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第34話 再会と……
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ソアリス様がここに来る可能性……いや、そんなの考えただけでもぞっとする。
「来なければいいんですが」
「そうですね。俺も同じ意見です」
だが、私達のこの願いはかなわなかった。
「ギルテット王子!」
先ほどの兵士が診療所へとまた戻って来た。しかも外からは悲鳴のような音も聞こえて来る。ほのかな雨だれの音を全てかき消すかのような音だ。
「きゃーー!」
「助けて! 皆、早く逃げて!!」
「まずいです。アイリクス伯爵らしき人物が剣を持ってこちらへ……!」
「わかりました! まずは皆さんの避難を優先してください!」
「了解です!」
「シュネル。あなたはここにいなさい。外へ出てはなりませんよ」
「でも、町の人達が……!」
「そうですね、勿論彼らの避難も優先すべきです。……気を付けて」
「わかりました」
私は逃げ惑う人達を見つけて診療所内へと招き入れた。ギルテット様は外に出て兵士と共に剣を持ってソアリス様がいる場所へと走り出す。まだシュタイナーとバティス兄様は近くにはいない。もしかしてまだ騒ぎに気が付いていないのだろうか?
「皆さんここにいてください!」
「わ、わかりました看護婦さん……」
逃げていた人達5名を診療所の中に入れたのを確認してからドアに厳重に鍵を閉めた。そして窓にカーテンを閉ざし隙間から外を見る。
町の出入り口の方には剣を持って右足を引きずるようにして歩く男の姿がいた。それはまさしくソアリス様だ。
「シュネル! シュネルは……どこだ!」
彼のその叫びに生気が見いだせない。シュネルと何度も名前を叫ぶ姿はまるで何かに取り憑かれたように見える。
そこへギルテット様が剣を構えているのが見えた。兵士が先にソアリス様に斬りかかる。しかしソアリス様はこれを剣で受け止めた。剣同士がぶつかる音が響く。
すると兵士の後に逃げ遅れた女性がいるのを見つけた。しかも足を怪我したのか歩けないようだ。
(どうしよう、見殺しにする訳には……!)
私は悩んだ末私は診療所のドアを開けてその女性に向けて飛び出した。
「シュネル!!」
ソアリス様が私を見つけた。まずい。切られてしまう。
しかし私とソアリス様の間にギルテット様が割って入り、剣で防御する。その隙に私は脚を伸ばして彼女の元へと駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
「すみません、足をくじいてしまって……」
「診療所で手当てします、さ、こちらへ」
私は女性の腕を肩に回し、腰に手を添えて抱きかかえるようにした状態から地面に這いつくばるようにして移動する所で目の前に騒ぎに気が付いたシュタイナーとバティス兄様が現れたのを見た。
「バティス兄様! シュタイナーさん! 大変なんです、ソアリス様が!」
「シュネル分かった! その女性を早く診療所へ!」
「はい!」
男達がソアリス様の目の前に立ちはだかる。これくらいの人数なら彼はまともに動けないはずだ。私はなんとか女性を診療所へと移動させている。すると近くの家から飛び出てきた男性が彼女をすっとお姫様抱っこしてくれた。
「うちの家内がすみません」
「奥様なんですが足をくじいたみたいで……診療所で手当てします」
「わかった。連れて行こう」
移動する私達をソアリス様が見逃してくれるはずが無かった。しかし、男性陣が盾となり私達は診療所へと到着しすぐに女性の手当を行う。
「ここですか?」
彼女が挫いたのは右足首。診察室の椅子に座ってもらい2人にタオルを手渡して濡れた身体を拭いてもらっている間にしっかりと包帯で挫いた箇所を固定する。
「なるべく動かさないでください。あと騒ぎが収まるまでここにいてください」
「わかりました、ありがとうございます」
「いえいえ。これが務めですから」
足をくじいた女性とその夫の2人は診察室をゆっくりと出て受付の近くにある椅子に座る。外からはまだ剣同士がぶつかり合う音にソアリス様の叫び声が聞こえてくる。
ここでソアリス様が診療所の窓を見た。私がこっそり覗いているように気がついたようだ。これはまずい!
「シュネル!」
私は急いでカーテンを閉めた。だが彼は窓をどんどんと叩き始めた。窓ガラスが割れてしまう。
しかしながら後ろから男性陣が彼の身体を掴んで窓から引き剥がしたらしく、窓を叩く音は止んだ。
「なんで……邪魔を、するんだ!」
ここでようやくソアリス様のちゃんとした言葉が聞けた。
以前と違い、ゆっくりとしたトーンにややぼんやりとした発音になっている。
(麻痺がある? いや、これは多分麻痺じゃないな。ずっと気を失っていたから? でもあの歩き方は……)
そういえば彼は右足を引きずっている。となるとあの時頭を打った事が起因しているのか。あ、バティス兄様は首や背中も打ったかもと言っていたな。余程ダメージが大きかったのか療養所で何か起きたのかはわからないが……。
いや、今は色々彼の身体の状態について推察するどころじゃない。
「あなたがシュネルを諦めてジュリエッタなり別の女性を娶れば収まるのにそれをしないからでは?」
「うるさい!! 僕は、シュネルしかあり得ないんだ!」
ギルテット様相手でも自分のペースは崩さない。さすがに頭を打って記憶喪失になるとか性格が変わるとかそんなうまい話なんて無かったようだ。非常に残念である。
「……わかりました。俺はもう覚悟を決めています」
「なんの覚悟だ? まさか僕シュネルを奪おうと……する気か?! この人でなし!」
「いいえ、違います。最後に聞きますけど……なんであなたはシュネルをそこまで愛しているんですか?」
ギルテット様の問いに、ソアリス様は沈黙する。そして10秒後にそうだね。と口を開いた。
「恋しているから。愛しているからだよ。僕はシュネルを見て初めて美しさと恋を知ったから……かな?」
「一目惚れというやつですか?」
「ああ、そうだな。とにかく僕は一生シュネルを愛し続けるよ。だから王子。お前は邪魔だ。シャネルに近づくな!」
私は無意識にカーテンを開いて窓も開けた。雨とそよ風を少し強くしたくらいの風が屋内に入ってくる。ソアリス様がこちらへと向く。
「シュネル! さあ、僕と……一緒に!」
「……貰った!」
ソアリス様が窓を開けている無防備な私の方へと駆け寄る最中の場面をシュタイナーは逃さなかった。
シュタイナーはソアリス様の背中へ思いっきり剣で一撃を浴びせる。
彼の身体から放たれた忌まわしい血しぶきがこちらまで激しく飛んできた。
「あ……」
ソアリス様はそのままゆっくりとゆっくりとまるで糸の切れた操り人形のように膝から崩れ落ちていく。
「シュネル……シュネル……愛、して」
「汚らわしい。私は自分の事しか頭に無いあなたが大嫌いです。はやく死んでください。迷惑です」
「……そんな、シュ……」
ソアリス様の身体はぴたりと動かなくなった。彼の身体が動かなくなったのを確認してからギルテット様がソアリス様の元へと駆け寄り、首に手を当てたりして確認をする。
「……ソアリス・アイリクス伯爵の死亡を確認しました」
ソアリス・アイリクス伯爵。死亡。ギルテット様の死亡確認の後、雨足が一気に強くなった。
「シュタイナー」
「はっ、王子」
「汚れ仕事ありがとうございました」
「いえ、これが俺の仕事ですから。それにこうするしか無かったと思いますよ。だから皆気にしないでください」
「シュタイナーさん……すみませんでした」
「謝らないでください、シュネルさん」
雨足が強くなってきたので、窓を閉めた。窓を閉めた瞬間遠くで雷が落ちる音がした。
あとがき
こちらの更新に伴い第30話・ソアリスが気を失った回の描写を一部修正させていただきました。
すでに終盤に入りましたが物語はまだ続きます。完結までお付き合いくださると嬉しいです
「来なければいいんですが」
「そうですね。俺も同じ意見です」
だが、私達のこの願いはかなわなかった。
「ギルテット王子!」
先ほどの兵士が診療所へとまた戻って来た。しかも外からは悲鳴のような音も聞こえて来る。ほのかな雨だれの音を全てかき消すかのような音だ。
「きゃーー!」
「助けて! 皆、早く逃げて!!」
「まずいです。アイリクス伯爵らしき人物が剣を持ってこちらへ……!」
「わかりました! まずは皆さんの避難を優先してください!」
「了解です!」
「シュネル。あなたはここにいなさい。外へ出てはなりませんよ」
「でも、町の人達が……!」
「そうですね、勿論彼らの避難も優先すべきです。……気を付けて」
「わかりました」
私は逃げ惑う人達を見つけて診療所内へと招き入れた。ギルテット様は外に出て兵士と共に剣を持ってソアリス様がいる場所へと走り出す。まだシュタイナーとバティス兄様は近くにはいない。もしかしてまだ騒ぎに気が付いていないのだろうか?
