62 / 327
第3話「贄原くんの災厄な五日間」後編
目白先生の妖怪講座 第3回
しおりを挟む
私だ、目白だ。
今回は3人の地獄八鬼のメンバーを紹介しようと思う。
謎に包まれていた彼らの意外な正体に、諸君は驚いたのではないかな? 私も驚いた。
なにせ、彼らとはあまり関わり合いがなくてね。朱羅君や五代君の方がよく知っているだろう。
『山根彦丸(大叫喚)』
糸のような細い目、クルクルにカールした髪、耳まで裂けた大きな口、コックの格好、頭頂部に包丁のような銀色のツノが生えている。
2本の筋引包丁が武器。
名曽野市にある隠れ家的レストラン「山根亭」の料理長兼オーナー。
新進気鋭の料理人として名を馳せていたが、裏では人間の客を食材として調理し、妖怪や鬼に提供していた。地獄八鬼として活動する以前から何度も名を変え、店を変え、しつこく人間界に潜んでいたようだ。
普段は穏やかな男だが、本性を現すと白目も黒目も真っ赤に変わり、三日月のように開く。口角も耳まで裂け、サメの歯のように尖った歯が口の中に並んでいるのが見える。
相手を洗脳し、心も姿も思い通りに変えてしまう能力を持つ。相手が意識を失えば洗脳は解けるが、再度洗脳されれば元に戻ってしまう。
自分に能力を使うことで変装も出来、気配まで変えてしまえる。そのため、五代君でも彼の正体には気づけなかった。
相手に自分の妖力の一部を与えることで発現する能力であるため、妖力を打ち消してしまう蒼劔君には効かなかったようだ。
ちなみに料理人としての腕は確かで、長年の経験からどんな料理も作ることが出来、いずれも絶品だったらしい。人間を食材として使うことに固執さえしなければ、今後も人間の料理人として成功していたかもしれない。
『焦熱、炎熱』
オレンジ色に近い赤色の髪と目。小学校高学年くらいの年頃で、背は低い。炎を模したオレンジ色の刺繍が左右対称に施された、長袖の白いカンフーの道衣と布製の白い靴を纏っている。焦熱は右の額、炎熱は左の額に白い小さなツノが片方ずつ生えている。
高い戦闘能力に加え、炎を自在に操る能力も持つ殺戮者。炎を制御するのに長け、攻撃手段にも、自らの身体を治療するにも使っている。
瓜二つの顔を持つ双子で、元人間。双子という理由だけで肉親からも忌み嫌われ、儀式の生贄に使われた。そのため、2人は今日に至るまで人間への憎悪を募らせ、殺戮を繰り返してきた。
地獄八鬼にいた頃は現場を焼却する役割を任されていたため、当時は「地獄八鬼に襲われた跡には灰しか残らない」と広まっていた。元々名前はなく、地獄八鬼に加入した際に初めて「焦熱」「炎熱」と名を与えられ、脱退した今でも使っている。
焦熱が兄で、炎熱が弟だそうだが、ツノ以外に見分ける方法はない。発言の内容に微妙な差はあるようだが、特に規則性はなく、見分ける判断材料にはならない。
人間の食べ物にはあまり関心がなかったが、贄原君に勧められて林檎飴を食べて以来、人間の食べ物に興味を持つようになったらしい。
人間の優しさに触れた彼らがどう変化していくのか、今後に期待しよう。
如何だっただろうか?
他にも「黒猫のお面を着けた女性」や「青蓮という名の鬼」が登場していたが、彼女達を紹介するのはまた別の機会にしようと思う。
果たして、贄原君は黒縄君から逃げ延びることが出来るのだろうか?
ではまた次回。
今回は3人の地獄八鬼のメンバーを紹介しようと思う。
謎に包まれていた彼らの意外な正体に、諸君は驚いたのではないかな? 私も驚いた。
なにせ、彼らとはあまり関わり合いがなくてね。朱羅君や五代君の方がよく知っているだろう。
『山根彦丸(大叫喚)』
糸のような細い目、クルクルにカールした髪、耳まで裂けた大きな口、コックの格好、頭頂部に包丁のような銀色のツノが生えている。
2本の筋引包丁が武器。
名曽野市にある隠れ家的レストラン「山根亭」の料理長兼オーナー。
新進気鋭の料理人として名を馳せていたが、裏では人間の客を食材として調理し、妖怪や鬼に提供していた。地獄八鬼として活動する以前から何度も名を変え、店を変え、しつこく人間界に潜んでいたようだ。
普段は穏やかな男だが、本性を現すと白目も黒目も真っ赤に変わり、三日月のように開く。口角も耳まで裂け、サメの歯のように尖った歯が口の中に並んでいるのが見える。
相手を洗脳し、心も姿も思い通りに変えてしまう能力を持つ。相手が意識を失えば洗脳は解けるが、再度洗脳されれば元に戻ってしまう。
自分に能力を使うことで変装も出来、気配まで変えてしまえる。そのため、五代君でも彼の正体には気づけなかった。
相手に自分の妖力の一部を与えることで発現する能力であるため、妖力を打ち消してしまう蒼劔君には効かなかったようだ。
ちなみに料理人としての腕は確かで、長年の経験からどんな料理も作ることが出来、いずれも絶品だったらしい。人間を食材として使うことに固執さえしなければ、今後も人間の料理人として成功していたかもしれない。
『焦熱、炎熱』
オレンジ色に近い赤色の髪と目。小学校高学年くらいの年頃で、背は低い。炎を模したオレンジ色の刺繍が左右対称に施された、長袖の白いカンフーの道衣と布製の白い靴を纏っている。焦熱は右の額、炎熱は左の額に白い小さなツノが片方ずつ生えている。
高い戦闘能力に加え、炎を自在に操る能力も持つ殺戮者。炎を制御するのに長け、攻撃手段にも、自らの身体を治療するにも使っている。
瓜二つの顔を持つ双子で、元人間。双子という理由だけで肉親からも忌み嫌われ、儀式の生贄に使われた。そのため、2人は今日に至るまで人間への憎悪を募らせ、殺戮を繰り返してきた。
地獄八鬼にいた頃は現場を焼却する役割を任されていたため、当時は「地獄八鬼に襲われた跡には灰しか残らない」と広まっていた。元々名前はなく、地獄八鬼に加入した際に初めて「焦熱」「炎熱」と名を与えられ、脱退した今でも使っている。
焦熱が兄で、炎熱が弟だそうだが、ツノ以外に見分ける方法はない。発言の内容に微妙な差はあるようだが、特に規則性はなく、見分ける判断材料にはならない。
人間の食べ物にはあまり関心がなかったが、贄原君に勧められて林檎飴を食べて以来、人間の食べ物に興味を持つようになったらしい。
人間の優しさに触れた彼らがどう変化していくのか、今後に期待しよう。
如何だっただろうか?
他にも「黒猫のお面を着けた女性」や「青蓮という名の鬼」が登場していたが、彼女達を紹介するのはまた別の機会にしようと思う。
果たして、贄原君は黒縄君から逃げ延びることが出来るのだろうか?
ではまた次回。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
Bグループの少年
櫻井春輝
青春
クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。

夢の中でもう一人のオレに丸投げされたがそこは宇宙生物の撃退に刀が重宝されている平行世界だった
竹井ゴールド
キャラ文芸
オレこと柊(ひいらぎ)誠(まこと)は夢の中でもう一人のオレに泣き付かれて、余りの泣き言にうんざりして同意するとーー
平行世界のオレと入れ替わってしまった。
平行世界は宇宙より外敵宇宙生物、通称、コスモアネモニー(宇宙イソギンチャク)が跋扈する世界で、その対策として日本刀が重宝されており、剣道の実力、今(いま)総司のオレにとってはかなり楽しい世界だった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる