私が本物の聖女です。~偽聖女の妹の代わりに王太子の治療と性処理をしたら溺愛されるようになりまして~

二位関りをん

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第40話 魔力暴走※

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「マルガリータ? どうした?」

 エドワード様もただならぬ異変を感じたらしく、それを私の中から引き抜いた。一旦絡みは中断し、私はベッドの上で力なく大の字になる。

「風邪でしょうか?」
(それにしても治癒魔法が使えない……これはただの風邪では無いかもしれない)
「そうかもしれないな……とりあえず着替える前にマルガリータの身体を拭く。メイドに濡らしたタオルを持ってこさせるよ」

メイドに持ってこさせた濡れタオルで私の身体を拭くと寝間着を着させてくれた。

「ありがとうございます」
「このくらいどうって事は無い。寒気以外にも何か症状はあるか?」

 今の私は寒気だけでなく倦怠感と全身の関節の痛みも感じている。身体中が重くてあちこちの関節が軋むように痛い。

「そうか……熱が上がってきているのかもしれない。そういえば治癒魔法は使ったのか?」
「使えなかったんです。こんな事は初めてで……」
「試しに他の魔法も使ってみよう。召喚術にするか」

 部屋の床に濡らした指で魔法陣を描き、花を召喚する。呪文を詠唱し、脳内にはカラフルな大輪の花をイメージする。

「……ん?」

 しかし召喚されたのは花ではなく、やや小柄で黒い馬体をした馬だった。しかも額には金色に輝くツノが生えている。

「ユニコーンか?」
「そ、そうみたいですね……魔法陣は花を召喚するもので合っていますよね?」
「ああ、寸分違わず合っている。というかユニコーン召喚するなんて初めて見たぞ……」
「ほ、ほんとですか……」

 ユニコーンは動く事無く私をじっと見つめている。まるで私の体調が悪いのを感じ取っているように見えた。

「ごめんなさいね、私体調悪くて……」

 私を心配そうに見つめていたユニコーンには申し訳ないがエドワード様の召喚術により元いた場所へお帰り頂いた。
 その後も寒気と関節痛と倦怠感をこらえて召喚魔法を何度か実施したが、何も召喚出来なかったりユニコーンのような神獣を召喚したりと狙ったものは召喚出来なかった。治癒魔法も未だに使えない。

「はあ、疲れた……」
「マルガリータ……もしかしてだが、魔力が暴走しているかもしれない」
「え?」

 魔力暴走。確か上位以上の魔力量を持つ者が稀に起こす現象だと学んだような。だが私は勿論起こした事は無いしルネも魔力暴走に至った事は無い。なのでどういう具合か具体的には知らないのだ。

「医師を呼んでくる。診てもらおう。魔力暴走による体調不良なら早めに診てもらわねば魔力が無くなってしまう」
「えっ、ほんとですか?!」
「ああ、医師を呼んでくる!」

 魔力が無くなる……レゼッタみたいにはなりたくない。エドワード様は部屋を飛び出ていった。幸い医師はすぐに部屋に来てくれて、私はベッドの上で仰向けになり医師の診察を受ける。

「魔力暴走による風邪ですな。専用の魔法薬を飲んで2.3日は安静に過ごせば治るでしょう」
「そうですか……」
「落ち着くまで魔力は使わないでください」

 医師からの説明のあとは用意された専用の魔法薬をぐいっと一気に飲み干した。水色の魔法薬の液体は飲んでも味はしなかった。

「エドワード様、よろしいですか?」

 私が魔法薬を飲んだ直後、医師はエドワード様にそっと耳打ちする。話を聞いているエドワード様の顔はだんだんと赤くなっていった。一体何を話しているのだろうか?

「マルガリータ様にも説明しましょう。殿下は恥ずかしがっているようですが真剣にお聞きください」

 やはりエドワード様は恥ずかしがっていたのか。

「はい」
「マルガリータ様の魔力量では魔法薬を飲んでも効かない可能性があります。大体5割くらいですね」
「えっ」
(思ったより高くないか?!)

 仮に魔法薬を飲んでも5割の確率で効かない可能性があるとは。それはもはや効かないのと同じなのでは? と身構えながらも医師の話は続く。

「そこで魔法薬を飲むのに付け足して、マルガリータ様には殿下の精液を飲んで頂きます」
「……ん?」

 精液? エドワード様の精液を飲む? 確かに精液には魔力が込められてはいるが……。

「殿下、こう言った魔力暴走を抑えるには殿下の精液も必要でございます。よしなに……」
「あ、ああ……そうだな」
「では、効き目を見る為に今ここで殿下の精液を飲んで頂きたい」

 医師からの指示に思わず私とエドワード様は目を丸くさせながら医師の方を見たのだった。
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