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第4話「贄原くんの災厄な五日間 黒縄の逆襲」
目白先生の妖怪講座 第4回
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私だ、目白だ。
やっと贄原君達は私の名前を知ったようだね。
だが、私が目白として彼らの前に現れるのは、まだまだ先のようだ。
暫くはこうして、諸君らの前で講義をするとしよう。
さて、今回紹介するのは、残りの元地獄八鬼と、五代君だ。
『矢雨丹波弓弦』
元地獄八鬼「叫喚」。他の地獄八鬼とは違い、損得勘定で仕事を選ぶ。特に蒼劔君絡みの仕事には慎重な態度でいるようだ。
金髪、オレンジの瞳の細身の男。金のベネチアンマスクで目元を隠し、赤いコートをまとっている。ツノは見えない。
武器は大きな弓で、手から生み出した炎の矢を放つ。
派手な見た目とは裏腹に隠密行動を得意とし、炎で分身体を作る「陽炎」という術を使う。
分身体は、元となる相手をどれだけ矢雨が知っているかによって完成度が異なるため、よく知らない相手の分身体だと、すぐにボロが出てしまう。自分の分身体でも、今まで経験したことのない不測の事態に対しては判断が鈍ってしまうそうだ。
彼は素顔も分からなければ、出自も不明で、どのような経緯で鬼になったのか見当もつかない。穏やかな表情から垣間見える金への妄執と冷酷さが、彼の生前と何か繋がりがあるのかもしれない。
『黒縄』
元地獄八鬼、リーダー。黒縄という名は地獄八鬼を結成した頃につけた名前で、本名は別にあるらしい。地獄八鬼を義賊の集団にしたかったようだが、他のメンバーと反りが合わず、脱退した。
黒髪、黒目の美少年。龍穴の加護の元では中学生くらいの外見だったが、普段は小学生くらいの子供の姿をしている。姿に応じて、使える術も限られてくる。約1000歳。
「術の黒縄」と呼ばれているだけあって様々な術を会得しているが、妖力の温存のため、普段は袖から放つ鎖を武器に戦っている。
元の姿に戻るため、私を探しているらしいが、果たして彼が私の元へたどり着くのはいつになるのだろうか?
『五代(五代童子)』
五感が鋭く、相手の心や過去、未来をも予知する合成妖怪。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚それぞれに優れた妖怪5体と、自我を保つためだけに素体にされた術者から成り立っている。名前の「五代」は、「五感の代わり」であることからつけられた。
ミント色の髪、赤目の青年。毎日アニメのキャラクターのTシャツを着ている。
情報が少ないと過去を見誤ってしまうが、未来予知は正確。どんな形であれ、彼が予知したことは現実になってしまう。とてつもない能力を持っているせいで、多くの術者や鬼から狙われており、己の保身のためなら何でも利用する。
仕事よりも自分の趣味を優先する傾向にあり、蒼劔君達を怒らせてしまった。そんなに私を怖がらなくても、取って食べはしないよ。
如何だっただろうか。
贄原君にとっても、蒼劔君にとっても、最悪の5日間になってしまったようだが、夏休みはまだ終わらない。
贄原君達の前に現れる、次なる異形とは?
ではまた次回。
やっと贄原君達は私の名前を知ったようだね。
だが、私が目白として彼らの前に現れるのは、まだまだ先のようだ。
暫くはこうして、諸君らの前で講義をするとしよう。
さて、今回紹介するのは、残りの元地獄八鬼と、五代君だ。
『矢雨丹波弓弦』
元地獄八鬼「叫喚」。他の地獄八鬼とは違い、損得勘定で仕事を選ぶ。特に蒼劔君絡みの仕事には慎重な態度でいるようだ。
金髪、オレンジの瞳の細身の男。金のベネチアンマスクで目元を隠し、赤いコートをまとっている。ツノは見えない。
武器は大きな弓で、手から生み出した炎の矢を放つ。
派手な見た目とは裏腹に隠密行動を得意とし、炎で分身体を作る「陽炎」という術を使う。
分身体は、元となる相手をどれだけ矢雨が知っているかによって完成度が異なるため、よく知らない相手の分身体だと、すぐにボロが出てしまう。自分の分身体でも、今まで経験したことのない不測の事態に対しては判断が鈍ってしまうそうだ。
彼は素顔も分からなければ、出自も不明で、どのような経緯で鬼になったのか見当もつかない。穏やかな表情から垣間見える金への妄執と冷酷さが、彼の生前と何か繋がりがあるのかもしれない。
『黒縄』
元地獄八鬼、リーダー。黒縄という名は地獄八鬼を結成した頃につけた名前で、本名は別にあるらしい。地獄八鬼を義賊の集団にしたかったようだが、他のメンバーと反りが合わず、脱退した。
黒髪、黒目の美少年。龍穴の加護の元では中学生くらいの外見だったが、普段は小学生くらいの子供の姿をしている。姿に応じて、使える術も限られてくる。約1000歳。
「術の黒縄」と呼ばれているだけあって様々な術を会得しているが、妖力の温存のため、普段は袖から放つ鎖を武器に戦っている。
元の姿に戻るため、私を探しているらしいが、果たして彼が私の元へたどり着くのはいつになるのだろうか?
『五代(五代童子)』
五感が鋭く、相手の心や過去、未来をも予知する合成妖怪。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚それぞれに優れた妖怪5体と、自我を保つためだけに素体にされた術者から成り立っている。名前の「五代」は、「五感の代わり」であることからつけられた。
ミント色の髪、赤目の青年。毎日アニメのキャラクターのTシャツを着ている。
情報が少ないと過去を見誤ってしまうが、未来予知は正確。どんな形であれ、彼が予知したことは現実になってしまう。とてつもない能力を持っているせいで、多くの術者や鬼から狙われており、己の保身のためなら何でも利用する。
仕事よりも自分の趣味を優先する傾向にあり、蒼劔君達を怒らせてしまった。そんなに私を怖がらなくても、取って食べはしないよ。
如何だっただろうか。
贄原君にとっても、蒼劔君にとっても、最悪の5日間になってしまったようだが、夏休みはまだ終わらない。
贄原君達の前に現れる、次なる異形とは?
ではまた次回。
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