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第115話 食べ過ぎ注意!
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「むっ…!」
口内一面に、チーズとだしの味がふんわりと広がる。まろやかで、一度食べ始めたら止まらない。
「ごちそうさまでした!」
リゾットはあっという間に空になった。こうして鍋の中も空になったのだが、ナジャはまだ物足りないといった雰囲気が顔から出ている。
「ねえ、良い事思いついたんだけど」
今度は何を思いついたのだろうか。
「みんなで1人1つずつ、食材をこの中に入れて煮ない?闇鍋ってやつやりたい!」
その言葉に、私含めてナジャ以外全員が目を見開き、互いに顔を見合わせる。
「もうお腹一杯かな…」
と語るメイル。私も腹九分目までは確実に来ている。
「わしももう入らんのう…」
マッシュやリークももう、満腹のようだ。
「そっか…じゃあ、明日やろっか」
ナジャは頷きながらそう言って、料理長へ片付けを指示したのだった。
解散し、自室に戻った私。お腹が少し苦しいが、ひと休みすれば楽になるはずだ。
(…?)
と、思ったのだが、お腹の苦しさは増すばかりな上、痛みも出始めた。
(うわ、お腹痛い…)
痛みは更に酷くなる。おへその周りがぐるぐるごろごろと鈍さと激しさを足したような痛みが迫る。
「…痛い…」
なんとか痛みに耐えながらトイレで用を足したものの、お腹の痛みはまだ消えない。
「食べすぎたかも…」
誰か薬とか持っているだろうか。とはいえメイルやナジャらの元へ行く体力ももう無い。
ベッドの上でうずくまっていると、部屋をノックする音が聞こえて来た。
「はーい」
「ナジャよ。入るわね」
これはチャンス。私はベッドの上からナジャに薬は無いかと開口一番尋ねてみる。
「お腹痛いの?」
「うん…」
「じゃあ、医者呼ぼうか?」
「えっ、いいの?」
どうやら、近くにナジャの侍医が住んでいるのだという。
「無理は良くないから診てもらう方が良いって」
口内一面に、チーズとだしの味がふんわりと広がる。まろやかで、一度食べ始めたら止まらない。
「ごちそうさまでした!」
リゾットはあっという間に空になった。こうして鍋の中も空になったのだが、ナジャはまだ物足りないといった雰囲気が顔から出ている。
「ねえ、良い事思いついたんだけど」
今度は何を思いついたのだろうか。
「みんなで1人1つずつ、食材をこの中に入れて煮ない?闇鍋ってやつやりたい!」
その言葉に、私含めてナジャ以外全員が目を見開き、互いに顔を見合わせる。
「もうお腹一杯かな…」
と語るメイル。私も腹九分目までは確実に来ている。
「わしももう入らんのう…」
マッシュやリークももう、満腹のようだ。
「そっか…じゃあ、明日やろっか」
ナジャは頷きながらそう言って、料理長へ片付けを指示したのだった。
解散し、自室に戻った私。お腹が少し苦しいが、ひと休みすれば楽になるはずだ。
(…?)
と、思ったのだが、お腹の苦しさは増すばかりな上、痛みも出始めた。
(うわ、お腹痛い…)
痛みは更に酷くなる。おへその周りがぐるぐるごろごろと鈍さと激しさを足したような痛みが迫る。
「…痛い…」
なんとか痛みに耐えながらトイレで用を足したものの、お腹の痛みはまだ消えない。
「食べすぎたかも…」
誰か薬とか持っているだろうか。とはいえメイルやナジャらの元へ行く体力ももう無い。
ベッドの上でうずくまっていると、部屋をノックする音が聞こえて来た。
「はーい」
「ナジャよ。入るわね」
これはチャンス。私はベッドの上からナジャに薬は無いかと開口一番尋ねてみる。
「お腹痛いの?」
「うん…」
「じゃあ、医者呼ぼうか?」
「えっ、いいの?」
どうやら、近くにナジャの侍医が住んでいるのだという。
「無理は良くないから診てもらう方が良いって」
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