【完結】処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜

二位関りをん

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第100話 ホテルの部屋とお風呂

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 部屋は簡素なベッドが2つに、ソファとクローゼット、机が置かれてある。トイレとお風呂は2階にある共同のものを使ってほしいとの事だった。
 あの料金で朝食付きという事を踏まえれば、その点は目をつむれるだろう。

「お待たせしました。コーヒーです」

 受付嬢が、コーヒーを持って再度私達の元へと現れた。ここまでサービスしてくれるとは有り難い。

「ありがとうございます」
「では、ゆっくりしていってくださいね。明日朝食お持ちいたします」

 受付嬢はぺこりと頭を下げて去っていった。

「ホテルってこんな感じなんだなあ」

 ソファにちぢこまるようにして座ったリークが、あたまをきょろきょろと動かしながらそうつぶやいた。

「ランクが高い所になると、もっとすごいわよ」
「そうなのか?!」
「ええ、そんな話を聞いた事あるの」

 実際は話を聞いたのではなく、私の前世の記憶の一部ではあるのだが。
 コーヒーを飲んだあと、一息ついてからお風呂に入りに行く事にした。浴場へ繋がる入り口は女性用と男性用で分かれており、それぞれにスタッフが立っている。

「じゃあ、終わったらここで待ち合わせにしよう」
「分かったわ」

 受付をして、服を脱ぎクローゼットにしまって鍵を掛ける。大浴場には人はいない。貸し切りの状態だ。更にシャワールームと巨大な浴槽とで、区画は分かれてある。
 私はまずシャワーを浴びてから、浴槽につかる事にした。

「わっ…」

 シャワーを浴びていると、手に痛みを覚えた。いつの間にか切り傷が出来ていたようだ。

(地味に染みるな…)

 シャワーを浴びて浴槽につかる。温度は上々。ほんの少し熱めのこれくらいがちょうどよい。肩までつかると、足を伸ばしてリラックスする。

「あー…」

 足のふくらはぎを下から上まで揉みあげると、ぱんぱんにむくんだふくらはぎが楽になったような気がしてきた。

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