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第16話
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イェルガーについてクリス様やクララ様から情報を聞いたのでまとめてみる。彼は王家直属の騎士団に所属しており更にクリス様の側近の1人だった。ちなみにクリス様の側近ではあるが、私は彼とは直接会った事は無い。彼が悪魔の獣に擬態魔法をかけられたのは、クリス様が行方不明になってから。
(それにしても、悪魔の獣に擬態する事なんてあるんだ)
おそらくは宮廷に彼がいると彼への身の危険があるので敢えて擬態させたのだろうという、クララ様の推察だった。
その後。イェルガーもジュリーが宮廷で今の様子を調べている間は、この屋敷にて暮らす事になった。魔法だけでなく剣術はじめ武術に馬術にも優れている彼がいるのは心強いとクリス様は語ってくれた。
「マリーナ様……あれ、確か金髪だったはず」
「あ、変わったんです。元は金髪だったのですが」
「マリーナはリリーネ子爵家で不当な扱いを受けていたのもあって髪色が変わったのよ」
「そうなのですか……リリーネ子爵家、ですか」
「家族が殺されてからは、リリーネ子爵家に引き取られたんです。それからずっと地下牢にいました」
「リリーネ子爵がそんな事を」
「ええ、はい」
イェルガーは目を見開いて信じられないといった具合の表情を示す。
「リリーネ子爵がそのような事を?!」
「イェルガー。信じられないかもしれないけど、そうなんだよ。リリーネ子爵はマリーナを忌み子としてずっと地下牢に置いて酷い扱いをしてきたんだ」
「クリス様……であれば信じるのみです」
「ああ、信じてくれ」
イェルガーとクリス様のやり取りを眺めていた私はふと宮廷ではリリーネ子爵はどのような方だったのか、知りたくなったので聞いてみる事にした。
「あの、リリーネ子爵は宮廷ではどのような方だったんですか?」
「そうですね、おとなしいと言いますか……目立つ方ではありませんでした。しかし、宮廷の方々や貴族の方々とはきちんとコミュニケーションを取ってはいました。リリーネ子爵夫人も同じです」
「なるほど。教えてくださりありがとうございます」
「ただ、リリーネ子爵の領地がやや荒廃気味ではないかという噂は少しありました。ですが、怪しい噂はそれくらいですかね」
「……」
イェルガーからの話を聞く限り、領地の噂以外は特に変わった点は見られない。
「娘を溺愛していたとかは?」
「え、リリーネ子爵に娘が?」
「ええ、ソヴィという娘がいます」
「ああ……それは知りませんでした。私も長らく宮廷から離れていたので私が知らないだけかもしれませんが」
イェルガーは、ソヴィの存在自体知らなかったようだ。
(それにしても、悪魔の獣に擬態する事なんてあるんだ)
おそらくは宮廷に彼がいると彼への身の危険があるので敢えて擬態させたのだろうという、クララ様の推察だった。
その後。イェルガーもジュリーが宮廷で今の様子を調べている間は、この屋敷にて暮らす事になった。魔法だけでなく剣術はじめ武術に馬術にも優れている彼がいるのは心強いとクリス様は語ってくれた。
「マリーナ様……あれ、確か金髪だったはず」
「あ、変わったんです。元は金髪だったのですが」
「マリーナはリリーネ子爵家で不当な扱いを受けていたのもあって髪色が変わったのよ」
「そうなのですか……リリーネ子爵家、ですか」
「家族が殺されてからは、リリーネ子爵家に引き取られたんです。それからずっと地下牢にいました」
「リリーネ子爵がそんな事を」
「ええ、はい」
イェルガーは目を見開いて信じられないといった具合の表情を示す。
「リリーネ子爵がそのような事を?!」
「イェルガー。信じられないかもしれないけど、そうなんだよ。リリーネ子爵はマリーナを忌み子としてずっと地下牢に置いて酷い扱いをしてきたんだ」
「クリス様……であれば信じるのみです」
「ああ、信じてくれ」
イェルガーとクリス様のやり取りを眺めていた私はふと宮廷ではリリーネ子爵はどのような方だったのか、知りたくなったので聞いてみる事にした。
「あの、リリーネ子爵は宮廷ではどのような方だったんですか?」
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「なるほど。教えてくださりありがとうございます」
「ただ、リリーネ子爵の領地がやや荒廃気味ではないかという噂は少しありました。ですが、怪しい噂はそれくらいですかね」
「……」
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「娘を溺愛していたとかは?」
「え、リリーネ子爵に娘が?」
「ええ、ソヴィという娘がいます」
「ああ……それは知りませんでした。私も長らく宮廷から離れていたので私が知らないだけかもしれませんが」
イェルガーは、ソヴィの存在自体知らなかったようだ。
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