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第6話※ 

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「私の身体、おかしいかもしれません」
「……どこが?」
「下腹部が熱くて、息が整わなくて……」
「それが正しい反応だと思うよ」

 クリス様はそう、しっかりと言い切った。その言葉には迷いは微塵も感じられなかった。

「マリーナ。今から君を抱きたい」 
「それは……」

 抱きたいという意味は何となく理解出来る。私もその辺の知識は魔術書で知った。だが……。

「クリス様、今の私の魔力は十分足りています。クリス様も魔力切れを起こしているようには見えませんが……」

 性交渉は本来、魔力のパスを構築し魔力を供給する手段や呪いや魅了魔法を解く為の行為して行われる。と魔術書には書いてあったはずだ。魔力のパスを構築すれば、パス及びそこに流れる魔力を使えば、避妊も可能であると言う記載もあったような。

「魔力供給以外にも、抱く事はある」
「例えば?」
「子供を作る時。そして……互いの愛を確かめ合う時だ。宮廷の家庭教師からそう教わった」
「クリス様。では今から私はクリス様の子を?」
「それは今後に取っておこう。今から君を抱く理由は、君を愛しているからだ。君に俺の愛を伝えたいからだ」

 クリス様は私の身体をそっとベッドの上に押し倒した。そして私の足を開き履いている下着をゆっくりと脱がす。

「痛かったら言って」
「うん」

 クリス様は、私の股に顔を埋めた。そして舌で私の秘所を舐めていく。

「き、汚くないですか?」
「大丈夫。汚くない」

 なんだか恥ずかしさと形容しがたいむずむずした何かを感じてしまう。

「なに、これ……」
「じゅるっ」
「っ!」

 舌で搦めとるように座れると、腰全体にビリビリとした謎の感覚を覚える。痛くは無いが、少し怖い。

「やっ」

 それに、息が荒れて変な声も徐々に出てしまう。

「んっ」
「声、我慢しなくていいよ」
「我慢しない方が良いんですか?」
「うん、あ……でも少し抑えた方がいいかも」
「わ、わかりました」

 クリス様が顔を離し、次は右手の指を私の秘所の割れ目の中に入れた。指が入った瞬間、痛みを覚える。

「力抜いて、楽にして」

 と、言われても痛みのせいで力を抜く事が出来ない。その間にもぐいぐいと中指が私の中に入ろうとして、ずきずきとした痛みを覚える。

「い、痛いです……!」
「……わかった、抜く」

 クリス様はすぐに指を抜いてくれた。まだ秘所の痛みは治まらない。

「いってて……」
「治癒魔法使ったら閉じちゃうからなあ、もし魔力供給となった時の事を考えると……マリーナ、我慢出来る?」
「はい、我慢した方がいいなら……」
「血が止まるくらいの軽いものなら大丈夫か? かけておこう」
「ありがとうございます……」
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