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第6話「文化祭(準備)」
捌:猫の面の女子生徒の警告
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「ねぇ、飯沼さん。このクッキー、何枚か持って帰ってもいいかな?」
陽斗は朱羅が昨夜「私も飯沼殿が作られたお料理を食べてみたいです」と言っていたのを思い出し、飯沼に尋ねた。
「……どうして?」
途端に、飯沼の表情が曇る。
しかし陽斗は彼女の表情の変化など全く気づかず、無邪気に答えた。
「朱羅さんに頼まれたんだ。飯沼さんが作った料理を食べてみたいって。お弁当のおかずだと傷んじゃうけど、クッキーなら大丈夫だよね?」
「……」
飯沼は逡巡した後に「しょうがないわね」とクッキーを何枚かタッパーに入れ、陽斗に渡した。
「はい。日持ちはしないから、今日中に食べてね」
「やった!」
陽斗は目を輝かせ、両手でタッパーを受け取った。
「ありがとう、飯沼さん! 朱羅さんも喜ぶよ!」
「私こそ、あんなに美味しいお弁当を作れる人に食べてもらえるなんて光栄だわ。絶対、味の感想を聞いてきてね」
「うん!」
陽斗はクッキーが入ったタッパーを慎重に鞄の中に仕舞った。教科書の下敷きにならないよう、上に乗せる。
「楽しみだなー。朱羅さん、飯沼さんのクッキー、褒めてくれるかな?」
陽斗がワクワクする一方で、蒼劔は先程の飯沼の表情の変化に、疑問を持っていた。
(まだ朱羅を警戒しているのか? その割には、あいつが作った弁当はしっかり食べていたが……それとも、あのクッキーを持って帰られるとマズいことでもあるのか?)
蒼劔は眉根を寄せ、考え込む。
その様子を不知火はクッキーを次々に口へ運びながら、こっそり眺めていた。その内の何枚かは食べるフリをして、白衣の袖に入れていた。
・
昨日と同様に、陽斗は成田と飯沼と共に帰宅した。途中の交差点で2人と別れ、蒼劔と共に狭い裏路地を歩く。
成田と飯沼がいた間、蒼劔は一言も喋らなかったが、2人と交差点で別れてから暫くすると、おもむろに口を開いた。
「陽斗、飯沼からもらったクッキーを五代に調べてもらわないか?」
「え?」
突然の提案に、陽斗は首を傾げた。
「もしかして、蒼劔君もお料理がしたくなったの? 五代さんに調べてもらわなくても、僕が飯沼さんにレシピを聞いてあげるけど」
「……俺は別に、クッキーを作りたいわけじゃない」
「じゃあ、何で調べるの?」
「それは……」
蒼劔は返答に困り、目を伏せた。
その時、陽斗の頭にふわふわした黒い塊が落下した。突然の重みに、陽斗は「重っ!」と前屈みになった。
蒼劔もそれの気配に気づき、ハッと顔を向ける。
「何これ? もふもふしてる……?」
陽斗は恐る恐る頭上へ手を伸ばし、それに触れた。温かく、ふわふわしていた。
直後、
「ニャー!」
「うわっ?!」
愛くるしい鳴き声がしたかと思うと、陽斗の頭の上から太めの黒猫が落下し、彼のスクールバッグへ飛び移った。美しい琥珀色の瞳が印象的な野良猫で、尾が二又に分かれていた。子供のイタズラか、背中には「隠」と書かれた紙が貼られていた。
黒猫は口で器用にスクールバッグのチャックを開けると、飯沼のクッキーが入ったタッパーを咥え、塀へ跳躍した。そのままタプタプのお腹を揺らし、走り去って行こうとする。
「待て!」
蒼劔は左手から刀を出し、黒猫を追いかけていった。
「蒼劔君! クッキーは大事だけど、猫を斬っちゃダメだよ!」
慌てて陽斗も後を追ったが、蒼劔も黒猫もすぐに見失ってしまった。
改めて鞄の中を確認したが、やはり飯沼のクッキーが入ったタッパーが盗まれていた。
「あちゃー……せっかく、飯沼さんに頼んで、分けてもらったのに」
陽斗は残念そうに肩を落としたが、「まぁ、また貰えばいっか」とすぐに立ち直った。
「蒼劔君も猫君も何処にいるか分かんないし、先に帰ってよっと」
踵を返し、来た道を戻ろうとする。
すると、背後に猫の面をつけた女子生徒が立っていた。
「うひゃぁっ?!」
