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皇帝SIDE⑥ かつてのキムを少しだけ

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 キムはナターシャを愛している事に気がつかないでいた。

 キムは、ナターシャが裏で数々の悪事を働いていたと知った時、最初は一応彼女をかばったのだった。勿論そこには自己保身もある。次期皇位継承者の第一夫人が悪女と知られれば自身の立場も危うくなるからだ。

「ナターシャがそんな事、するわけがない!」

 しかし無情にも、ナターシャの働いた悪事の数々は彼を裏切る形となった。

「ナターシャ」

 彼の脳裏には、今でもナターシャが火あぶりにされる様子がまざまざと刻まれている。それは皇帝に即位してからも消えてはいない。
 そしてそんなキムは今になってようやく、ナターシャへの愛に気づこうとしている。いや半ば気づき始めていると言うべきか。

 そんなナターシャがいまや狼男と暮らしているとキムが知れば、一体キムがどのような反応を見せるか気になる所である。

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