10 / 12
第三章
叫んじゃう私
しおりを挟む
「ちょっとみんな止めてあげな?ギャハハ!」
桃香が大袈裟に笑う。
「なんでこんなことするの!」
沙夜は、声を振り絞って叫んだ。
「私の友達取るのやめてくれる?」
桃香が怒りを露わにする。
「別にそんなつもりじゃ...。」
沙夜が怯むと、桃香が追い討ちをかける。
「久美だって、ホントはウチと仲良かったんだから。」
久美が遠くから様子を伺っている。
クラス中の視線が自分に集まった為、居た堪れなくなった沙夜は教室を飛び出す。
「沙夜!」
久美が沙夜を引き止めようと、声を張り上げる。
シーンとなったクラスに桃香の笑い声だけが響いていた。
家に着いた沙夜は、ベッドに入り毛布を被る。
「こわい、こわい、こわい、こわい。」
沙夜は、呪文のように繰り返す。
そして、先程の疲れもあり、そのまま泥のように眠った。
暫くすると、ママのこちらを呼ぶ声が聞こえた。
「沙夜!久美ちゃん来たわよ!」
眠い目を擦りながら、沙夜が階段を降りると、そこには心配そうな表情をした、久美が立っていた。
「沙夜大丈夫?」
久美にこれ以上迷惑をかけたくない沙夜は、無理矢理笑顔を作った。
「大丈夫大丈夫。ありがとね。」
「ちょっと、部屋上がっても良い?」
本当は帰って欲しかったが、久美なら大丈夫かと思った沙夜は、一緒に二階へと上がった。
久美は沙夜を気遣いながら、沙夜の愚痴や悩みを聞いた。
(これ以上久美に迷惑かけられない...。)
(あれに頼るしかないか。)
沙夜は、久美が帰ったことを確認してから、机の引き出しから、薬の紙袋を出した。
「もう全部飲んじゃおう。」
沙夜は、致死量の薬を手のひらに出し、じっと見つめた。
桃香が大袈裟に笑う。
「なんでこんなことするの!」
沙夜は、声を振り絞って叫んだ。
「私の友達取るのやめてくれる?」
桃香が怒りを露わにする。
「別にそんなつもりじゃ...。」
沙夜が怯むと、桃香が追い討ちをかける。
「久美だって、ホントはウチと仲良かったんだから。」
久美が遠くから様子を伺っている。
クラス中の視線が自分に集まった為、居た堪れなくなった沙夜は教室を飛び出す。
「沙夜!」
久美が沙夜を引き止めようと、声を張り上げる。
シーンとなったクラスに桃香の笑い声だけが響いていた。
家に着いた沙夜は、ベッドに入り毛布を被る。
「こわい、こわい、こわい、こわい。」
沙夜は、呪文のように繰り返す。
そして、先程の疲れもあり、そのまま泥のように眠った。
暫くすると、ママのこちらを呼ぶ声が聞こえた。
「沙夜!久美ちゃん来たわよ!」
眠い目を擦りながら、沙夜が階段を降りると、そこには心配そうな表情をした、久美が立っていた。
「沙夜大丈夫?」
久美にこれ以上迷惑をかけたくない沙夜は、無理矢理笑顔を作った。
「大丈夫大丈夫。ありがとね。」
「ちょっと、部屋上がっても良い?」
本当は帰って欲しかったが、久美なら大丈夫かと思った沙夜は、一緒に二階へと上がった。
久美は沙夜を気遣いながら、沙夜の愚痴や悩みを聞いた。
(これ以上久美に迷惑かけられない...。)
(あれに頼るしかないか。)
沙夜は、久美が帰ったことを確認してから、机の引き出しから、薬の紙袋を出した。
「もう全部飲んじゃおう。」
沙夜は、致死量の薬を手のひらに出し、じっと見つめた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ママが呼んでいる
杏樹まじゅ
ホラー
鐘が鳴る。夜が来る。──ママが彼らを呼んでいる。
京都の大学に通う九条マコト(くじょうまこと)と恋人の新田ヒナ(あらたひな)は或る日、所属するオカルトサークルの仲間と、島根にあるという小さな寒村、真理弥村(まりやむら)に向かう。隠れキリシタンの末裔が暮らすというその村には百年前まで、教会に人身御供を捧げていたという伝承があるのだった。その時、教会の鐘が大きな音を立てて鳴り響く。そして二人は目撃する。彼らを待ち受ける、村の「夜」の姿を──。

怪奇短編集
木村 忠司
ホラー
一話完結の怪談奇譚です。と思っていたんですが、長編になってしまった物語は、5分くらいで読めるくらいに分割してます。
いろんな意味でゾワりとしてもらえたらありがたいです。

怪奇探偵・御影夜一と憑かれた助手
水縞しま
ホラー
少女の幽霊が視えるようになった朝霧灼(あさぎりあらた)は、神戸・南京町にある「御影探偵事務所」を訪れる。
所長である御影夜一(みかげよるいち)は、なんと幽霊と対話できるというのだ。
胡散臭いと思っていたが、夜一から「助手にならへん?」と持ち掛けられ……。
いわくありげな骨董品が並ぶ事務所には、今日も相談者が訪れる。
対話できるが視えない探偵(美形)と、憑かれやすくて視える助手(粗暴)による家系ホラー。
怪奇×ブロマンスです。
短な恐怖(怖い話 短編集)
邪神 白猫
ホラー
怪談・怖い話・不思議な話のオムニバス。
ゾクッと怖い話から、ちょっぴり切ない話まで。
なかには意味怖的なお話も。
※追加次第更新中※
YouTubeにて、怪談・怖い話の朗読公開中📕
https://youtube.com/@yuachanRio
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる