病んじゃう私と幻覚JK

しとです。

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第三章

詰んじゃう私

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今日も教室では、いつもの日課が行われている。いじめと言う名の儀式は、基本的には毎日行われる。
「よく毎日学校来れるよね。」
「私がその顔だったら、恥ずかしくて外歩けないよ。」
「ギャハハ!」
「おい!聞いてんのか!」
桃香を筆頭としたグループは、生贄を真ん中に置いて今日も罵倒を繰り返している。

沙夜は気分が悪くなるのと同時に、安堵する。
(私が標的じゃなくて良かった。)
沙夜は、中学生の時いじめを受けていた。
地味な見た目と抵抗出来ない性格の為、高校で抜け出そうと努力した。
そして、このクラスで上手く桃香と仲良くなれた為、いじめの標的になる人生は回避することが出来た。

放課後に桃香から、二人で遊びに行こうと誘いを受けた。
桃香は、私が親友と認識してから、まだ日が浅い。その為、桃香の誘いは極力断らないように気をつけている。
「どこいくー?」
天真爛漫な性格をしている桃香が、晴れやかな顔をして訊く。
沙夜は、以前から行きたかった場所があった。
「駅前のスイーツビュッフェどうかなー?」
「おっ、いいね!ウチも行きたいと思ってた。」
桃香が、幼い子供のような顔をして応えた。

その後桃香と過ごした沙夜は、ずっと昔から一緒だったかのような居心地の良さを覚えた。そして色々な話をした。
テストの話、恋愛の話、将来の夢の話。
「明日みんなにこの店の話しようよ!」
桃香が提案する。
「そうだね!」
(桃香と同じクラスになって良かった...。)

次の日、朝早く学校に着いた沙夜は、珍しく桃香のグループに混じって談笑していた。
(早く桃香来ないかな...。)

沙夜は、後ろにふと違和感を感じて振り向いた。
そこには、舌を出しながら、右手の中指をこちらに立てている桃香がいた。
桃香に続けとばかりに、先程まで談笑していたメンバーも次々に沙夜に右中指を立てる。

「なんで...。」
沙夜は呆然とした。
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