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第47話

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「本当は教えるべき事ではあるのだが、申し訳ないがその時までは伝えられない」
「……機密事項でも?」
「そうだ。神託を受ける者には神託がどのようなものかその時まで教えてはならないのだ。これは代々ザパルディの国を治める王にのみ、受け継がれてきた事。申し訳ないが理解してほしい」
「……わかりました。お答えいただきありがとうございます」
「他、聞きたい事は無いか?」

 クララ様とジュリー、クリス様は無いという風に首を横に振った。

「では、これで話は以上だ。また夜よろしく頼む」
「はい、陛下」

 こうして私とクララ様、ジュリーは馬車でクララ様の屋敷へと戻って来た。ここで一旦休憩し夕方また宮廷へと赴く。

「皆、休めるなら今のうちよ」
「はい……お師匠様……」

 ジュリーは着替えずにソファでぐったりとあおむけになって寝転がった。手足を投げ出しているその様子は大きなぬいぐるみのようだ。

「マリーナ、あなたも休みなさい」
「はい、ちょっと椅子に座って休みます」
「神託どんな感じなんですかねえ……」
「国王陛下しか知らないでしょうし、どうなるかは予想付かないわ。でもマリーナは聖女だと私は信じている」
「お師匠様さすがですーー! 勿論私も信じていますよ、マリーナ様」

 なんだか一斉に期待をかけられているような気がするが、それだけ2人とも私は聖女だと信じて疑っていないのだろう。
 それならその期待に応えたいという思いが、私の胸の中で弾けるような輝きを見せる。

「ありがとうございます。神託、受けてきます」
「ええ……頑張って」
「はい」

 いつの間にか時刻は夕方を迎えようとしていた。私達は化粧を直し、髪型も崩れていないか確認した後馬車に乗り夜会が行われるダンスホールへと向かう。

「わ……」

 会場内ではすでにオーケストラの演奏が行われ、各国の貴族や王族方がオーケストラの演奏する穏やかな音楽に合わせてリズムを刻みながらくるくると踊っていた。ぱっと見リリーネ子爵夫妻やソヴィ、イリアス様はまだ訪れていないようだ。

「マリーナ達!」

 午前と同じ軍服姿のクリス様がこちらへと軽快に歩きながらやって来た。

「クリス様!」
「ダンス楽しみだね」
「はい」
「あ、良かったらおばあさまとも踊ってみたいです」
「私は無理よ。年だもの。私の代わりにジュリーと踊って頂戴」
「えっ……! お師匠様、恐れ多いですよ! それにお師匠様はまだまだお元気じゃありませんか」

 とはいってもクララ様の決意? は硬いようだ。

「ダンスで転んで骨でも折ったらどうするの」
「それは……治癒魔法がありますよお師匠様」
「とにかく、ダンスは若い人達で楽しんで頂戴」
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