが、2人は全く聞く耳を持たず、節木高校の七不思議について語り合っていた。
・
2人の女子中学生が去ってから数分後、教室の中で待機していた陽斗と蒼劔のもとへ、見知った顔が暗幕から顔を出した。
「よぉ、クソガキ。暇そうだな」
「お邪魔しております」
「黒縄君! 朱羅さん!」
陽斗は2人の顔を見て、喜びの声を上げる。
蒼劔は「勝手に暗幕から顔を入れるな」と2人を注意した。
「そこは出口だ。入りたいなら、列に並べ」
「ちっ、かったりぃなァ。分かったよ」
「も、申し訳ございません。せっかく来たのだから、挨拶だけでもと思いまして」
「朱羅、その問題児から目を離すなよ。何をしでかすか分からんからな」
「承知致しました」
「誰が問題児だ、ゴラァ」
2人は暗幕から顔を引っ込めると、列の最後尾ではなく、真っ直ぐ入口の方へと歩いていった。
「あれ? 並ばないのかな?」
「いや、おそらくは……」
不審に思った陽斗と蒼劔が暗幕の隙間から外を覗くと、黒縄は岡本と最前列にいる人間を術で洗脳し、次の番を譲ってもらっていた。後列の客は不満そうに彼らを睨む。
2人はなんらかの術を使っているのか、岡本や他の客のような普通の人間にも姿が見えていた。さすがに朱羅が背中に担いでいる金棒は見えないよう細工をしているのか、誰も金棒の存在には気づかない。
黒縄は後ろから大勢の客達に睨まれても全く気にせず、屋台で買ったと思われる可愛らしい黒ウサギの飴細工を容赦なくバリバリと噛み砕く。その隣で朱羅は後ろの客達にペコペコと頭を下げ、謝っていた。
「……クズだな、アイツ」
「黒縄君、並ぶの苦手そうだもんねー。来てくれたのは嬉しいけど、あとで注意しとかないと」
ふと、陽斗は出口に立っている飯沼が険しい表情で黒縄を睨んでいることに気づいた。彼女も黒縄の行動に苛立っているのだろう。
「ごめんね、飯沼さん。あの子、僕の知り合いの子なんだ」
その途端、飯沼は青ざめた顔でバッと陽斗を振り返った。
「なんですって……?!」
「ほ、ほんとにごめんね! 根はいい子なんだけど、ちょっとワガママなとこがあって……きっと文化祭が楽しくて、はしゃいでるんだよ。あとで謝らせるから、今は見逃してあげて!」
「……ありえないわ」
飯沼は陽斗に背を向け、何やらぶつぶつ呟く。黒縄をどう対処しているのか考えているのかもしれない、と陽斗は焦った。
「どうしよう、蒼劔君。黒縄君、飯沼さんにつまみ出されちゃうかもよ?」
「だとしたら、自業自得だな」
蒼劔はそっけなく返し、飯沼に視線をやる。
彼女が何を考えているのか……蒼劔にはあらかた検討がついていた。
・
「それでは、行ってらっしゃいませ」
岡本に見送られ、黒縄と朱羅は「節木高校七不思議体験」に入っていった。
「ひぃぃ……! 黒縄様! お願いですから、ゆっくり歩いて下さいね!」
朱羅は恐怖のあまり、黒縄の背中に身を隠し、今にも泣き出しそうな顔をしている。
「おもっ! おい、朱羅! 背中に引っ付くな!」
「だって、怖いんですよぉ……」
「お前だって鬼だろうが!」
黒縄は朱羅を背中に引っ付けたまま、歩きにくそうに進んでいった。
その数分後、
「おいクソガキ! いるのは分かってンだよ! さっさとここを開けやがれ!」
「ひぃぃ……! 黒縄君、バイト先に押しかけてきた派手なシャツのお兄さん達と同じこと言ってるよぉ! 怖いぃぃ…!」
陽斗は理科室から力任せにドアを叩いてくる黒縄に怯えていた。
ドアは黒縄に拳で叩かれ「ダンダンダンッ!」とけたたましく音を響かせ、揺れている。鍵をかけてはいるが、その前にドアが破壊されそうだった。
暗闇でも目が利く黒縄は、神服部が投げた輪っかを叩き落とし、人形をスルーし、太郎くんをノックせず排出し(ドアの後ろにいたので、無傷)、ピアノを完璧に弾いてみせ、一般人では30分ほどかかる道のりをここまで数分で駆け抜けてきた。その間、朱羅は怯えて使い物にならなかった。
