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第40話 誕生日のちらし寿司③
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「へえ、豪華になったじゃない」
「でしょ? 楽しみになってきた」
「あと一反木綿が北海道に鮭取りに行きました」
「え?!」
母親も流石に驚いている。
「いくらをのせたいらしく……」
「いつ戻ってくるの?」
「夕方までには戻ってくるとは思いたいですが……」
「そう……」
一反木綿が心配だが、とりあえずは無事に戻ってくるのを待つしか無い。
「野菜は炊けました。マグロは解体してちらし寿司に使う分をしょうゆに漬け込んでいます。あとは、卵ですね」
「わかったわ。準備していきましょう」
母親は、割烹着を身に着けて手を洗うと、卵焼き器を戸棚から取り出す。その間に沼霧さんが卵を何個か割って溶いてくれた。
卵焼き器は軽く水洗いしてから、火にかけていく。
「久しぶりだから、上手く行けるかしら……」
卵焼き器に溶き卵を半分入れて、満遍なく伸ばす。火は弱火。じっくり焼いてから一度火を止めて菜箸で器用に卵を掴んで慎重にひっくり返す。
「よし、破れてない!」
母親がふーっと息を吐いた。だが、まだ油断は出来ない。
もう一度弱火でじっくり火を通し、卵をひっくり返して完成だ。卵はやや焦げ目がついた、きれいな長方形の形となった。
「出来た! じゃあ、もう1枚焼いていくわね」
「いやあ、綺麗だねえ。コツとかあるの?」
「コツ? とにかくやってみる事かしらね。千恵子やる?」
母親から誘われたが、上手く焼ける自信が無いので断ったのだった。
焼き終えた卵は細長く切り、錦糸卵の完成となる。
「千恵子さん。ご飯寿司桶に入れましょう」
「はいはい」
炊けたご飯を御釜から、寿司桶にじゃんじゃんと入れていく。入れ終わると、うちわである程度冷ましてから、酢と煮詰めた野菜を入れて切るようにかき混ぜる。
「出来ましたよ!」
ちらし寿司はこれで盛り付け以外は完成となる。
「すまし汁も作りますね」
沼霧さんが、手早くすまし汁も作ってくれた。
「沼霧さん。これで、一通り完成かな?」
「そうですね」
「ああ、疲れたあ」
母親は先に、食卓のある居間でうちわを仰ぎながら休んでいた。
「でしょ? 楽しみになってきた」
「あと一反木綿が北海道に鮭取りに行きました」
「え?!」
母親も流石に驚いている。
「いくらをのせたいらしく……」
「いつ戻ってくるの?」
「夕方までには戻ってくるとは思いたいですが……」
「そう……」
一反木綿が心配だが、とりあえずは無事に戻ってくるのを待つしか無い。
「野菜は炊けました。マグロは解体してちらし寿司に使う分をしょうゆに漬け込んでいます。あとは、卵ですね」
「わかったわ。準備していきましょう」
母親は、割烹着を身に着けて手を洗うと、卵焼き器を戸棚から取り出す。その間に沼霧さんが卵を何個か割って溶いてくれた。
卵焼き器は軽く水洗いしてから、火にかけていく。
「久しぶりだから、上手く行けるかしら……」
卵焼き器に溶き卵を半分入れて、満遍なく伸ばす。火は弱火。じっくり焼いてから一度火を止めて菜箸で器用に卵を掴んで慎重にひっくり返す。
「よし、破れてない!」
母親がふーっと息を吐いた。だが、まだ油断は出来ない。
もう一度弱火でじっくり火を通し、卵をひっくり返して完成だ。卵はやや焦げ目がついた、きれいな長方形の形となった。
「出来た! じゃあ、もう1枚焼いていくわね」
「いやあ、綺麗だねえ。コツとかあるの?」
「コツ? とにかくやってみる事かしらね。千恵子やる?」
母親から誘われたが、上手く焼ける自信が無いので断ったのだった。
焼き終えた卵は細長く切り、錦糸卵の完成となる。
「千恵子さん。ご飯寿司桶に入れましょう」
「はいはい」
炊けたご飯を御釜から、寿司桶にじゃんじゃんと入れていく。入れ終わると、うちわである程度冷ましてから、酢と煮詰めた野菜を入れて切るようにかき混ぜる。
「出来ましたよ!」
ちらし寿司はこれで盛り付け以外は完成となる。
「すまし汁も作りますね」
沼霧さんが、手早くすまし汁も作ってくれた。
「沼霧さん。これで、一通り完成かな?」
「そうですね」
「ああ、疲れたあ」
母親は先に、食卓のある居間でうちわを仰ぎながら休んでいた。
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