63 / 81
第55話
しおりを挟む
「じゃあ話すわね。あの子はね、元は伯爵家出身の子だったの。父親である伯爵は相当な女好きで彼女は伯爵とメイドの不義の子の1人だった訳」
「それで、どうなったんですか?」
「生まれてすぐに孤児院へと預けられたわ。ジュリーを産んだ際に母親は出血がひどくて死んでしまった。メイドに身寄りもなく、父親も育てられないと判断したみたいね。孤児院に預けられる時に父親からは養育費が一緒に支払われていたそう」
ジュリーはまた、生まれつきかなり強力な魔力を持っていたそうだ。伯爵家は代々魔力が豊富な家系としても知られており、数多くの神父やシスターと言った聖職関係の職種に就いた者達を輩出している事でも有名だった、しかしジュリーの母親は庶民の出で魔力はゼロと言ってもいい状態。ジュリーを産むには魔力の差があまりにもありすぎて母体が耐えられなかったというのもあるかもしれないとクララ様は語る。
「孤児院で育ったジュリーはその後、サーカス団に入って様々な国々を周っていたみたい。魔術の勉強もそこで習ったと聞いたわ。昼はサーカス団の一員としてショーを披露し、夜は男達を相手したり、殺し屋的な事もやっていたと本人からは聞いてるわね」
「殺し屋だったんですか?」
「……世直しをモットーに悪人を殺す。サーカス団は表の顔で実際は暗殺者集団だったそうよ。魔法薬にやけに詳しいのはそこから来てる」
「で、どうやっておばあさまの元へ?」
「サーカス団が解散したから。もっと言うとロイナ国での活動中に向こうの国王に暗殺者集団である事がバレてしまったの。ジュリーは何とか命からがらロイナ国を脱出し、私の元へと身を寄せた。グランバスの大魔女相手なら向こうもそうやすやすとは相手してこれないだろうっていう考えだったそうよ」
「それでクララ様の元へ……」
クララ様の別荘へ訪れたジュリーの身体はぼろぼろの状態だった。クララ様は彼女を保護し、手厚く看病しもてなしたそうだ。ジュリーはそんなクララ様の態度に感銘を受けて、弟子入りを志願したそうだ。
「弟子にしてくださいってね。私、教え子はいても弟子は取った事が無かった。だけど彼女の熱意に負けたわ。だから彼女を弟子にした」
ジュリーは自身の生まれや境遇について知っている事を全てクララ様に打ち明けたという。その後、クララ様はジュリーの父親を特定し、彼へ挨拶をしたという。
「父親はジュリーがああなっている事を全然知ってはいなかった。だからすべて話したのと同時にあなたの女癖の悪さが引き起こした事では? とつついてみたの。そしたら彼は反省した。その時は奥方を亡くしたばかりで後妻を迎えるかもしれないと言う噂があったようだけど、彼は結局後妻を迎える事は無かった。愛人や不義の子は皆認知してお金を渡したそうよ」
「そうですか……」
「数年前に彼は病気で亡くなった。その時はジュリーと一緒に葬式にも行ったわ。なんせ彼の子供はたくさんいたわよ。20人は軽くいたんじゃないかしら」
「そんなに?!」
「一応は奥方の長男が伯爵家を継いだわ。でもってちゃんと父親の子供も把握した。ジュリーもちゃんと伯爵家出身だと認知されてお墨付きも得たわ」
「そうですか、良かったです」
ジュリーの話が終わった所で、当の本人が帰って来た。食堂に姿を現したジュリーの服はさっき着ていたものとは違う服になっている。それに彼女の顔もメイクが落ち、髪もぼさぼさの状態だ。
「ただいま戻りました……」
「おかえりなさい、ジュリー、何かあった?」
「聞いてくださいよ! リリーネ子爵がっ、ばっ爆発したんです!」
「え、爆発?」
「そうです! いきなり呻きだしたかと思えば爆発して! もうこっちは肉片と血でびっしょりですよぉ……すみませんもっかいシャワー浴びたいんでちょっと失礼しますぅ……」
ジュリーは今にも泣きだしそうな目でそそくさとシャワールームへと向かっていった。それにしてもリリーネ子爵がいきなり爆発したとは一体どういう事なのか。
「いきなり爆発したってどういう事……?」
「俺も気になる……」
「とりあえずジュリーが戻ってくるのを待ちましょう。彼女あんな感じだから問い詰めるのはかわいそうかもしれないけど」
しばらくしてシャワーを浴びて別の服に着替えたジュリーが戻って来た。髪も束ねてメイクもし直している。
「すみませんお待たせしました……」
