贄原くんと3匹の鬼

第4.5話「生き霊の大家さん」

第4.5回 目白先生の妖怪講座

　私だ、目白だ。
　今回は節木荘をリフォームした妖怪、クロコについて話そうと思う。
　人間のフリをし、人間のように「仕事」をする彼らの生態とは？

『クロコ』
　代行業を生業としている妖怪。
　人型だが顔は真っ黒で、目も鼻も口も耳も髪もない。オプションによっては、顔を付けることも可能で、最上級オプションの場合は人間と全く大差ない姿、対応能力で、仕事を行える。
　職種問わず、黙々と作業する仕事を得意としている。会社員、事務職、大工、警備員などなど……幅広い職業を受け入れているようだ。難しいのは、発想力のいる職業や感情のいる職業で、大工も設計図が用意されていないと作れないそうだ。今回用意されていた設計図は、黒縄君が書いたものらしいよ。
　当然グレードに応じて、要求する妖力も増える。黒縄君の場合、「大工仕事さえやってくれればいい」「最低限の妖力しか出さない」という条件だったから、このような姿になったらしい。
　もしも妖力を払えないと、クロコと同じような姿にされて、死ぬまで働かされるそうだ。節木荘をリフォームしたクロコ達の中にも、元人間がいたのかもしれないね。

　如何だっただろうか。
　私も面倒な仕事は式……部下に任せていることが多いが、1日でリフォーム出来る妖力というのはすごいね。
　一度、依頼してみようかな。是非代わりに行列を並んで欲しい。

　ではまた次回。