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第3話「贄原くんの災厄な五日間」後編
4日目:夏祭り⑤
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陽斗は蒼劔の解答に、頭の中が真っ白になった。
「人間じゃなくなるって……どういうこと?」
「そのままの意味だ。人間は保有している霊力が妖力に変わると、異形に変わる。お前が自我のない妖怪になるか、俺達と同じ鬼になるかは予測出来んが、“人間”という枠組みから外れるのは確かだ」
「僕が、異形に?」
陽斗の脳裏に今まで見てきた妖怪達の姿が思い浮かぶ。中には人型の妖怪もいたが、あくまでも“人型”であって、人ではなかった。
一通りの妖怪達を思い浮かべた最後に、陽斗自身の姿が現れた。その陽斗には顔がなかった。
すると顔のない陽斗の前に、成田と飯沼が現れた。2人は顔のない陽斗を見るなり悲鳴を上げ、「化け物だ!」と言って逃げていった。
それが想像だけの出来事ではないことは、陽斗には分かっていた。このまま自分が化け物になれば必ず起こる、現実の出来事だと知っていた。
だからこそ、悲しかった。気づけば陽斗の目から涙があふれていた。
「妖怪は嫌だなぁ。蒼劔君と同じ、鬼がいいよ。鬼ならツノを隠せば、人間に見えるでしょ? それなら成田くんや飯沼さんにも会えるよね」
悲しみを誤魔化そうと、無理矢理笑顔を作る。その痛々しい姿に、そばで見ていた朱羅の目には涙が浮かんだ。
「蒼劔殿、どうにか出来ないのでしょうか? 術者に頼んで治していただくとか、魔具で治療するとか……」
「不可能だ」
蒼劔も涙こそ見せなかったが、声が震えていた。自分に言い聞かせるように、朱羅の質問に答える。
「今は稲葉から買った魔具の影響で進行が遅れているが、魔具自体の効力が切れれば一気に妖力が体に回る。もって、1時間だろう。その前に術者なり魔具なりを用意するなど、不可能だ」
それでも朱羅は諦めきれなかった。スマホを取り出し、五代に電話をかけた。
「……五代殿に連絡してみます。彼なら何か知っているかもしれません」
五代は珍しく、ワンコールで電話に出た。
『朱羅氏、今の状況は?! おいら、怖くてチミ達の記憶読み取れなかったんだけど、まさか予言がホントになってたりしないよね?!』
「……そのまさかです。陽斗殿が誤って、蒼劔殿に切られました。今は魔具で進行が遅れていますが、時間の問題です。何か治療する方法をご存知ですか?」
『ちょい待ち! 今、検索かけるから!』
五代は一旦電話から離れ、パソコンのキーボードを叩いていたが、すぐに手を止めた。何かを思いついたのか『言うべきか、言わざるべきか……』と小声で悩んでいる。
その声を聞いていた朱羅は焦る気持ちを抑えきれず、電話の向こうにいる五代に言った。
「どんな方法でも構いません! 今の陽斗殿を救えるなら、早く教えて下さい!」
五代は再度電話を手に取り『……分かった』と、電話の向こうで頷いた。
『陽斗氏を救う方法はこの1つだけしかない。この方法が受け入れられないなら、諦めた方がいい』
解答をはぐらかそうとする五代に、電話の内容を朱羅の隣で聞いていた蒼劔は苛立ちを露わにした。朱羅の手からスマホを奪い取り、五代を脅す。
「勿体ぶらずに早く言え! 今は貴様のおふざけに付き合っている暇はない!」
『ふざけてねーしッ! 俺は蒼劔氏に配慮してやってるだけなんスけど!』
「何故俺に配慮する必要がある?!」
『だって……』
五代の口から出た「唯一陽斗を救える方法」は、彼らにとって驚きの方法だった。
『焦熱と炎熱に朱羅氏の妖力と陽斗氏の霊力を与えて、炎で蒼劔氏の妖力を消してもらうなんて……絶対、蒼劔氏も朱羅氏も拒否るでしょ?』
・
一同黙り込む中、動いたのは焦熱と炎熱だった。焦熱が左足を失った炎熱に肩を貸して陽斗の元へ歩み寄り、その場に腰を下ろすと、2人で陽斗の傷に向かって手を伸ばした。
蒼劔はスマホを朱羅へ返して、2人の手首をつかみ、彼らを睨んだ。
「……今さら何のつもりだ。元はといえば、貴様ら地獄八鬼が陽斗の命を狙ったせいだろう。それとも、俺の目の前で陽斗を殺すつもりか?」
焦熱と炎熱は蒼劔の目を真っ直ぐ見返し、「違う」と2人同時に答えた。
「僕達はこの人間に助けられた。だから今度は僕達がこの人間を助ける」
「体を傷つけずに治すのは得意。だから心配いらない」
「妖力はどうする? 先程の戦闘で使い果たしたのではなかったか?」
「……僕達の体を犠牲にすれば、足りる」
「……誰の力も借りなくても、足りる」
「そうか」
蒼劔は2人の目を見て、彼らが本気だと判断し、手首から手を離した。
焦熱と炎熱はすぐに傷口の青い光の粒子へ炎を当て、焼却していく。
直に炎が当たっているはずなのに、陽斗には何の痛みも感じなかった。それどころかほのかに温かく、心地良かった。
あまりの心地良さに癒されていた陽斗だったが、
「……じゃなくて!」
と、途中で起き上がった。
双子も陽斗の体に炎が当たらないよう、咄嗟に手を引っ込める。
「急に起きないでよ。びっくりするじゃん」
「急に起きられると困るんだけど。びっくりするじゃん」
「あ、ごめん……じゃなくてさ!」
陽斗は焦熱と炎熱の手を取り、何かを念じるように「むむむ……」と唸った。暫くその状態で固まっていたが、何も起こらなかった。
「んー? どうすればいいんだろう?」
陽斗は不思議そうに首を傾げる。双子も陽斗と同じように首を傾げた。
「何がしたいの? 人間」
「何をしたいの? 人間」
「君達に霊力を送ろうとしたんだよ。でも、どうすればいいのか分かんないんだ。あと、僕の名前は陽斗だよ。贄原陽斗」
双子に霊力を送るつもりだったと聞き、蒼劔の顔色が変わった。陽斗の手を握り、焦熱と炎熱の手から離させる。
蒼劔は珍しく、陽斗に怒っていた。
「お前、自分が何をやろうとしているのか分かって言っているのか?!」
「分かってるよ! だってこのままじゃ、焦熱君も炎熱君も死んじゃうんだよ? 蒼劔君前に言ってたよね? 鬼や妖怪は妖力がなくなったら、消えちゃうって。僕、この子達にこのまま死んで欲しくない! この世界にいる人間が、この子達を迫害した人達みたいな人間ばかりじゃないって知って欲しい!」
「迫害……?」
するとそれを聞いた朱羅が眉をひそめた。スマホを耳に当て、通話状態のままだった五代へ問いかける。
「どういうことですか? 貴方、焦熱と炎熱の出自をご存知だったのですか?!」
『あーあ、バレちまったぜ。そうだよ! ご存知でしたよ! 陽斗氏にはさっき教えたけど、焦熱と炎熱は双子というだけで忌み嫌われ、儀式に使われた元人間だった。自分達にそんな仕打ちをした人間への恨みから、鬼になったっつーわけだね』
「な……何故もっと早く言わなかったのですか!」
朱羅は焦熱と炎熱の手を取ると、彼らの手の平を自分へ向けさせた。
「さぁ! 私の妖力を限界まで奪いなさい! 黒縄様を叱責しなくてはなりませんので、命までは取らないで下さいね!」
急に態度が豹変した朱羅に、焦熱と炎熱は警戒しながら「いいの?」「本気?」と確認した。
朱羅は「もちろん!」と大きく頷いた。
「貴方達には、一刻も早く陽斗殿を治して頂かなくてはなりませんからね! これまでの所業は許しませんが、今は緊急事態です。快く協力しましょう」
「……分かった」
「……分かった」
焦熱と炎熱は頷き、朱羅の体から妖力を奪い取った。赤い煙のようなものが朱羅から流れ、双子の手の中へ吸収されていく。
やがて朱羅から取れる分の妖力を吸い尽くすと、朱羅は力なく床へ倒れた。明らかに顔色が悪くなっていた。
「朱羅!」
「朱羅さん、大丈夫?!」
「……平気です。暫く休めば治りますから」
双子も心配そうに朱羅を見ていたが、朱羅に目で急かされ、陽斗の治療に戻った。
ふと、陽斗は自分のリュックに入れていた林檎飴のことを思い出した。急いでリュックの中から取り出し、ビニールを外すと、「これ、食べて!」と双子に差し出した。
「鬼って食べ物を食べても妖力が回復するんでしょ? せっかく君達が買ったんだから、食べた方がいいよ!」
双子は互いに顔を見合わせて悩んだ末、陽斗の治療を続けながら、林檎飴へかじりついた。
途端に、双子の目がキラキラと輝いた。林檎の酸味と飴の甘味が口の中で合わさり、絶妙に美味かった。
「美味しい!」
「初めて食べた味!」
「ホント?! 良かったぁ」
林檎飴のお陰かどうかは定かではないが、焦熱と炎熱の治療は滞りなく進み、陽斗の霊力を奪わずして完了した。
青い光の粒子が消えると同時に傷も消え、元の通りに戻った。林檎飴は棒だけになっていた。
「人間じゃなくなるって……どういうこと?」
「そのままの意味だ。人間は保有している霊力が妖力に変わると、異形に変わる。お前が自我のない妖怪になるか、俺達と同じ鬼になるかは予測出来んが、“人間”という枠組みから外れるのは確かだ」
「僕が、異形に?」
陽斗の脳裏に今まで見てきた妖怪達の姿が思い浮かぶ。中には人型の妖怪もいたが、あくまでも“人型”であって、人ではなかった。
一通りの妖怪達を思い浮かべた最後に、陽斗自身の姿が現れた。その陽斗には顔がなかった。
すると顔のない陽斗の前に、成田と飯沼が現れた。2人は顔のない陽斗を見るなり悲鳴を上げ、「化け物だ!」と言って逃げていった。
それが想像だけの出来事ではないことは、陽斗には分かっていた。このまま自分が化け物になれば必ず起こる、現実の出来事だと知っていた。
だからこそ、悲しかった。気づけば陽斗の目から涙があふれていた。
「妖怪は嫌だなぁ。蒼劔君と同じ、鬼がいいよ。鬼ならツノを隠せば、人間に見えるでしょ? それなら成田くんや飯沼さんにも会えるよね」
悲しみを誤魔化そうと、無理矢理笑顔を作る。その痛々しい姿に、そばで見ていた朱羅の目には涙が浮かんだ。
「蒼劔殿、どうにか出来ないのでしょうか? 術者に頼んで治していただくとか、魔具で治療するとか……」
「不可能だ」
蒼劔も涙こそ見せなかったが、声が震えていた。自分に言い聞かせるように、朱羅の質問に答える。
「今は稲葉から買った魔具の影響で進行が遅れているが、魔具自体の効力が切れれば一気に妖力が体に回る。もって、1時間だろう。その前に術者なり魔具なりを用意するなど、不可能だ」
それでも朱羅は諦めきれなかった。スマホを取り出し、五代に電話をかけた。
「……五代殿に連絡してみます。彼なら何か知っているかもしれません」
五代は珍しく、ワンコールで電話に出た。
『朱羅氏、今の状況は?! おいら、怖くてチミ達の記憶読み取れなかったんだけど、まさか予言がホントになってたりしないよね?!』
「……そのまさかです。陽斗殿が誤って、蒼劔殿に切られました。今は魔具で進行が遅れていますが、時間の問題です。何か治療する方法をご存知ですか?」
『ちょい待ち! 今、検索かけるから!』
五代は一旦電話から離れ、パソコンのキーボードを叩いていたが、すぐに手を止めた。何かを思いついたのか『言うべきか、言わざるべきか……』と小声で悩んでいる。
その声を聞いていた朱羅は焦る気持ちを抑えきれず、電話の向こうにいる五代に言った。
「どんな方法でも構いません! 今の陽斗殿を救えるなら、早く教えて下さい!」
五代は再度電話を手に取り『……分かった』と、電話の向こうで頷いた。
『陽斗氏を救う方法はこの1つだけしかない。この方法が受け入れられないなら、諦めた方がいい』
解答をはぐらかそうとする五代に、電話の内容を朱羅の隣で聞いていた蒼劔は苛立ちを露わにした。朱羅の手からスマホを奪い取り、五代を脅す。
「勿体ぶらずに早く言え! 今は貴様のおふざけに付き合っている暇はない!」
『ふざけてねーしッ! 俺は蒼劔氏に配慮してやってるだけなんスけど!』
「何故俺に配慮する必要がある?!」
『だって……』
五代の口から出た「唯一陽斗を救える方法」は、彼らにとって驚きの方法だった。
『焦熱と炎熱に朱羅氏の妖力と陽斗氏の霊力を与えて、炎で蒼劔氏の妖力を消してもらうなんて……絶対、蒼劔氏も朱羅氏も拒否るでしょ?』
・
一同黙り込む中、動いたのは焦熱と炎熱だった。焦熱が左足を失った炎熱に肩を貸して陽斗の元へ歩み寄り、その場に腰を下ろすと、2人で陽斗の傷に向かって手を伸ばした。
蒼劔はスマホを朱羅へ返して、2人の手首をつかみ、彼らを睨んだ。
「……今さら何のつもりだ。元はといえば、貴様ら地獄八鬼が陽斗の命を狙ったせいだろう。それとも、俺の目の前で陽斗を殺すつもりか?」
焦熱と炎熱は蒼劔の目を真っ直ぐ見返し、「違う」と2人同時に答えた。
「僕達はこの人間に助けられた。だから今度は僕達がこの人間を助ける」
「体を傷つけずに治すのは得意。だから心配いらない」
「妖力はどうする? 先程の戦闘で使い果たしたのではなかったか?」
「……僕達の体を犠牲にすれば、足りる」
「……誰の力も借りなくても、足りる」
「そうか」
蒼劔は2人の目を見て、彼らが本気だと判断し、手首から手を離した。
焦熱と炎熱はすぐに傷口の青い光の粒子へ炎を当て、焼却していく。
直に炎が当たっているはずなのに、陽斗には何の痛みも感じなかった。それどころかほのかに温かく、心地良かった。
あまりの心地良さに癒されていた陽斗だったが、
「……じゃなくて!」
と、途中で起き上がった。
双子も陽斗の体に炎が当たらないよう、咄嗟に手を引っ込める。
「急に起きないでよ。びっくりするじゃん」
「急に起きられると困るんだけど。びっくりするじゃん」
「あ、ごめん……じゃなくてさ!」
陽斗は焦熱と炎熱の手を取り、何かを念じるように「むむむ……」と唸った。暫くその状態で固まっていたが、何も起こらなかった。
「んー? どうすればいいんだろう?」
陽斗は不思議そうに首を傾げる。双子も陽斗と同じように首を傾げた。
「何がしたいの? 人間」
「何をしたいの? 人間」
「君達に霊力を送ろうとしたんだよ。でも、どうすればいいのか分かんないんだ。あと、僕の名前は陽斗だよ。贄原陽斗」
双子に霊力を送るつもりだったと聞き、蒼劔の顔色が変わった。陽斗の手を握り、焦熱と炎熱の手から離させる。
蒼劔は珍しく、陽斗に怒っていた。
「お前、自分が何をやろうとしているのか分かって言っているのか?!」
「分かってるよ! だってこのままじゃ、焦熱君も炎熱君も死んじゃうんだよ? 蒼劔君前に言ってたよね? 鬼や妖怪は妖力がなくなったら、消えちゃうって。僕、この子達にこのまま死んで欲しくない! この世界にいる人間が、この子達を迫害した人達みたいな人間ばかりじゃないって知って欲しい!」
「迫害……?」
するとそれを聞いた朱羅が眉をひそめた。スマホを耳に当て、通話状態のままだった五代へ問いかける。
「どういうことですか? 貴方、焦熱と炎熱の出自をご存知だったのですか?!」
『あーあ、バレちまったぜ。そうだよ! ご存知でしたよ! 陽斗氏にはさっき教えたけど、焦熱と炎熱は双子というだけで忌み嫌われ、儀式に使われた元人間だった。自分達にそんな仕打ちをした人間への恨みから、鬼になったっつーわけだね』
「な……何故もっと早く言わなかったのですか!」
朱羅は焦熱と炎熱の手を取ると、彼らの手の平を自分へ向けさせた。
「さぁ! 私の妖力を限界まで奪いなさい! 黒縄様を叱責しなくてはなりませんので、命までは取らないで下さいね!」
急に態度が豹変した朱羅に、焦熱と炎熱は警戒しながら「いいの?」「本気?」と確認した。
朱羅は「もちろん!」と大きく頷いた。
「貴方達には、一刻も早く陽斗殿を治して頂かなくてはなりませんからね! これまでの所業は許しませんが、今は緊急事態です。快く協力しましょう」
「……分かった」
「……分かった」
焦熱と炎熱は頷き、朱羅の体から妖力を奪い取った。赤い煙のようなものが朱羅から流れ、双子の手の中へ吸収されていく。
やがて朱羅から取れる分の妖力を吸い尽くすと、朱羅は力なく床へ倒れた。明らかに顔色が悪くなっていた。
「朱羅!」
「朱羅さん、大丈夫?!」
「……平気です。暫く休めば治りますから」
双子も心配そうに朱羅を見ていたが、朱羅に目で急かされ、陽斗の治療に戻った。
ふと、陽斗は自分のリュックに入れていた林檎飴のことを思い出した。急いでリュックの中から取り出し、ビニールを外すと、「これ、食べて!」と双子に差し出した。
「鬼って食べ物を食べても妖力が回復するんでしょ? せっかく君達が買ったんだから、食べた方がいいよ!」
双子は互いに顔を見合わせて悩んだ末、陽斗の治療を続けながら、林檎飴へかじりついた。
途端に、双子の目がキラキラと輝いた。林檎の酸味と飴の甘味が口の中で合わさり、絶妙に美味かった。
「美味しい!」
「初めて食べた味!」
「ホント?! 良かったぁ」
林檎飴のお陰かどうかは定かではないが、焦熱と炎熱の治療は滞りなく進み、陽斗の霊力を奪わずして完了した。
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作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
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