陽斗は反射的に飛び上がり、尻もちをつく。オカ研の調査で彼女に鏡の中へ連れて行かれそうになった時のことが、脳裏をよぎった。
しかし陽斗の無防備な姿を前にしても、女子生徒は陽斗に襲いかかろうとはしなかった。黙って陽斗を見下ろし、立っている。
最初は怯えていた陽斗も、彼女が何もして来ないのを見て、よろよろと立ち上がった。
「あ、あの……何かご用でしょうか?」
すると女子生徒はくぐもった声で、答えた。
「……アノ女ノ作ッタモノヲ、鬼ニ食ベサセテハ駄目」
「あの女って……飯沼さんのこと?」
女子生徒は頷いた。
「アレハ鬼ニトッテ、毒ダカラ」
「毒?!」
陽斗は女子生徒の言葉に驚いたが、蒼劔が飯沼の料理を食べても平気だったことを思い出し、反論した。
「でも、蒼劔君は平気だったよ? そもそも、飯沼さんが毒なんて入れるわけないじゃん!」
「アノ鬼ハ特殊ナ存在ダカラ、平気。他ノ鬼ニハ毒。人間ニハ薬ニナル」
「薬って、何の? 僕、病気になんて罹ってないよ?」
「……元気デモ、使ウ薬ハアル。イズレ分カル」
そこへ先程の黒猫がタッパーを咥えたまま、女子生徒へ駆け寄ってきた。女子生徒が手を差し出すと、黒猫はその手にタッパーを落とした。
「陽斗! タッパーを奪え!」
遅れて陽斗の背後から走ってきた蒼劔が、陽斗に指示を出す。
女子生徒は黒猫から紙を剥がすと、蒼劔が来ている方向とは反対方向へ逃げ出した。
「ま、待って!」
陽斗は今度こそクッキーを取り戻そうと懸命に追った。しかし数メートル先の角を曲がったところで、見失ってしまった。
角の先は1本道で、塀や屋根にも女子生徒の姿はなかった。
「嘘ぉ?! いくらなんでも、走るの速すぎない?!」
蒼劔もすぐに追いつき、周囲の気配を探ったが、女子生徒の気配は見つけられなかった。
蒼劔は苛立ちを露わに舌打ちしつつも、それ以上深追いはせず、「帰るぞ」と陽斗に声をかけ、節木荘に向かって歩き出した。
陽斗は名残惜しそうに何度も振り返っていたが、最後には蒼劔の隣に並んで帰路についた。
「あの子、すっごく足が速かったね! 蒼劔君のこと知ってるみたいだし……もしかしてあの子も、鬼かな?」
「……分からん。気配が読み取れなかった。おそらく、猫の背中に貼られていた紙と同じものを貼っていたせいだろう」
「あれって、誰かのイタズラじゃないの?」
蒼劔は首を振った。
「違う。あれは、れっきとした術者の魔具だ。貼った対象の気配を隠す効力がある。かなり強力な魔具で、俺では破れん。あの女が家庭科室でお前を襲った際に、俺が奴の気配に気づけなかったのも、体の何処かにあの札を貼っていたせいだろう」
「そっかぁ……」
陽斗は一旦は納得したものの、当時のことを思い出し、「ん?」と眉根を寄せた。
「でも、不知火先生は気づいてくれたよ? あのお札を貼っていれば、気づかれないんじゃないの?」
陽斗の口から不知火の名前が出た途端、蒼劔は露骨に顔をしかめた。
「……あれに関しては、俺にもよく分からん。昨日も形代という、紙で出来た依代を使って、俺に警告してきた。間違いなく術者だろうが、それにしては謎が多過ぎる。今は、奴のことは考えなくていい」
「ほーい」
陽斗は素直に返事をし、不知火のことは考えないことにした。色々疑問に思うことはあったが、彼は「先生が悪いことをするはずがない」と、根拠のない自信を持っていた。
蒼劔としても、不知火への疑いをなくしたわけではない。むしろ、疑う点が多過ぎて、考えるのが馬鹿らしくなっていた。
それよりも今は、二又の尾を持つ黒猫が陽斗を襲撃した際に、彼が持っている水晶のブレスレットの機能が作動しなかったことが気がかりだった。
(……二又に分かれていた尾と言い、あの猫はおそらく、猫又だ。だが、異形を寄せつけないはずの水晶のブレスレットが機能しなかった。原因はおそらく、気配隠しの札のせいだ。実際、陽斗が家庭科室で猫の面の生徒に襲われた際も、水晶のブレスレットは機能してはいなかった……)
もしも、と蒼劔は最悪の事態を予想し、顔をこわばらせた。
(もしも……俺がすぐに駆けつけられない場所で、陽斗がまた奴に襲われたら……俺はどう陽斗を守ればいいんだ?)
陽斗は朱羅が昨夜「私も飯沼殿が作られたお料理を食べてみたいです」と言っていたのを思い出し、飯沼に尋ねた。
「……どうして?」
途端に、飯沼の表情が曇る。
しかし陽斗は彼女の表情の変化など全く気づかず、無邪気に答えた。
「朱羅さんに頼まれたんだ。飯沼さんが作った料理を食べてみたいって。お弁当のおかずだと傷んじゃうけど、クッキーなら大丈夫だよね?」
「……」
飯沼は逡巡した後に「しょうがないわね」とクッキーを何枚かタッパーに入れ、陽斗に渡した。
「はい。日持ちはしないから、今日中に食べてね」
「やった!」
陽斗は目を輝かせ、両手でタッパーを受け取った。
「ありがとう、飯沼さん! 朱羅さんも喜ぶよ!」
「私こそ、あんなに美味しいお弁当を作れる人に食べてもらえるなんて光栄だわ。絶対、味の感想を聞いてきてね」
「うん!」
陽斗はクッキーが入ったタッパーを慎重に鞄の中に仕舞った。教科書の下敷きにならないよう、上に乗せる。
「楽しみだなー。朱羅さん、飯沼さんのクッキー、褒めてくれるかな?」
陽斗がワクワクする一方で、蒼劔は先程の飯沼の表情の変化に、疑問を持っていた。
(まだ朱羅を警戒しているのか? その割には、あいつが作った弁当はしっかり食べていたが……それとも、あのクッキーを持って帰られるとマズいことでもあるのか?)
蒼劔は眉根を寄せ、考え込む。
その様子を不知火はクッキーを次々に口へ運びながら、こっそり眺めていた。その内の何枚かは食べるフリをして、白衣の袖に入れていた。
・
昨日と同様に、陽斗は成田と飯沼と共に帰宅した。途中の交差点で2人と別れ、蒼劔と共に狭い裏路地を歩く。
成田と飯沼がいた間、蒼劔は一言も喋らなかったが、2人と交差点で別れてから暫くすると、おもむろに口を開いた。
「陽斗、飯沼からもらったクッキーを五代に調べてもらわないか?」
「え?」
突然の提案に、陽斗は首を傾げた。
「もしかして、蒼劔君もお料理がしたくなったの? 五代さんに調べてもらわなくても、僕が飯沼さんにレシピを聞いてあげるけど」
「……俺は別に、クッキーを作りたいわけじゃない」
「じゃあ、何で調べるの?」
「それは……」
蒼劔は返答に困り、目を伏せた。
その時、陽斗の頭にふわふわした黒い塊が落下した。突然の重みに、陽斗は「重っ!」と前屈みになった。
蒼劔もそれの気配に気づき、ハッと顔を向ける。
「何これ? もふもふしてる……?」
陽斗は恐る恐る頭上へ手を伸ばし、それに触れた。温かく、ふわふわしていた。
直後、
「ニャー!」
「うわっ?!」
愛くるしい鳴き声がしたかと思うと、陽斗の頭の上から太めの黒猫が落下し、彼のスクールバッグへ飛び移った。美しい琥珀色の瞳が印象的な野良猫で、尾が二又に分かれていた。子供のイタズラか、背中には「隠」と書かれた紙が貼られていた。
黒猫は口で器用にスクールバッグのチャックを開けると、飯沼のクッキーが入ったタッパーを咥え、塀へ跳躍した。そのままタプタプのお腹を揺らし、走り去って行こうとする。
「待て!」
蒼劔は左手から刀を出し、黒猫を追いかけていった。
「蒼劔君! クッキーは大事だけど、猫を斬っちゃダメだよ!」
慌てて陽斗も後を追ったが、蒼劔も黒猫もすぐに見失ってしまった。
改めて鞄の中を確認したが、やはり飯沼のクッキーが入ったタッパーが盗まれていた。
「あちゃー……せっかく、飯沼さんに頼んで、分けてもらったのに」
陽斗は残念そうに肩を落としたが、「まぁ、また貰えばいっか」とすぐに立ち直った。
「蒼劔君も猫君も何処にいるか分かんないし、先に帰ってよっと」
踵を返し、来た道を戻ろうとする。
すると、背後に猫の面をつけた女子生徒が立っていた。
「うひゃぁっ?!」
陽斗は反射的に飛び上がり、尻もちをつく。オカ研の調査で彼女に鏡の中へ連れて行かれそうになった時のことが、脳裏をよぎった。
しかし陽斗の無防備な姿を前にしても、女子生徒は陽斗に襲いかかろうとはしなかった。黙って陽斗を見下ろし、立っている。
最初は怯えていた陽斗も、彼女が何もして来ないのを見て、よろよろと立ち上がった。
「あ、あの……何かご用でしょうか?」
すると女子生徒はくぐもった声で、答えた。
「……アノ女ノ作ッタモノヲ、鬼ニ食ベサセテハ駄目」
「あの女って……飯沼さんのこと?」
女子生徒は頷いた。
「アレハ鬼ニトッテ、毒ダカラ」
「毒?!」
陽斗は女子生徒の言葉に驚いたが、蒼劔が飯沼の料理を食べても平気だったことを思い出し、反論した。
「でも、蒼劔君は平気だったよ? そもそも、飯沼さんが毒なんて入れるわけないじゃん!」
「アノ鬼ハ特殊ナ存在ダカラ、平気。他ノ鬼ニハ毒。人間ニハ薬ニナル」
「薬って、何の? 僕、病気になんて罹ってないよ?」
「……元気デモ、使ウ薬ハアル。イズレ分カル」
そこへ先程の黒猫がタッパーを咥えたまま、女子生徒へ駆け寄ってきた。女子生徒が手を差し出すと、黒猫はその手にタッパーを落とした。
「陽斗! タッパーを奪え!」
遅れて陽斗の背後から走ってきた蒼劔が、陽斗に指示を出す。
女子生徒は黒猫から紙を剥がすと、蒼劔が来ている方向とは反対方向へ逃げ出した。
「ま、待って!」
陽斗は今度こそクッキーを取り戻そうと懸命に追った。しかし数メートル先の角を曲がったところで、見失ってしまった。
角の先は1本道で、塀や屋根にも女子生徒の姿はなかった。
「嘘ぉ?! いくらなんでも、走るの速すぎない?!」
蒼劔もすぐに追いつき、周囲の気配を探ったが、女子生徒の気配は見つけられなかった。
蒼劔は苛立ちを露わに舌打ちしつつも、それ以上深追いはせず、「帰るぞ」と陽斗に声をかけ、節木荘に向かって歩き出した。
陽斗は名残惜しそうに何度も振り返っていたが、最後には蒼劔の隣に並んで帰路についた。
「あの子、すっごく足が速かったね! 蒼劔君のこと知ってるみたいだし……もしかしてあの子も、鬼かな?」
「……分からん。気配が読み取れなかった。おそらく、猫の背中に貼られていた紙と同じものを貼っていたせいだろう」
「あれって、誰かのイタズラじゃないの?」
蒼劔は首を振った。
「違う。あれは、れっきとした術者の魔具だ。貼った対象の気配を隠す効力がある。かなり強力な魔具で、俺では破れん。あの女が家庭科室でお前を襲った際に、俺が奴の気配に気づけなかったのも、体の何処かにあの札を貼っていたせいだろう」
「そっかぁ……」
陽斗は一旦は納得したものの、当時のことを思い出し、「ん?」と眉根を寄せた。
「でも、不知火先生は気づいてくれたよ? あのお札を貼っていれば、気づかれないんじゃないの?」
陽斗の口から不知火の名前が出た途端、蒼劔は露骨に顔をしかめた。
「……あれに関しては、俺にもよく分からん。昨日も形代という、紙で出来た依代を使って、俺に警告してきた。間違いなく術者だろうが、それにしては謎が多過ぎる。今は、奴のことは考えなくていい」
「ほーい」
陽斗は素直に返事をし、不知火のことは考えないことにした。色々疑問に思うことはあったが、彼は「先生が悪いことをするはずがない」と、根拠のない自信を持っていた。
蒼劔としても、不知火への疑いをなくしたわけではない。むしろ、疑う点が多過ぎて、考えるのが馬鹿らしくなっていた。
それよりも今は、二又の尾を持つ黒猫が陽斗を襲撃した際に、彼が持っている水晶のブレスレットの機能が作動しなかったことが気がかりだった。
(……二又に分かれていた尾と言い、あの猫はおそらく、猫又だ。だが、異形を寄せつけないはずの水晶のブレスレットが機能しなかった。原因はおそらく、気配隠しの札のせいだ。実際、陽斗が家庭科室で猫の面の生徒に襲われた際も、水晶のブレスレットは機能してはいなかった……)
もしも、と蒼劔は最悪の事態を予想し、顔をこわばらせた。
(もしも……俺がすぐに駆けつけられない場所で、陽斗がまた奴に襲われたら……俺はどう陽斗を守ればいいんだ?)
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