「皆さんここにいてください!」
「わ、わかりました看護婦さん……」
逃げていた人達5名を診療所の中に入れたのを確認してからドアに厳重に鍵を閉めた。そして窓にカーテンを閉ざし隙間から外を見る。
町の出入り口の方には剣を持って右足を引きずるようにして歩く男の姿がいた。それはまさしくソアリス様だ。
「シュネル! シュネルは……どこだ!」
彼のその叫びに生気が見いだせない。シュネルと何度も名前を叫ぶ姿はまるで何かに取り憑かれたように見える。
そこへギルテット様が剣を構えているのが見えた。兵士が先にソアリス様に斬りかかる。しかしソアリス様はこれを剣で受け止めた。剣同士がぶつかる音が響く。
すると兵士の後に逃げ遅れた女性がいるのを見つけた。しかも足を怪我したのか歩けないようだ。
(どうしよう、見殺しにする訳には……!)
私は悩んだ末私は診療所のドアを開けてその女性に向けて飛び出した。
「シュネル!!」
ソアリス様が私を見つけた。まずい。切られてしまう。
しかし私とソアリス様の間にギルテット様が割って入り、剣で防御する。その隙に私は脚を伸ばして彼女の元へと駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
「すみません、足をくじいてしまって……」
「診療所で手当てします、さ、こちらへ」
私は女性の腕を肩に回し、腰に手を添えて抱きかかえるようにした状態から地面に這いつくばるようにして移動する所で目の前に騒ぎに気が付いたシュタイナーとバティス兄様が現れたのを見た。
「バティス兄様! シュタイナーさん! 大変なんです、ソアリス様が!」
「シュネル分かった! その女性を早く診療所へ!」
「はい!」
男達がソアリス様の目の前に立ちはだかる。これくらいの人数なら彼はまともに動けないはずだ。私はなんとか女性を診療所へと移動させている。すると近くの家から飛び出てきた男性が彼女をすっとお姫様抱っこしてくれた。
「うちの家内がすみません」
「奥様なんですが足をくじいたみたいで……診療所で手当てします」
「わかった。連れて行こう」
移動する私達をソアリス様が見逃してくれるはずが無かった。しかし、男性陣が盾となり私達は診療所へと到着しすぐに女性の手当を行う。
「ここですか?」
彼女が挫いたのは右足首。診察室の椅子に座ってもらい2人にタオルを手渡して濡れた身体を拭いてもらっている間にしっかりと包帯で挫いた箇所を固定する。
「なるべく動かさないでください。あと騒ぎが収まるまでここにいてください」
「わかりました、ありがとうございます」
「いえいえ。これが務めですから」
足をくじいた女性とその夫の2人は診察室をゆっくりと出て受付の近くにある椅子に座る。外からはまだ剣同士がぶつかり合う音にソアリス様の叫び声が聞こえてくる。
ここでソアリス様が診療所の窓を見た。私がこっそり覗いているように気がついたようだ。これはまずい!
「シュネル!」
私は急いでカーテンを閉めた。だが彼は窓をどんどんと叩き始めた。窓ガラスが割れてしまう。
しかしながら後ろから男性陣が彼の身体を掴んで窓から引き剥がしたらしく、窓を叩く音は止んだ。
「なんで……邪魔を、するんだ!」
ここでようやくソアリス様のちゃんとした言葉が聞けた。
以前と違い、ゆっくりとしたトーンにややぼんやりとした発音になっている。
(麻痺がある? いや、これは多分麻痺じゃないな。ずっと気を失っていたから? でもあの歩き方は……)
そういえば彼は右足を引きずっている。となるとあの時頭を打った事が起因しているのか。あ、バティス兄様は首や背中も打ったかもと言っていたな。余程ダメージが大きかったのか療養所で何か起きたのかはわからないが……。
いや、今は色々彼の身体の状態について推察するどころじゃない。
「あなたがシュネルを諦めてジュリエッタなり別の女性を娶れば収まるのにそれをしないからでは?」
「うるさい!! 僕は、シュネルしかあり得ないんだ!」
ギルテット様相手でも自分のペースは崩さない。さすがに頭を打って記憶喪失になるとか性格が変わるとかそんなうまい話なんて無かったようだ。非常に残念である。
「……わかりました。俺はもう覚悟を決めています」
「なんの覚悟だ? まさか僕シュネルを奪おうと……する気か?! この人でなし!」
「いいえ、違います。最後に聞きますけど……なんであなたはシュネルをそこまで愛しているんですか?」
ギルテット様の問いに、ソアリス様は沈黙する。そして10秒後にそうだね。と口を開いた。
「恋しているから。愛しているからだよ。僕はシュネルを見て初めて美しさと恋を知ったから……かな?」
「一目惚れというやつですか?」
「ああ、そうだな。とにかく僕は一生シュネルを愛し続けるよ。だから王子。お前は邪魔だ。シャネルに近づくな!」
私は無意識にカーテンを開いて窓も開けた。雨とそよ風を少し強くしたくらいの風が屋内に入ってくる。ソアリス様がこちらへと向く。
「シュネル! さあ、僕と……一緒に!」
「……貰った!」
ソアリス様が窓を開けている無防備な私の方へと駆け寄る最中の場面をシュタイナーは逃さなかった。
シュタイナーはソアリス様の背中へ思いっきり剣で一撃を浴びせる。
彼の身体から放たれた忌まわしい血しぶきがこちらまで激しく飛んできた。
「あ……」
ソアリス様はそのままゆっくりとゆっくりとまるで糸の切れた操り人形のように膝から崩れ落ちていく。
「シュネル……シュネル……愛、して」
「汚らわしい。私は自分の事しか頭に無いあなたが大嫌いです。はやく死んでください。迷惑です」
「……そんな、シュ……」
ソアリス様の身体はぴたりと動かなくなった。彼の身体が動かなくなったのを確認してからギルテット様がソアリス様の元へと駆け寄り、首に手を当てたりして確認をする。
「……ソアリス・アイリクス伯爵の死亡を確認しました」
ソアリス・アイリクス伯爵。死亡。ギルテット様の死亡確認の後、雨足が一気に強くなった。
「シュタイナー」
「はっ、王子」
「汚れ仕事ありがとうございました」
「いえ、これが俺の仕事ですから。それにこうするしか無かったと思いますよ。だから皆気にしないでください」
「シュタイナーさん……すみませんでした」
「謝らないでください、シュネルさん」
雨足が強くなってきたので、窓を閉めた。窓を閉めた瞬間遠くで雷が落ちる音がした。
あとがき
こちらの更新に伴い第30話・ソアリスが気を失った回の描写を一部修正させていただきました。
すでに終盤に入りましたが物語はまだ続きます。完結までお付き合いくださると嬉しいです
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