「いえいえ、大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないですう……トラウマですよあんなの」
「あなたがトラウマと言うならよっぽどなんでしょうね……具体的に何があったか聞いてもいいかしら?」
「あっはい。あのですね。私は自白剤を持って地下牢の区画内にある尋問部屋まで行ったんです。そしたらリリーネ子爵が尋問を受けていました」
「それでどうなったのかしら?」
ジュリー曰くリリーネ子爵は黙秘を貫いていた。調査結果からは彼が私の両親だけでなく祖父母も手にかけた証拠が見つかった為、その分も尋問にかけられていたが、彼は黙秘を続けるのみだったという。
ちなみに事件以外の話についてはソヴィと妻の安否を気に掛ける言葉こそあったが、逆を言えばそれだけだったという。
「それでですね。係の人に言われて私は自白剤をリリーネ子爵に飲ませたんです。彼はすぐに私が飲まそうとしている薬が自白剤だと気づいて抵抗したんですが、兵を増員して数人がかりで取り押さえて飲ませました。そしたらマリーナ様の両親と祖父母を殺した事を打ち明けたんです」
「なぜ殺したかについては言わなかった?」
「言いました。信じがたい事にイリアス様からの命令だと。それにマリーナ様を地下牢に入れたのもイリアス様からの命令だったと語りました。その事を自白した瞬間彼の全身に魔法陣みたいな黒い光が浮かび上がって、彼の身体が爆発四散しました……」
「……」
「わかったわ。彼が爆発した理由。多分イリアス様からの口封じでしょうね。バラしたら死という呪いでしょう」
「あーー……なるほど。確かにあの黒い魔法陣みたいな模様、ロイナ国でちょくちょく見るデザインのようなそんな気がしました……」
「あの、他にリリーネ子爵は何か言ってましたか?」
私はジュリーにそう尋ねる。彼が自身のした事へ対して何か反省していれば、とわずかながらに希望を抱いてしまったからだ。
「マリーナさんへ対してですか?」
「……はい。どうでしたか?」
(何も、無いだろう。でも……)
「申し訳ないとだけは言ってました。イリアス様からの命令だから仕方ないと……」
「……教えていただきありがとうございます」
申し訳ない。イリアス様からの命令だから仕方ない。彼はイリアス様の捨て駒だった。その事実を知った瞬間彼へ少しだけ同情の気持ちが湧いた。
勿論私の両親祖父母を殺し、私を忌み子として扱い地下牢へと入れた彼の行いは許せない。だが、彼はイリアス様に命令され、それに従っていただけだったのだ。
(本当の敵は、イリアス様……)
「マリーナの本当の敵は、イリアス様なんだな?」
「クリス様……」
「リリーネ子爵は、イリアス様の捨て駒だったんだ。ていうか、リリーネ子爵がだいぶ前からイリアス様と通じているなんて知らなかった……」
クリス様はうつむきながら、握りこぶしを震わせながらそうつぶやいたのだった。
「そうね、ロイナ国こそ敵。だから、今回の戦争で決着をつけるべきなのが良くわかったわ」
「おばあさま……」
「……マリーナ。これからイリアス様は必ずあなたを狙うでしょう。気を付けておきなさい」
「はい」
私は強く返事をする。私の本当の敵はイリアス様。彼に屈する事は無い。
「それで、どうなったんですか?」
「生まれてすぐに孤児院へと預けられたわ。ジュリーを産んだ際に母親は出血がひどくて死んでしまった。メイドに身寄りもなく、父親も育てられないと判断したみたいね。孤児院に預けられる時に父親からは養育費が一緒に支払われていたそう」
ジュリーはまた、生まれつきかなり強力な魔力を持っていたそうだ。伯爵家は代々魔力が豊富な家系としても知られており、数多くの神父やシスターと言った聖職関係の職種に就いた者達を輩出している事でも有名だった、しかしジュリーの母親は庶民の出で魔力はゼロと言ってもいい状態。ジュリーを産むには魔力の差があまりにもありすぎて母体が耐えられなかったというのもあるかもしれないとクララ様は語る。
「孤児院で育ったジュリーはその後、サーカス団に入って様々な国々を周っていたみたい。魔術の勉強もそこで習ったと聞いたわ。昼はサーカス団の一員としてショーを披露し、夜は男達を相手したり、殺し屋的な事もやっていたと本人からは聞いてるわね」
「殺し屋だったんですか?」
「……世直しをモットーに悪人を殺す。サーカス団は表の顔で実際は暗殺者集団だったそうよ。魔法薬にやけに詳しいのはそこから来てる」
「で、どうやっておばあさまの元へ?」
「サーカス団が解散したから。もっと言うとロイナ国での活動中に向こうの国王に暗殺者集団である事がバレてしまったの。ジュリーは何とか命からがらロイナ国を脱出し、私の元へと身を寄せた。グランバスの大魔女相手なら向こうもそうやすやすとは相手してこれないだろうっていう考えだったそうよ」
「それでクララ様の元へ……」
クララ様の別荘へ訪れたジュリーの身体はぼろぼろの状態だった。クララ様は彼女を保護し、手厚く看病しもてなしたそうだ。ジュリーはそんなクララ様の態度に感銘を受けて、弟子入りを志願したそうだ。
「弟子にしてくださいってね。私、教え子はいても弟子は取った事が無かった。だけど彼女の熱意に負けたわ。だから彼女を弟子にした」
ジュリーは自身の生まれや境遇について知っている事を全てクララ様に打ち明けたという。その後、クララ様はジュリーの父親を特定し、彼へ挨拶をしたという。
「父親はジュリーがああなっている事を全然知ってはいなかった。だからすべて話したのと同時にあなたの女癖の悪さが引き起こした事では? とつついてみたの。そしたら彼は反省した。その時は奥方を亡くしたばかりで後妻を迎えるかもしれないと言う噂があったようだけど、彼は結局後妻を迎える事は無かった。愛人や不義の子は皆認知してお金を渡したそうよ」
「そうですか……」
「数年前に彼は病気で亡くなった。その時はジュリーと一緒に葬式にも行ったわ。なんせ彼の子供はたくさんいたわよ。20人は軽くいたんじゃないかしら」
「そんなに?!」
「一応は奥方の長男が伯爵家を継いだわ。でもってちゃんと父親の子供も把握した。ジュリーもちゃんと伯爵家出身だと認知されてお墨付きも得たわ」
「そうですか、良かったです」
ジュリーの話が終わった所で、当の本人が帰って来た。食堂に姿を現したジュリーの服はさっき着ていたものとは違う服になっている。それに彼女の顔もメイクが落ち、髪もぼさぼさの状態だ。
「ただいま戻りました……」
「おかえりなさい、ジュリー、何かあった?」
「聞いてくださいよ! リリーネ子爵がっ、ばっ爆発したんです!」
「え、爆発?」
「そうです! いきなり呻きだしたかと思えば爆発して! もうこっちは肉片と血でびっしょりですよぉ……すみませんもっかいシャワー浴びたいんでちょっと失礼しますぅ……」
ジュリーは今にも泣きだしそうな目でそそくさとシャワールームへと向かっていった。それにしてもリリーネ子爵がいきなり爆発したとは一体どういう事なのか。
「いきなり爆発したってどういう事……?」
「俺も気になる……」
「とりあえずジュリーが戻ってくるのを待ちましょう。彼女あんな感じだから問い詰めるのはかわいそうかもしれないけど」
しばらくしてシャワーを浴びて別の服に着替えたジュリーが戻って来た。髪も束ねてメイクもし直している。
「すみませんお待たせしました……」
「いえいえ、大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないですう……トラウマですよあんなの」
「あなたがトラウマと言うならよっぽどなんでしょうね……具体的に何があったか聞いてもいいかしら?」
「あっはい。あのですね。私は自白剤を持って地下牢の区画内にある尋問部屋まで行ったんです。そしたらリリーネ子爵が尋問を受けていました」
「それでどうなったのかしら?」
ジュリー曰くリリーネ子爵は黙秘を貫いていた。調査結果からは彼が私の両親だけでなく祖父母も手にかけた証拠が見つかった為、その分も尋問にかけられていたが、彼は黙秘を続けるのみだったという。
ちなみに事件以外の話についてはソヴィと妻の安否を気に掛ける言葉こそあったが、逆を言えばそれだけだったという。
「それでですね。係の人に言われて私は自白剤をリリーネ子爵に飲ませたんです。彼はすぐに私が飲まそうとしている薬が自白剤だと気づいて抵抗したんですが、兵を増員して数人がかりで取り押さえて飲ませました。そしたらマリーナ様の両親と祖父母を殺した事を打ち明けたんです」
「なぜ殺したかについては言わなかった?」
「言いました。信じがたい事にイリアス様からの命令だと。それにマリーナ様を地下牢に入れたのもイリアス様からの命令だったと語りました。その事を自白した瞬間彼の全身に魔法陣みたいな黒い光が浮かび上がって、彼の身体が爆発四散しました……」
「……」
「わかったわ。彼が爆発した理由。多分イリアス様からの口封じでしょうね。バラしたら死という呪いでしょう」
「あーー……なるほど。確かにあの黒い魔法陣みたいな模様、ロイナ国でちょくちょく見るデザインのようなそんな気がしました……」
「あの、他にリリーネ子爵は何か言ってましたか?」
私はジュリーにそう尋ねる。彼が自身のした事へ対して何か反省していれば、とわずかながらに希望を抱いてしまったからだ。
「マリーナさんへ対してですか?」
「……はい。どうでしたか?」
(何も、無いだろう。でも……)
「申し訳ないとだけは言ってました。イリアス様からの命令だから仕方ないと……」
「……教えていただきありがとうございます」
申し訳ない。イリアス様からの命令だから仕方ない。彼はイリアス様の捨て駒だった。その事実を知った瞬間彼へ少しだけ同情の気持ちが湧いた。
勿論私の両親祖父母を殺し、私を忌み子として扱い地下牢へと入れた彼の行いは許せない。だが、彼はイリアス様に命令され、それに従っていただけだったのだ。
(本当の敵は、イリアス様……)
「マリーナの本当の敵は、イリアス様なんだな?」
「クリス様……」
「リリーネ子爵は、イリアス様の捨て駒だったんだ。ていうか、リリーネ子爵がだいぶ前からイリアス様と通じているなんて知らなかった……」
クリス様はうつむきながら、握りこぶしを震わせながらそうつぶやいたのだった。
「そうね、ロイナ国こそ敵。だから、今回の戦争で決着をつけるべきなのが良くわかったわ」
「おばあさま……」
「……マリーナ。これからイリアス様は必ずあなたを狙うでしょう。気を付けておきなさい」
「はい」
私は強く返事をする。私の本当の敵はイリアス様。彼に屈する事は無い。
2
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と溺愛のrequiem~
一ノ瀬 彩音
恋愛
婚約者に裏切られた貴族令嬢。
貴族令嬢はどうするのか?
※この物語はフィクションです。
本文内の事は決してマネしてはいけません。
「公爵家のご令嬢は婚約者に裏切られて~愛と復讐のrequiem~」のタイトルを変更いたしました。
この作品はHOTランキング9位をお取りしたのですが、
作者(著者)が未熟なのに誠に有難う御座います。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない
かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」
婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。
もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。
ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。
想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。
記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…?
不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。
12/11追記
書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。
たくさんお読みいただきありがとうございました!
美人の偽聖女に真実の愛を見た王太子は、超デブス聖女と婚約破棄、今さら戻ってこいと言えずに国は滅ぶ
青の雀
恋愛
メープル国には二人の聖女候補がいるが、一人は超デブスな醜女、もう一人は見た目だけの超絶美人
世界旅行を続けていく中で、痩せて見違えるほどの美女に変身します。
デブスは本当の聖女で、美人は偽聖女
小国は栄え、大国は滅びる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる