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第88話 陸軍の兵士①
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夕方。いつもより早めに篝先生が帰って来た。
「篝先生、おかえりなさい」
私が出迎えると、篝先生の後ろには2人の兵士がいた。兵士は私を見るや否や、帽子を取って挨拶をする。
「篝先生の仕事の手伝いに参りました。お邪魔します」
「すみませんが、よろしくお願いします」
どうやら、離れで篝先生の仕事の手伝いをする為にこの別荘にやって来たようだ。
「千恵子さん。すみませんが彼らの分の食事も用意出来ますか?」
「分かりました」
「よろしくお願いします」
私は彼らを篝先生と共に離れまで案内すると、台所にいた沼霧さんと母親にその事を伝える。
「分かりました。準備しますね」
「その前にお茶出さないと……」
母親は湯呑みにお茶を入れて、お盆に乗せて離れへと向かっていった。
私と沼霧さんは、夕食の準備に取り掛かる。
「ご飯足りそう?」
「昼に炊いたので十分足りるかと」
すると、ぬらりひょんが台所までとことことやって来た。話を聞きつけてやってきたようだ。
「何かあったの?」
「今ね、篝先生手伝いに陸軍の兵士が来てるの」
「兵隊さんが?」
「そう。だからご飯作らなきゃなの」
「何か手伝った方が良い?」
私と沼霧さんは、互いに目を合わせる。ぬらりひょんからの申し出はありがたいが、彼女は子供の身体。無理はさせられない。
「今はいいかな。また手伝ってもらう時に呼ぶね」
「分かった」
ぬらりひょんはそのまま台所から退出する。後で母親に彼女の相手をしてもらおう。
「野菜で味噌汁を作りましょう。後は、サバでも焼きますか」
「分かった。それで行こう」
野菜はニンジンと玉ねぎを使う。それと豆腐も欠かさず入れて、味噌汁を作る。
味噌汁作りが終われば、サバを焼いていく。焼く前に骨をあらかた取ってから、桟橋が見える外に移動して七輪でパタパタと焼いていく。離れから近いと煙が彼らを邪魔しそうなので、桟橋の近くまで移動したのだった。
「何焼いてんだ?」
煙は光さんからも見えているようだ。
「サバ焼いてるの」
「へえ」
「今日の夕食にするんだ」
「なるほどねえ……」
サバが焼き終えると、七輪の網から取り出し、お皿に盛る。
「篝先生、おかえりなさい」
私が出迎えると、篝先生の後ろには2人の兵士がいた。兵士は私を見るや否や、帽子を取って挨拶をする。
「篝先生の仕事の手伝いに参りました。お邪魔します」
「すみませんが、よろしくお願いします」
どうやら、離れで篝先生の仕事の手伝いをする為にこの別荘にやって来たようだ。
「千恵子さん。すみませんが彼らの分の食事も用意出来ますか?」
「分かりました」
「よろしくお願いします」
私は彼らを篝先生と共に離れまで案内すると、台所にいた沼霧さんと母親にその事を伝える。
「分かりました。準備しますね」
「その前にお茶出さないと……」
母親は湯呑みにお茶を入れて、お盆に乗せて離れへと向かっていった。
私と沼霧さんは、夕食の準備に取り掛かる。
「ご飯足りそう?」
「昼に炊いたので十分足りるかと」
すると、ぬらりひょんが台所までとことことやって来た。話を聞きつけてやってきたようだ。
「何かあったの?」
「今ね、篝先生手伝いに陸軍の兵士が来てるの」
「兵隊さんが?」
「そう。だからご飯作らなきゃなの」
「何か手伝った方が良い?」
私と沼霧さんは、互いに目を合わせる。ぬらりひょんからの申し出はありがたいが、彼女は子供の身体。無理はさせられない。
「今はいいかな。また手伝ってもらう時に呼ぶね」
「分かった」
ぬらりひょんはそのまま台所から退出する。後で母親に彼女の相手をしてもらおう。
「野菜で味噌汁を作りましょう。後は、サバでも焼きますか」
「分かった。それで行こう」
野菜はニンジンと玉ねぎを使う。それと豆腐も欠かさず入れて、味噌汁を作る。
味噌汁作りが終われば、サバを焼いていく。焼く前に骨をあらかた取ってから、桟橋が見える外に移動して七輪でパタパタと焼いていく。離れから近いと煙が彼らを邪魔しそうなので、桟橋の近くまで移動したのだった。
「何焼いてんだ?」
煙は光さんからも見えているようだ。
「サバ焼いてるの」
「へえ」
「今日の夕食にするんだ」
「なるほどねえ……」
サバが焼き終えると、七輪の網から取り出し、お皿に盛る。
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