17 / 327
第1話「映える心霊スポット」
拾:鬼と過ごす学校生活
しおりを挟む
土日を挟んだ、月曜日。
陽斗はいつものように学校へ行き、教室のドアを開いた。
「陽斗! これ、見ろよ!」
すると、珍しく先に登校していた成田がスマホ片手に駆け寄ってきた。
「どうしたの? 成田君」
「どうしたもこうしたもねぇよ! この前言ってた廃工場、いつの間にか倒壊してたんだよ!」
成田が見せたスマホの画面には、ガレキの山と化した廃工場の写真が映っていた。
SNSに投稿されたものらしく、写真の下のコメント欄には「ショック!」「行きたかったのに!」と悲しみの声が上がっていた。
「テレビのニュースでも取り上げられてるし、マジっぽい! おかげで、うちの部長がカンカンでさぁ……代わりに行く心霊スポットの候補を十箇所、終業式までにリストアップしてこいなんて言うんだぜ?! 無茶言うよなぁ」
成田は部長への不満をこぼし、深くため息をつく。
一方、廃工場の写真を見ていた陽斗は不思議そうに首を傾げた。
「うーん、おかしいなぁ。僕が行った時は壊れてなかったのに」
「え、陽斗行ってきたの?! いつの間に?!」
「いや、行ってきたというか、連れて来られたというか……蒼劔君、このこと知ってた?」
陽斗は隣で一緒に成田のスマホを見ている蒼劔に尋ねた。
蒼劔はいつになく険しい眼差しで写真を凝視しつつ、「知らなかった」と否定した。
「おおかた、黒縄が癇癪を起こしたのだろう。無理もない……俺に獲物を横取りされた上に、車まで奪われたのだからな」
「そっかぁ。なんか悪いことしちゃったなぁ」
「悪いのは黒縄だ。気にやむ必要はない……って、おい」
ふと、蒼劔は今いる場所が学校だと思い出し、陽斗を睨んだ。
「学校にいる間は俺に話しかけるなと、何度も言ったはずだが?」
「あれ、そうだったっけ?」
陽斗は危機感の欠片もない顔で、蒼劔を見る。
未だ現状を理解しきれていない様子の陽斗に、蒼劔は「見ろ」と成田を指差して見せた。成田は蒼劔と話す陽斗を見て、心配そうにしていた。
「陽斗、大丈夫か? ソーメン君って誰だ? 腹が減り過ぎて、ソーメンの妖精でも見えてるのか?」
「ソーメン君じゃないよ、蒼劔君だよ! ほら、ここにいるでしょ?」
陽斗は蒼劔の手を引き、成田の目の前に立たせてみせた。
それでも成田は蒼劔に気づかなかった。自分と陽斗の間を蒼劔で遮られているにも関わらず、その場に立ったまま「いや、いねぇって」と答えた。もし見えているのなら、陽斗の顔が見えるよう、蒼劔の背後から身を乗り出して答えるはずだった。
「言っただろう? 俺の姿は普通の人間の目には見えない、と。お前が俺と話しているつもりでも、周りの人間にはお前が誰もいない空間に向かって話しているようにしか見えないんだ。この成田という男は心配ないが、人間の中にはお前のように"見える"人間を迫害する輩もいると聞く。他の者には極力気取られぬよう、注意しておけ」
「はーい」
陽斗は忠告されたそばから、律儀に返事をした。
「……だから、言うなと言っているだろうが」
「陽斗、どうした? またソーメンの妖精が出て来たのか?」
再び理解しようとしない陽斗に、蒼劔はあからさまに顔をしかめる。
成田も、急に返事をした友人をより一層心配した。もっとも、成田の姿はは蒼劔の後ろに隠れて見えなくなっていた。
「腹減ってるなら、コンビニで買ったカレーパンでも食べるか? カレー、好きだろ?」
「え、いいの?! やったー!」
陽斗は蒼劔の後ろからひょっこり顔を覗かせ、成田のカレーパンを受け取った。腹が減っていたのは本当だったので、すぐに袋を開け、中に入っていたカレーパンにかぶりついた。
「ホームルームが始まる前に食べきるんだぞ? 食べながらじゃ、さすがに怒られるからな」
「わふぁってるー。ありふぁとね、成ふぁ君」
陽斗はカレーパンを咥えたまま自分の席へ座り、ゆっくりとカレーパンを堪能した。揚げパンの油っこい生地と、スパイシーなカレーの旨味が、口の中で絶妙にマッチしていた。
その時、陽斗の背後にある掃除道具入れがガタガタと動いた。
「ん……? 何かいるのか?」
蒼劔はいち早く異変に気づき、掃除道具入れへ近づく。
「贄原君、成田君、おはよう」
そこへ飯沼も教室に入ってきた。珍しく陽斗よりも遅い登校だった。
「飯沼ちゃん、おっはよー!」
「おふぁよー」
成田と陽斗も軽く手を挙げ、挨拶を返す。陽斗はカレーパンを頬張っていたため、口がモゴモゴしていた。
「カレーパン食べてるの? いいわねぇ」
「成田君からもらったんだー。飯沼さんも半分食べる?」
「いや、私は」
いいかな、と続けようとしたところで、飯沼は掃除道具入れを見てギョッとした。
凍りついたように固まり、掃除道具入れを凝視する。ひどくショックを受けている様子だった。
「うそ……」
「飯沼ちゃん、どうかした?」
成田は飯沼の異変を察し、心配そうに声をかける。陽斗はカレーパンを食べるのに夢中で、気づいていなかった。
すると飯沼はハッと陽斗を振り返り、怒りの眼差しを向けた。
「ッ!」
「? あ、やっぱ半分いる?」
陽斗は飯沼の目つきが変わったことに気づかず、呑気にカレーパンを半分割り、差し出す。
飯沼はしばらく陽斗とカレーパンとを見比べていたが、
「……いらないわ。贄原君が全部食べて」
と、ほっと息を吐いた。その頃にはいつもの飯沼に戻っていた。
「そう? じゃ、食べちゃうね」
陽斗は飯沼に差し出していたカレーパンの半分を一気に頬張ると、あっという間に飲み込んだ。
「陽斗、飯沼ちゃんを怒らせるようなことでもしたのか?」
先程の飯沼の眼差しを見ていた成田は、こっそり陽斗に尋ねる。
すると「ううん、違うの」と代わりに飯沼本人が答えた。
「さっき、掃除道具入れがひとりでに動いた気がして……でも気のせいだったみたい」
「へ? 掃除道具入れ?」
「いやいや、掃除道具入れが勝手に動くなんて、あり得ないって」
陽斗と成田は半信半疑で掃除道具入れに視線を向けた。
そこには掃除道具入れの前で、己と同じくらいの背丈の筋肉隆々な犬と格闘する蒼劔がいた。犬は二本足で立っており、かつ四つ目で、明らかに異形の犬だった。
「何なんだ、この犬! えぇい、さっさと手を離せ!」
「ワン! ワワワン!」
蒼劔は左手から刀を抜こうとするが、犬に両手を掴まれているせいで抜けない。腹や脚部を蹴りつけ、怯ませようともしたが、異常に鍛え抜かれた犬の体には全く歯が立たなかった。
時折、犬の体が掃除道具入れにぶつかり、揺れる。それが常人である飯沼と成田にはひとりでに掃除道具入れが揺れているように見えているらしく、「また動いた!」と驚いていた。
「あの掃除道具入れ、どうなってるの?! 誰も中に入ってないのに!」
「こりゃ、本物のポルターガイストだ! 早く録画しねぇと!」
オカルト好きの成田は慌ててスマホのカメラを掃除道具入れに向ける。
他のクラスメイト達も「なんだなんだ」と騒ぎに気づき、掃除道具入れの周りに集まってきた。
「わー! 撮らないでー!」
陽斗は他の者には蒼劔の姿が見えないことをすっかり忘れ、慌てて成田のスマホのカメラを手で遮る。
「陽斗、邪魔するなよ! この映像を部長に送ったら、宿題チャラにしてくれるかもしれないだろ?!」
「ダメ! 確かに、蒼劔君とマッチョな犬が格闘してるところは、見ててちょっと面白いけど、宿題は自力でやって!」
「面白がってないで、助けろ!」
・
その後、ホームルームが始まると同時に犬は教室の外へ逃げ出し、蒼劔も犬を追って出て行った。
帰って来たのは、帰りのホームルームが終わった頃で、犬が掃除道具入れに逃げ込んだところを貫き、消滅させた。
「……結局、一日振り回された」
「蒼劔君、おかえりー。そろそろ帰るよ」
成田と飯沼はそれぞれ用事があったため、陽斗は蒼劔と二人で帰った。
「せっかくだし、蒼劔君の歓迎会しよっか! 何か食べたいものある? あんまり高くないやつで」
「では……小豆のアイス」
「小豆、好きなの?」
「あぁ。小豆以外の食べ物には興味がない」
常人には、陽斗が一人で喋りながら帰る寂しい少年に見えるに違いない。
しかし実際の彼の隣には、頼もしい正義の鬼がいた。
(第1話「映える心霊スポット」終わり)
陽斗はいつものように学校へ行き、教室のドアを開いた。
「陽斗! これ、見ろよ!」
すると、珍しく先に登校していた成田がスマホ片手に駆け寄ってきた。
「どうしたの? 成田君」
「どうしたもこうしたもねぇよ! この前言ってた廃工場、いつの間にか倒壊してたんだよ!」
成田が見せたスマホの画面には、ガレキの山と化した廃工場の写真が映っていた。
SNSに投稿されたものらしく、写真の下のコメント欄には「ショック!」「行きたかったのに!」と悲しみの声が上がっていた。
「テレビのニュースでも取り上げられてるし、マジっぽい! おかげで、うちの部長がカンカンでさぁ……代わりに行く心霊スポットの候補を十箇所、終業式までにリストアップしてこいなんて言うんだぜ?! 無茶言うよなぁ」
成田は部長への不満をこぼし、深くため息をつく。
一方、廃工場の写真を見ていた陽斗は不思議そうに首を傾げた。
「うーん、おかしいなぁ。僕が行った時は壊れてなかったのに」
「え、陽斗行ってきたの?! いつの間に?!」
「いや、行ってきたというか、連れて来られたというか……蒼劔君、このこと知ってた?」
陽斗は隣で一緒に成田のスマホを見ている蒼劔に尋ねた。
蒼劔はいつになく険しい眼差しで写真を凝視しつつ、「知らなかった」と否定した。
「おおかた、黒縄が癇癪を起こしたのだろう。無理もない……俺に獲物を横取りされた上に、車まで奪われたのだからな」
「そっかぁ。なんか悪いことしちゃったなぁ」
「悪いのは黒縄だ。気にやむ必要はない……って、おい」
ふと、蒼劔は今いる場所が学校だと思い出し、陽斗を睨んだ。
「学校にいる間は俺に話しかけるなと、何度も言ったはずだが?」
「あれ、そうだったっけ?」
陽斗は危機感の欠片もない顔で、蒼劔を見る。
未だ現状を理解しきれていない様子の陽斗に、蒼劔は「見ろ」と成田を指差して見せた。成田は蒼劔と話す陽斗を見て、心配そうにしていた。
「陽斗、大丈夫か? ソーメン君って誰だ? 腹が減り過ぎて、ソーメンの妖精でも見えてるのか?」
「ソーメン君じゃないよ、蒼劔君だよ! ほら、ここにいるでしょ?」
陽斗は蒼劔の手を引き、成田の目の前に立たせてみせた。
それでも成田は蒼劔に気づかなかった。自分と陽斗の間を蒼劔で遮られているにも関わらず、その場に立ったまま「いや、いねぇって」と答えた。もし見えているのなら、陽斗の顔が見えるよう、蒼劔の背後から身を乗り出して答えるはずだった。
「言っただろう? 俺の姿は普通の人間の目には見えない、と。お前が俺と話しているつもりでも、周りの人間にはお前が誰もいない空間に向かって話しているようにしか見えないんだ。この成田という男は心配ないが、人間の中にはお前のように"見える"人間を迫害する輩もいると聞く。他の者には極力気取られぬよう、注意しておけ」
「はーい」
陽斗は忠告されたそばから、律儀に返事をした。
「……だから、言うなと言っているだろうが」
「陽斗、どうした? またソーメンの妖精が出て来たのか?」
再び理解しようとしない陽斗に、蒼劔はあからさまに顔をしかめる。
成田も、急に返事をした友人をより一層心配した。もっとも、成田の姿はは蒼劔の後ろに隠れて見えなくなっていた。
「腹減ってるなら、コンビニで買ったカレーパンでも食べるか? カレー、好きだろ?」
「え、いいの?! やったー!」
陽斗は蒼劔の後ろからひょっこり顔を覗かせ、成田のカレーパンを受け取った。腹が減っていたのは本当だったので、すぐに袋を開け、中に入っていたカレーパンにかぶりついた。
「ホームルームが始まる前に食べきるんだぞ? 食べながらじゃ、さすがに怒られるからな」
「わふぁってるー。ありふぁとね、成ふぁ君」
陽斗はカレーパンを咥えたまま自分の席へ座り、ゆっくりとカレーパンを堪能した。揚げパンの油っこい生地と、スパイシーなカレーの旨味が、口の中で絶妙にマッチしていた。
その時、陽斗の背後にある掃除道具入れがガタガタと動いた。
「ん……? 何かいるのか?」
蒼劔はいち早く異変に気づき、掃除道具入れへ近づく。
「贄原君、成田君、おはよう」
そこへ飯沼も教室に入ってきた。珍しく陽斗よりも遅い登校だった。
「飯沼ちゃん、おっはよー!」
「おふぁよー」
成田と陽斗も軽く手を挙げ、挨拶を返す。陽斗はカレーパンを頬張っていたため、口がモゴモゴしていた。
「カレーパン食べてるの? いいわねぇ」
