異世界転移した処女看護師と竜人公爵様の子作り契約婚

二位関りをん

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第37話 戦争に行っちゃうの?

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 険しい顔つきのツォルグさんが持っていたのは鮮血のように真っ赤な封筒だった。アルグレートが封筒を受け取り封を開けると、中から赤い便箋が姿を現す。
 一体何が記されているのだろうか?

「……陛下から悪魔掃討令が出た。これが出た場合武装して軍に合流する必要がある」
「え、戦争?」

 いきなりそんな大事が起きるなんて。脳みそが現実を受け入れられない。

「そんな、戦争なんて……」
「オトネ。実は大分前から陛下とはやり取りしていたんだ。領内を悪魔が脅かす頻度が増えたから兵を増やして欲しいと」

 アルグレートは兵の派遣を再三皇帝陛下に要請していたらしい。しかしグスタフ公爵家領地と隣接する他の領地も悪魔の侵攻が激しくなっている為、皇帝陛下は一網打尽にすべく大規模な掃討作戦に打ってでたのだった。

「なるほど……全部まとめてやっつけた方が効率はいいもんね」
「そういう事だ。この掃討令が出た以上、俺も戦地へ行かなくてはならない。皇帝陛下の命令は絶対だからな」

 今から3日後にアルグレートは現地に合流しなければならないとあって、アルグレートの顔は明らかに重い。生気をなくしていく表情は、見ているだけで胸が苦しくなる。

「アルグレート、本当は行きたくないんだよね?」
「ああ。君と離れ離れになるのは本当に……辛い……」
「私を戦地に連れて行くのは」
「それもだめだ。君を危険な目に合わせたくない。君が大変な目に合うのは……見たくないんだ」

 アルグレートの目からは光が消え、板挟みとなり苦しんでいる様子が伝わってくる。痛々しいけどかけるべき言葉が伝わってこない。

「アルグレート……」
「アルグレート様、一度執務にお戻りになりましょう。武器商人の方が早速謁見したいとの手紙も届いておりますから」
「そうだな、ツォルグ。わかった……」

 彼の足取りは明らかに重かった。パタン。と力なく部屋の扉が閉まると、し――んとした冷たく静かな空気が流れる。

「アルグレート、戦争行っちゃうんだ」

 オークションで見せた強さを振り返れば、彼は絶対死なないで戻ってきてくれると考える一方、もしもアルグレートに何かあったら……。という気持ちにも駆られてしまう。
 それに私は何もせずここにいていいのだろうか? アルグレート達が必死にがんばっている中、自分はぬくぬくとここにいるままでいいのだろうか? という疑問が湧いて出てきた。

「私……これまで何もしてないや」

 ここに来てからアルグレートの仕事を手伝ったり彼の為に何かしたりなんてしていない。むしろ脱走したりと迷惑をかける事しかしていないのに気がつく。

「これじゃ、だめだよね。やっぱりここは私も戦場に行くべきか……」

 戦場なんて行った事無いからどれくらいひどいのか分からないうえに、考えるだけで四肢の先端が震えるのがわかる。でも、何もしないでここにいるよりかははるかにましだ。

「……でも、アルグレートは心配しちゃうだろうな」
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