そして現在、彼は理科室と陽斗がいる最後の部屋の間にあるドアを無理矢理開け、先に進もうとしていた。
「成田君、何してるの?! 早く黒縄君を追っかけて!」
陽斗はドア越しに成田へ呼びかける。
設定上、ドアは「骨格標本にされた理科教師の怨みによって、閉じられている」ため、簡単に鍵を開けるわけにはいかない。マニュアルでは、客が骨格標本に扮した成田に追われて、ドアから離れたタイミングで鍵を開けることになっており、成田が黒縄を追わない限り、先に進めなかった。
しかし成田は弱々しくうめくばかりで、その場から動こうとはしなかった。
「蒼劔君、見てきて!」
「仕方ないな……」
蒼劔は黒縄に捕まらないよう、ドアから離れた壁をすり抜け、理科室の様子をうかがった。
「ぐぉぉ……あのガキ、強過ぎる……!」
成田はみぞおちを押さえて、床に倒れていた。明らかに黒縄が何かしたとしか考えられなかった。
「……おい、黒縄。貴様、成田に何をやった?」
蒼劔は体を完全にすり抜け、理科室へ移動すると、ドアの前にいた黒縄へ詰め寄った。彼の背中には朱羅が身を縮こませ、ランドセルのようにくっついている朱羅がいた。
黒縄は蒼劔に気づくとドアを叩くのをやめ、「俺のせいじゃねぇよ」と蒼劔を睨んだ。
「後ろからついて来やがったから、反射的に腕が動いちまっただけだ。今の俺の肘打ちを避けられねぇなんざ、軟弱にも程があンぞ?」
「いやどう考えても、お前のせいだろうが」
「うっせェな! たかが人間一人だろ?」
「そいつは陽斗の友人だ。それでも無下に扱うと言うなら、承知せんぞ」
蒼劔は黒縄を睨み、右手を左手に添える。
その殺気だった青い眼は、本気で黒縄の命を狙っていた。
「チッ……わぁったよ。次からは気をつけてやる」
黒縄は忌々しそうに舌打ち、蒼劔から視線をそらした。
「いいねー! 将来有望な後輩が増えるのは嬉しいよ~!」
アンケートを提出した後、比較的怖がっていなかった方の女子中学生は入口にいた岡本と盛り上がっていた。
岡本も話の合いそうな後輩(になるかもしれない中学生)を見つけ、喜んでいる。
「ねぇ、私も入ることになってない?! 絶対嫌だからね?!」
その横で、終始怖がっていた女子中学生は必死に主張していたが、2人は全く聞く耳を持たず、節木高校の七不思議について語り合っていた。
・
2人の女子中学生が去ってから数分後、教室の中で待機していた陽斗と蒼劔のもとへ、見知った顔が暗幕から顔を出した。
「よぉ、クソガキ。暇そうだな」
「お邪魔しております」
「黒縄君! 朱羅さん!」
陽斗は2人の顔を見て、喜びの声を上げる。
蒼劔は「勝手に暗幕から顔を入れるな」と2人を注意した。
「そこは出口だ。入りたいなら、列に並べ」
「ちっ、かったりぃなァ。分かったよ」
「も、申し訳ございません。せっかく来たのだから、挨拶だけでもと思いまして」
「朱羅、その問題児から目を離すなよ。何をしでかすか分からんからな」
「承知致しました」
「誰が問題児だ、ゴラァ」
2人は暗幕から顔を引っ込めると、列の最後尾ではなく、真っ直ぐ入口の方へと歩いていった。
「あれ? 並ばないのかな?」
「いや、おそらくは……」
不審に思った陽斗と蒼劔が暗幕の隙間から外を覗くと、黒縄は岡本と最前列にいる人間を術で洗脳し、次の番を譲ってもらっていた。後列の客は不満そうに彼らを睨む。
2人はなんらかの術を使っているのか、岡本や他の客のような普通の人間にも姿が見えていた。さすがに朱羅が背中に担いでいる金棒は見えないよう細工をしているのか、誰も金棒の存在には気づかない。
黒縄は後ろから大勢の客達に睨まれても全く気にせず、屋台で買ったと思われる可愛らしい黒ウサギの飴細工を容赦なくバリバリと噛み砕く。その隣で朱羅は後ろの客達にペコペコと頭を下げ、謝っていた。
「……クズだな、アイツ」
「黒縄君、並ぶの苦手そうだもんねー。来てくれたのは嬉しいけど、あとで注意しとかないと」
ふと、陽斗は出口に立っている飯沼が険しい表情で黒縄を睨んでいることに気づいた。彼女も黒縄の行動に苛立っているのだろう。
「ごめんね、飯沼さん。あの子、僕の知り合いの子なんだ」
その途端、飯沼は青ざめた顔でバッと陽斗を振り返った。
「なんですって……?!」
「ほ、ほんとにごめんね! 根はいい子なんだけど、ちょっとワガママなとこがあって……きっと文化祭が楽しくて、はしゃいでるんだよ。あとで謝らせるから、今は見逃してあげて!」
「……ありえないわ」
飯沼は陽斗に背を向け、何やらぶつぶつ呟く。黒縄をどう対処しているのか考えているのかもしれない、と陽斗は焦った。
「どうしよう、蒼劔君。黒縄君、飯沼さんにつまみ出されちゃうかもよ?」
「だとしたら、自業自得だな」
蒼劔はそっけなく返し、飯沼に視線をやる。
彼女が何を考えているのか……蒼劔にはあらかた検討がついていた。
・
「それでは、行ってらっしゃいませ」
岡本に見送られ、黒縄と朱羅は「節木高校七不思議体験」に入っていった。
「ひぃぃ……! 黒縄様! お願いですから、ゆっくり歩いて下さいね!」
朱羅は恐怖のあまり、黒縄の背中に身を隠し、今にも泣き出しそうな顔をしている。
「おもっ! おい、朱羅! 背中に引っ付くな!」
「だって、怖いんですよぉ……」
「お前だって鬼だろうが!」
黒縄は朱羅を背中に引っ付けたまま、歩きにくそうに進んでいった。
その数分後、
「おいクソガキ! いるのは分かってンだよ! さっさとここを開けやがれ!」
「ひぃぃ……! 黒縄君、バイト先に押しかけてきた派手なシャツのお兄さん達と同じこと言ってるよぉ! 怖いぃぃ…!」
陽斗は理科室から力任せにドアを叩いてくる黒縄に怯えていた。
ドアは黒縄に拳で叩かれ「ダンダンダンッ!」とけたたましく音を響かせ、揺れている。鍵をかけてはいるが、その前にドアが破壊されそうだった。
暗闇でも目が利く黒縄は、神服部が投げた輪っかを叩き落とし、人形をスルーし、太郎くんをノックせず排出し(ドアの後ろにいたので、無傷)、ピアノを完璧に弾いてみせ、一般人では30分ほどかかる道のりをここまで数分で駆け抜けてきた。その間、朱羅は怯えて使い物にならなかった。
そして現在、彼は理科室と陽斗がいる最後の部屋の間にあるドアを無理矢理開け、先に進もうとしていた。
「成田君、何してるの?! 早く黒縄君を追っかけて!」
陽斗はドア越しに成田へ呼びかける。
設定上、ドアは「骨格標本にされた理科教師の怨みによって、閉じられている」ため、簡単に鍵を開けるわけにはいかない。マニュアルでは、客が骨格標本に扮した成田に追われて、ドアから離れたタイミングで鍵を開けることになっており、成田が黒縄を追わない限り、先に進めなかった。
しかし成田は弱々しくうめくばかりで、その場から動こうとはしなかった。
「蒼劔君、見てきて!」
「仕方ないな……」
蒼劔は黒縄に捕まらないよう、ドアから離れた壁をすり抜け、理科室の様子をうかがった。
「ぐぉぉ……あのガキ、強過ぎる……!」
成田はみぞおちを押さえて、床に倒れていた。明らかに黒縄が何かしたとしか考えられなかった。
「……おい、黒縄。貴様、成田に何をやった?」
蒼劔は体を完全にすり抜け、理科室へ移動すると、ドアの前にいた黒縄へ詰め寄った。彼の背中には朱羅が身を縮こませ、ランドセルのようにくっついている朱羅がいた。
黒縄は蒼劔に気づくとドアを叩くのをやめ、「俺のせいじゃねぇよ」と蒼劔を睨んだ。
「後ろからついて来やがったから、反射的に腕が動いちまっただけだ。今の俺の肘打ちを避けられねぇなんざ、軟弱にも程があンぞ?」
「いやどう考えても、お前のせいだろうが」
「うっせェな! たかが人間一人だろ?」
「そいつは陽斗の友人だ。それでも無下に扱うと言うなら、承知せんぞ」
蒼劔は黒縄を睨み、右手を左手に添える。
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