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第91話 さつまいも②
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「はふっ……」
お味噌汁のさつまいもを1つ箸で掴んでかじる。すると口の中で甘みと味噌の味が広がってとても美味しい。食感も実にほくほくとしていて、食べた。という感じがすごい。
「うん、美味しい!」
ニンジンも玉ねぎも柔らかくて味噌の味が染みこんでいて美味しい。麦ごはんとの相性も良い。
「これにお肉入れて食べたら、もっと美味しいかもしれないわね」
「うどん入れるとほうとうになるね」
「今度またほうとう食べない?」
母親からの誘いに、私は頷く。ぬらりひょんはどうもほうとうがどんなものか知らないようだった為、沼霧さんから説明を受けていた。
(これだけでも十分美味しいな)
お肉を入れるなら……鳥肉辺りだろうか。魚肉か鳥肉でつくねを作って入れるのもありかもしれない。頭の中に様々な考えが思いつきながら、お昼を美味しくいただいたのだった。
「ごちそうさまでした」
昼食後、ひと休みしてから別荘から少し離れた砂浜に移動し、そこで焼きいもを作る事になった。海の近くならもし何かあってもすぐに火を消す事が出来る。
かき集めた落ち葉を集めて、火をつけ、さつまいもを焼いていく。
ぱちぱち……
「わあ……」
火を見つめるぬらりひょんの目はキラキラと輝いている。
「もう焼けた?」
「沼霧さんどう?」
「もう少しですねえ」
ぱちぱちと火が焼ける音と、波の音だけが聞こえる。
「……そろそろよさそうですね」
沼霧さんが火で焼かれている落ち葉の中から、さつまいもを取り出した。分厚い手袋を履き、受け取ったさつまいもを2つに割ると冷めるのを待つ。
「ふーーっ……」
食べられるくらいまで冷めたのを確認してから、さつまいもにかぶりつく。すると熱さと共に甘味が口の中にじんわりと広がる。
「むっ……美味しい」
ホクホクとした食感に甘い味わいが癖になる。柔らかいので皮ごと食べられるのも良い。
「美味しいですねえ、身体も温まります」
沼霧さんは目を細めながら焼きいもを堪能している。ぬらりひょんも美味しそうにかぶりついている。
(やって良かったな)
空の向こうの日は徐々に落ちていこうとしている。
(また、皆で焼きいもしよう)
お味噌汁のさつまいもを1つ箸で掴んでかじる。すると口の中で甘みと味噌の味が広がってとても美味しい。食感も実にほくほくとしていて、食べた。という感じがすごい。
「うん、美味しい!」
ニンジンも玉ねぎも柔らかくて味噌の味が染みこんでいて美味しい。麦ごはんとの相性も良い。
「これにお肉入れて食べたら、もっと美味しいかもしれないわね」
「うどん入れるとほうとうになるね」
「今度またほうとう食べない?」
母親からの誘いに、私は頷く。ぬらりひょんはどうもほうとうがどんなものか知らないようだった為、沼霧さんから説明を受けていた。
(これだけでも十分美味しいな)
お肉を入れるなら……鳥肉辺りだろうか。魚肉か鳥肉でつくねを作って入れるのもありかもしれない。頭の中に様々な考えが思いつきながら、お昼を美味しくいただいたのだった。
「ごちそうさまでした」
昼食後、ひと休みしてから別荘から少し離れた砂浜に移動し、そこで焼きいもを作る事になった。海の近くならもし何かあってもすぐに火を消す事が出来る。
かき集めた落ち葉を集めて、火をつけ、さつまいもを焼いていく。
ぱちぱち……
「わあ……」
火を見つめるぬらりひょんの目はキラキラと輝いている。
「もう焼けた?」
「沼霧さんどう?」
「もう少しですねえ」
ぱちぱちと火が焼ける音と、波の音だけが聞こえる。
「……そろそろよさそうですね」
沼霧さんが火で焼かれている落ち葉の中から、さつまいもを取り出した。分厚い手袋を履き、受け取ったさつまいもを2つに割ると冷めるのを待つ。
「ふーーっ……」
食べられるくらいまで冷めたのを確認してから、さつまいもにかぶりつく。すると熱さと共に甘味が口の中にじんわりと広がる。
「むっ……美味しい」
ホクホクとした食感に甘い味わいが癖になる。柔らかいので皮ごと食べられるのも良い。
「美味しいですねえ、身体も温まります」
沼霧さんは目を細めながら焼きいもを堪能している。ぬらりひょんも美味しそうにかぶりついている。
(やって良かったな)
空の向こうの日は徐々に落ちていこうとしている。
(また、皆で焼きいもしよう)
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