「成田君からもらったんだー。飯沼さんも半分食べる?」
「いや、私は」
いいかな、と続けようとしたところで、飯沼は掃除道具入れを見てギョッとした。
凍りついたように固まり、掃除道具入れを凝視する。ひどくショックを受けている様子だった。
「うそ……」
「飯沼ちゃん、どうかした?」
成田は飯沼の異変を察し、心配そうに声をかける。陽斗はカレーパンを食べるのに夢中で、気づいていなかった。
すると飯沼はハッと陽斗を振り返り、怒りの眼差しを向けた。
「ッ!」
「? あ、やっぱ半分いる?」
陽斗は飯沼の目つきが変わったことに気づかず、呑気にカレーパンを半分割り、差し出す。
飯沼はしばらく陽斗とカレーパンとを見比べていたが、
「……いらないわ。贄原君が全部食べて」
と、ほっと息を吐いた。その頃にはいつもの飯沼に戻っていた。
「そう? じゃ、食べちゃうね」
陽斗は飯沼に差し出していたカレーパンの半分を一気に頬張ると、あっという間に飲み込んだ。
「陽斗、飯沼ちゃんを怒らせるようなことでもしたのか?」
先程の飯沼の眼差しを見ていた成田は、こっそり陽斗に尋ねる。
すると「ううん、違うの」と代わりに飯沼本人が答えた。
「さっき、掃除道具入れがひとりでに動いた気がして……でも気のせいだったみたい」
「へ? 掃除道具入れ?」
「いやいや、掃除道具入れが勝手に動くなんて、あり得ないって」
陽斗と成田は半信半疑で掃除道具入れに視線を向けた。
そこには掃除道具入れの前で、己と同じくらいの背丈の筋肉隆々な犬と格闘する蒼劔がいた。犬は二本足で立っており、かつ四つ目で、明らかに異形の犬だった。
「何なんだ、この犬! えぇい、さっさと手を離せ!」
「ワン! ワワワン!」
蒼劔は左手から刀を抜こうとするが、犬に両手を掴まれているせいで抜けない。腹や脚部を蹴りつけ、怯ませようともしたが、異常に鍛え抜かれた犬の体には全く歯が立たなかった。
時折、犬の体が掃除道具入れにぶつかり、揺れる。それが常人である飯沼と成田にはひとりでに掃除道具入れが揺れているように見えているらしく、「また動いた!」と驚いていた。
「あの掃除道具入れ、どうなってるの?! 誰も中に入ってないのに!」
「こりゃ、本物のポルターガイストだ! 早く録画しねぇと!」
オカルト好きの成田は慌ててスマホのカメラを掃除道具入れに向ける。
他のクラスメイト達も「なんだなんだ」と騒ぎに気づき、掃除道具入れの周りに集まってきた。
「わー! 撮らないでー!」
陽斗は他の者には蒼劔の姿が見えないことをすっかり忘れ、慌てて成田のスマホのカメラを手で遮る。
「陽斗、邪魔するなよ! この映像を部長に送ったら、宿題チャラにしてくれるかもしれないだろ?!」
「ダメ! 確かに、蒼劔君とマッチョな犬が格闘してるところは、見ててちょっと面白いけど、宿題は自力でやって!」
「面白がってないで、助けろ!」
・
その後、ホームルームが始まると同時に犬は教室の外へ逃げ出し、蒼劔も犬を追って出て行った。
帰って来たのは、帰りのホームルームが終わった頃で、犬が掃除道具入れに逃げ込んだところを貫き、消滅させた。
「……結局、一日振り回された」
「蒼劔君、おかえりー。そろそろ帰るよ」
成田と飯沼はそれぞれ用事があったため、陽斗は蒼劔と二人で帰った。
「せっかくだし、蒼劔君の歓迎会しよっか! 何か食べたいものある? あんまり高くないやつで」
「では……小豆のアイス」
「小豆、好きなの?」
「あぁ。小豆以外の食べ物には興味がない」
常人には、陽斗が一人で喋りながら帰る寂しい少年に見えるに違いない。
しかし実際の彼の隣には、頼もしい正義の鬼がいた。
(第1話「映える心霊スポット」終わり)
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜
瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。
大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。
そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる