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ソヴィ視点⑩
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マリーナがメイドと共に部屋から去っていった。ドアがばたんと閉められると、イリアス様は私をちらりと見る。
その視線には愛は感じられない。うっとおしい。めんどくさい。そう言った感情が籠っているようには見えた。
「イリアス様……私はイリアス様が好きです」
「……」
「私は王太子妃らしい事は何1つ出来ておりません。どうか、それらしい事を1つでもさせてください」
「……」
イリアス様は無言のままだ。私ではなく、部屋のどこかに視線を向けたまま立っている。ベッドに座ろうとする気配も近づく気配も感じられない。
このイリアス様の姿を見て私は感じた。ああ、イリアス様は私の事にはそこまで興味を持っていないのだろうと。
私がお父様お母様と血の繋がりが無いからだろうか。それとも……。
マリーナはクリス王子がいて愛されているのに、なぜ私は結婚相手のイリアス様からは愛されていないのか。比較しただけでも吐き気がする。
「イリアス様。私の事はどうでもよいのですか?」
「……」
「私、イリアス様を愛しています! なのになぜ……!」
「……すまない。本当の事を言うべきだな」
「本当の事……?」
「私は本当は妃を迎えるつもりはなかったのだよ」
その言葉に、私は身体全体に衝撃を覚えた。階段から誰かに押されて突き落とされたかのような、そんな重くて痛い衝撃を感じる。どうして。という言葉しか浮かんでこない。
私を愛するつもりなど、最初から無かったのか。
「ならばなぜ!」
「私は王太子。勿論世継ぎは必要だ。だから迎えた。それだけの事だ。それにこれは政略結婚。形だけのものだ」
イリアス様の声には愛情が全く感じられない。熱さもないし、ただただ冷たかった。
だが、世継ぎが必要なら、それこそ私を抱かなければ無理ではないのか? 私はそれくらい理解している。
「でも私を愛さなければ、世継ぎは」
「君と同じようにどこかの孤児院から見繕えばいいだろう。別に側室を持つ必要も無い。魔術で私の血を注げば血の繋がりも出来る」
「……」
私の両目からぽろぽろと涙がこぼれた。私は宝石が好き。キラキラしたものが好き。それよりもキラキラ輝いていたイリアス様。ああ、彼の愛が手に入らないなんて!
「うっ……こんなにも、好きなのに、欲しいのに……!」
「……君はそういえば孤児院出身だったか」
「……やはりそうなのですか」
「ああ、君はリリーネ子爵夫妻に相当甘やかされて育ったようだな。彼らは偽装の為に君を必要としていたはずなのだがな。それに私は元々庶民の女にはさほど興味無い」
甘やかされて育ったという部分に、私は疑問点を抱く。甘やかされて何がいけないのだろうか。
「それが何か?」
「もういい。めんどくさくなった」
イリアス様はそのまま歩き出し、部屋の扉を開いた。私は何度も彼の名前を呼んだが、彼は止まってはくれなかった。
「イリアス様……!」
部屋の中には私だけが取り残される。そして私のすすり泣きだけが部屋中にこだまして聞こえる。これでは私がみじめではないか。
「なんでよ……! なんでこの私が……!」
私を相手してくれる者は誰もいないのか。すると、数分くらい立って部屋の扉ががちゃりと開かれた。
部屋の扉を開いたのは、クリス王子とグランバス公爵、その弟子の3人だった。
「……私をあざ笑いに来たの?」
「いや、ここにマリーナの痕跡が残っていたから……」
「ふん、マリーナマリーナばっかり!」
私は自分でも驚くほどの大きな声が出た。そうだ、地下牢から脱走したマリーナは良い事ばかり起きて私はロイナ国へ嫁いでからは面白くない。イリアス様に愛されて、自分の思ったような幸せな結婚生活が送れると思っていたのに。
「……お前がそんなんだからだよ」
「なんですって?」
「お前は欲しいものは何不自由なく両親から与えられて、自分の手で奪ってきた。わがままだからこそこういう事になったんじゃないか? イリアス様もお前の性格を知ってるから愛さないんだろう」
「……何よ! 欲しいものを欲しいと思って何が悪いの?」
「我慢するとか、困っている者に分け与えるとかさ。思いつかないのか?」
「……」
3人はそのまま踵を返し、部屋から去っていった。また部屋の中は私だけとなる。試しに歩いてみると、足音が部屋中に響いた。
「……」
逃げちゃおっか。と、ふと考えがよぎった。もしも今逃げだしたら、誰も気が付かないのではないだろうか。もし気が付いたとしても追っては来ないんではないだろうか。
お父様はザパルディ国で死んだし、お母様もさっき爆発四散して死んだ。もとより孤児だった私には両親はいないようなものだ。
「逃げて、しまおうかしら」
役に立たないメイド達、いなくなった両親、私を抱いてくれないイリアス様。今なら逃げ出しても何にもおこらないんじゃないだろうか。
「うん、それなら……」
私は歩いて部屋の扉を開いた。廊下には人は1人もいない。まずは自室まで戻ってみよう。私はかつかつと廊下を無言で進み、自室まで移動した。扉を開くまでは誰とも会わなかった。
部屋を開くと、まだ血の匂いが充満している。魔法で血液は全て取り除いたのに、匂いだけはまだこうして残っている。まるで私はここにいるとでも言っているかのようだ。
「荷物をまとめてみよう」
茶色いトランクケースに下着と衣服とその他貴重品を詰めて閉じる。その間、私の指はなぜか震えていた。それと同時にこれもなぜだか分からないのだが、わくわくした感情と、イリアス様への期待の2つが胸の内から湧いて出ていた。
(家出したら、イリアス様が探してくれるんじゃないか)
口ではああいっていたけれど、家出していなくなったら探してくれるんじゃないかと言う期待感。その期待感に私は縋り付いていた。
(来ない……でも、探してくれる事に期待したい)
トランクに荷物を詰め終わり、地味な服に着替えると私はトランクを持って部屋を出た。廊下には誰にもいない。私は1人人気の無い廊下を歩く。
宮廷の玄関前まで来た時、メイドと執事がいた。しかし私には気がついていないようだ。私はついに宮廷を出てしまった。そしてそのまま近くに停車してある馬車に乗り込むと御者にここから遠くの街に連れて行くように頼んだ。
「分かりました」
御者は私に気がついているのかいないのか分からない。ただ私の指示に従い馬車を駆ける。
道をしばらく進むも今の所追手が来る気配は無い。驚きと寂しさの2つが胸の中で膨らんでいる。
ああ、マリーナも地下牢から脱走した時、このような気持ちだったのだろうか。
(あのマリーナだもの。寂しくは無かったでしょうね)
「あの、すみません」
御者が私に声を掛けてきた。私は何かしら。と返事をするとどうやら行き先についての質問らしい。
「ミヤイリーの街か、エルシドの街か……」
どちらもどのような街かは知らない。どのような建物が広がっているのか、人口等も知らない。なので御者に任せる事に決めた。
「では、エルシドの街に行きます」
「どのような場所?」
「静かな街です。賑やかではありませんが、自然豊かで落ち着いた場所です」
「じゃあ、エルシドの街でお願い」
「分かりました」
(私が誰なのか聞かないのね)
この御者がもし、イリアス様の家来とかだったら、止めるだろうか。むしろ厄介払いだと止めないだろうか。
(試しに、聞いてみようか)
「ねえ、あなた私が誰なのか分かっているの?」
「ええ。ソヴィ様でしょう? あなたの望みならどこへでも馬車を走らせます」
御者は初めて私の方を振り返ってそう答えた。御者の顔はイリアス様と同じくらい、美しく輝いて見えた。
その視線には愛は感じられない。うっとおしい。めんどくさい。そう言った感情が籠っているようには見えた。
「イリアス様……私はイリアス様が好きです」
「……」
「私は王太子妃らしい事は何1つ出来ておりません。どうか、それらしい事を1つでもさせてください」
「……」
イリアス様は無言のままだ。私ではなく、部屋のどこかに視線を向けたまま立っている。ベッドに座ろうとする気配も近づく気配も感じられない。
このイリアス様の姿を見て私は感じた。ああ、イリアス様は私の事にはそこまで興味を持っていないのだろうと。
私がお父様お母様と血の繋がりが無いからだろうか。それとも……。
マリーナはクリス王子がいて愛されているのに、なぜ私は結婚相手のイリアス様からは愛されていないのか。比較しただけでも吐き気がする。
「イリアス様。私の事はどうでもよいのですか?」
「……」
「私、イリアス様を愛しています! なのになぜ……!」
「……すまない。本当の事を言うべきだな」
「本当の事……?」
「私は本当は妃を迎えるつもりはなかったのだよ」
その言葉に、私は身体全体に衝撃を覚えた。階段から誰かに押されて突き落とされたかのような、そんな重くて痛い衝撃を感じる。どうして。という言葉しか浮かんでこない。
私を愛するつもりなど、最初から無かったのか。
「ならばなぜ!」
「私は王太子。勿論世継ぎは必要だ。だから迎えた。それだけの事だ。それにこれは政略結婚。形だけのものだ」
イリアス様の声には愛情が全く感じられない。熱さもないし、ただただ冷たかった。
だが、世継ぎが必要なら、それこそ私を抱かなければ無理ではないのか? 私はそれくらい理解している。
「でも私を愛さなければ、世継ぎは」
「君と同じようにどこかの孤児院から見繕えばいいだろう。別に側室を持つ必要も無い。魔術で私の血を注げば血の繋がりも出来る」
「……」
私の両目からぽろぽろと涙がこぼれた。私は宝石が好き。キラキラしたものが好き。それよりもキラキラ輝いていたイリアス様。ああ、彼の愛が手に入らないなんて!
「うっ……こんなにも、好きなのに、欲しいのに……!」
「……君はそういえば孤児院出身だったか」
「……やはりそうなのですか」
「ああ、君はリリーネ子爵夫妻に相当甘やかされて育ったようだな。彼らは偽装の為に君を必要としていたはずなのだがな。それに私は元々庶民の女にはさほど興味無い」
甘やかされて育ったという部分に、私は疑問点を抱く。甘やかされて何がいけないのだろうか。
「それが何か?」
「もういい。めんどくさくなった」
イリアス様はそのまま歩き出し、部屋の扉を開いた。私は何度も彼の名前を呼んだが、彼は止まってはくれなかった。
「イリアス様……!」
部屋の中には私だけが取り残される。そして私のすすり泣きだけが部屋中にこだまして聞こえる。これでは私がみじめではないか。
「なんでよ……! なんでこの私が……!」
私を相手してくれる者は誰もいないのか。すると、数分くらい立って部屋の扉ががちゃりと開かれた。
部屋の扉を開いたのは、クリス王子とグランバス公爵、その弟子の3人だった。
「……私をあざ笑いに来たの?」
「いや、ここにマリーナの痕跡が残っていたから……」
「ふん、マリーナマリーナばっかり!」
私は自分でも驚くほどの大きな声が出た。そうだ、地下牢から脱走したマリーナは良い事ばかり起きて私はロイナ国へ嫁いでからは面白くない。イリアス様に愛されて、自分の思ったような幸せな結婚生活が送れると思っていたのに。
「……お前がそんなんだからだよ」
「なんですって?」
「お前は欲しいものは何不自由なく両親から与えられて、自分の手で奪ってきた。わがままだからこそこういう事になったんじゃないか? イリアス様もお前の性格を知ってるから愛さないんだろう」
「……何よ! 欲しいものを欲しいと思って何が悪いの?」
「我慢するとか、困っている者に分け与えるとかさ。思いつかないのか?」
「……」
3人はそのまま踵を返し、部屋から去っていった。また部屋の中は私だけとなる。試しに歩いてみると、足音が部屋中に響いた。
「……」
逃げちゃおっか。と、ふと考えがよぎった。もしも今逃げだしたら、誰も気が付かないのではないだろうか。もし気が付いたとしても追っては来ないんではないだろうか。
お父様はザパルディ国で死んだし、お母様もさっき爆発四散して死んだ。もとより孤児だった私には両親はいないようなものだ。
「逃げて、しまおうかしら」
役に立たないメイド達、いなくなった両親、私を抱いてくれないイリアス様。今なら逃げ出しても何にもおこらないんじゃないだろうか。
「うん、それなら……」
私は歩いて部屋の扉を開いた。廊下には人は1人もいない。まずは自室まで戻ってみよう。私はかつかつと廊下を無言で進み、自室まで移動した。扉を開くまでは誰とも会わなかった。
部屋を開くと、まだ血の匂いが充満している。魔法で血液は全て取り除いたのに、匂いだけはまだこうして残っている。まるで私はここにいるとでも言っているかのようだ。
「荷物をまとめてみよう」
茶色いトランクケースに下着と衣服とその他貴重品を詰めて閉じる。その間、私の指はなぜか震えていた。それと同時にこれもなぜだか分からないのだが、わくわくした感情と、イリアス様への期待の2つが胸の内から湧いて出ていた。
(家出したら、イリアス様が探してくれるんじゃないか)
口ではああいっていたけれど、家出していなくなったら探してくれるんじゃないかと言う期待感。その期待感に私は縋り付いていた。
(来ない……でも、探してくれる事に期待したい)
トランクに荷物を詰め終わり、地味な服に着替えると私はトランクを持って部屋を出た。廊下には誰にもいない。私は1人人気の無い廊下を歩く。
宮廷の玄関前まで来た時、メイドと執事がいた。しかし私には気がついていないようだ。私はついに宮廷を出てしまった。そしてそのまま近くに停車してある馬車に乗り込むと御者にここから遠くの街に連れて行くように頼んだ。
「分かりました」
御者は私に気がついているのかいないのか分からない。ただ私の指示に従い馬車を駆ける。
道をしばらく進むも今の所追手が来る気配は無い。驚きと寂しさの2つが胸の中で膨らんでいる。
ああ、マリーナも地下牢から脱走した時、このような気持ちだったのだろうか。
(あのマリーナだもの。寂しくは無かったでしょうね)
「あの、すみません」
御者が私に声を掛けてきた。私は何かしら。と返事をするとどうやら行き先についての質問らしい。
「ミヤイリーの街か、エルシドの街か……」
どちらもどのような街かは知らない。どのような建物が広がっているのか、人口等も知らない。なので御者に任せる事に決めた。
「では、エルシドの街に行きます」
「どのような場所?」
「静かな街です。賑やかではありませんが、自然豊かで落ち着いた場所です」
「じゃあ、エルシドの街でお願い」
「分かりました」
(私が誰なのか聞かないのね)
この御者がもし、イリアス様の家来とかだったら、止めるだろうか。むしろ厄介払いだと止めないだろうか。
(試しに、聞いてみようか)
「ねえ、あなた私が誰なのか分かっているの?」
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