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第15話 愛人の1人
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「あなたがた、宮廷の方達?」
レンガ造りの家から出て来た若い女性は私達を訝しむような表情を見せている。
「そうでございますが、いかがなされました?」
と、侍従が若い女性に語る。若い女性は仕方ない。と言った表情でため息を吐きながら私達を家の中へと案内してくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ。あなた、格好からして平民のようだけどこれから宮廷に行くの?」
「ええ、はい。国王陛下に呼ばれて……」
「えっ、あなた何したの?!」
「実はですね……」
動揺を隠しきれない若い女性へすかさずギルテット様が説明を入れてくれた。若い女性はうんうんと頷きながら納得した表情へと変わった。
「王子を助けたのね。それなら納得だわ。表彰されて然るべきだもの」
「いえいえ。あなた……名前は?」
「ああ、自己紹介遅れてごめんなさい。私はエリンよ。あなたは?」
「私はシェリーと申します」
「シェリーね。良い名前だわ」
この家に住んでいるのはエリンただ1人。レンガ造りのこの家は1人で暮らすには広すぎると言ってもいいくらい広々としている。リビングには食卓テーブルに貴族の屋敷の食堂のように白いテーブルクロスと燭台が配置されている。またリビングの白い壁には絵画が計3つ飾られていた。
「……あれ?」
私はその絵画のうちの1つに目がいく。そこに書かれていたのはソアリス様だったからだ。彼の立ち姿が描かれた小さな絵が金で縁取られた額縁に収められている。
(ここアイリクス家の領地? いや、違うような……それともソアリス様はここに来た事がある?)
どうしよう。これは聞くべきなのか否か。この集落がアイリクス家の領地なら集落の人達がソアリス様の絵を飾っていても不思議では無いのだが。
私はリビングに併設された台所へと向かい大きな鍋に火を通し始めたエリンに声を掛ける。
「これ、どなたの絵なんです?」
「ああ、シェリー。これはアイリクス伯爵の絵よ」
「アイリクス伯爵がこの集落に来られたんですか?」
「ああ……それは……違うわ」
エリンは言葉を濁す。そこに私は嫌な予感を覚えた。
この人、まさか。
「ああ、もしかしてあんた、ソアリス様の愛人ですかい?」
シュタイナーが淀み始めた空気を剣で切るようにしてそうばっさりと口にした。
「ええ、そうよ。正しくは元・愛人ね」
エリンはソアリス様の愛人の1人だった。私の胸がずきんと痛む。あの方は私の事なんてどうでも良かったんだ。
この家から出ていきたいという衝動に駆られようとした時またシュタイナーが言葉を吐き出す。
「元・愛人ってどういう事で?」
「結論から言うと私はアイリクス伯爵を捨てたの」
……捨てた? ソアリス様に捨てられた、ではなく?
「どういう事なんですか? 捨てたというのは」
「シェリー、言葉通りの意味よ。正直に言わせてもらうとアイリクス伯爵はおかしな人過ぎた……」
「おかしな人?」
「あの人は子供を作る為だけに愛人を作っていたのだから」
「え?」
子供を作る為だけに愛人を持つ……? 正妻と幾度も夜を共にしてもなお、子供ができない場合はやむなく愛人を持つ……というのならまだ理解出来る。
しかしソアリス様は一度も私を抱いてくれなかった。なのに子供目当てに愛人を持った? 理解が出来ない。
「なんで……?」
「シェリー、私も同じ気持ちよ。だってアイリクス伯爵は奥方を一度も抱いていないと語っていたわ」
(それはそうよ。痛いくらい覚えているのだから)
「おかしくないですか? 奥方を何度も抱いてそれでも子供に恵まれないのならともかく、奥方を一度も抱いていないのに愛人を作るだなんて」
「私もシェリーと同じ気持ちだわ。だから気持ち悪くなって身を引いたのよ。彼に一度聞いた事があるわ。奥方は抱かないのかって。そしたらなんて答えたと思う?」
そうエリンに聞かれても言葉が出てこない。
「……わからないです」
「シュネルを傷つけたくないからって言うのよ。彼女を愛しているから抱くなんて無理だし彼女の身体に傷はつけさせたくない、ですって。気味が悪いわよね。抱く事は愛情を伝える手段の1つだというのに」
エリンは苦笑しながら何度もソアリス様の事を気持ち悪いと言った。確かにエリンの気持ちはなんとなく分かる。
私を傷つけたくなくて抱かなかった? 何それ。おかしな話だわ。呆れるのと同時に気味の悪さ、気持ち悪さを次第に感じ始めていく。
(何これ。気味が悪い……)
ソアリス様への不気味な気持ち悪さを隠しきれないでいたのはギルテット様とシュタイナーも同じだった。
「ソアリスは何考えているのかわかりませんね。単なる臆病者には思えませんが」
「王子の言うとおりですね。キモチワルイ」
それからはエリンが用意してくれましたシチューとパンを頂きながら話をする。エリンは早くに両親を病で失い独り身になったので王都にある娼館で娼婦として働いていた。様々な商人や下級貴族を主に相手していたようでソアリス様とは娼館で知り合い、関係を持ったのだった。
しかしこの時点でソアリス様にはジュリエッタ含め愛人は何人もいたのだとか。そしてエリンはわずか半年でソアリス様を切り、お金も貯まったので故郷であるこの集落に戻って来たのだった。
「もう娼婦には戻らないんですか?」
「ええ。シェリー。もう娼婦には戻らないわ。ここで死ぬまで暮らすつもり。お金も両親が所有していた土地もあるからね」
「そうですか……独りだと怖くないですか?」
「そうね。夜や嵐の時は怖いかも。この集落に住む男達はほとんど出稼ぎに行ってるから女や子供ばっかりなの。だから熊とか狼が出た時はいつも大騒ぎよ。でも怖さよりここでの暮らしの快適さの方が勝っているわね」
エリンはそう生き生きとした笑顔を浮かべながらシチューを美味しそうに頬張っている。シチューの色は茶色でエリン曰く昨日採れたイノシシの肉が使われているらしい。野菜はニンジンがごろっと入っている。案外癖も無く美味しくてちょっと塩気のあるパンとの相性も良い。
「ごちそうさまでした」
食事を終えると私達はまた王都に向けての移動に出る事になる。食器を片付けて支度を整えてエリンの家を出ていく。
「お疲れ様。無事に到着できる事を願っているわ」
「ありがとう。エリンさん」
「いえいえ。さっきはごめんなさいね。宮廷の人が来てたからついアイリクス伯爵家の事とか貴族や宮廷の人達の事を思い出してしまって」
「ううん、気にしないでください。それとシチュー美味しかったです」
「王子、そう言っていただけて良かったです。では」
エリンは馬車に乗り込んだ私達をさっきとは違う笑顔で手を振りながら見送ってくれたのだった。それにしてもここでソアリス様の元愛人と出くわすなんて思ってもみなかった……。彼女は半年で彼との関係を断ったが今もなお関係を持っている者はジュリエッタ含めても複数はいるのだろう。
(子供を作る為だけに愛人を作って、私は傷つけさせたくないから抱かない。それにほとんど話もしないなんてやっぱりおかしすぎる)
馬車から見える景色はまだ変わりはない。ただ王都に到着すればまたあの景色が戻って来る。
(ソアリス様に出くわしませんように……あのクソ父とジュリエッタとも会いたくないしソアリス様のご両親にも会いたくない……バティス兄様なら心配だから会ってもいいけど、どう反応するか……)
馬車はこの後も何度か休憩をはさみ、王都へと順調に向かっていく。そしてついに王都に入るとその勢いのまま宮廷へと到着したのだった。
「到着いたしました」
レンガ造りの家から出て来た若い女性は私達を訝しむような表情を見せている。
「そうでございますが、いかがなされました?」
と、侍従が若い女性に語る。若い女性は仕方ない。と言った表情でため息を吐きながら私達を家の中へと案内してくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ。あなた、格好からして平民のようだけどこれから宮廷に行くの?」
「ええ、はい。国王陛下に呼ばれて……」
「えっ、あなた何したの?!」
「実はですね……」
動揺を隠しきれない若い女性へすかさずギルテット様が説明を入れてくれた。若い女性はうんうんと頷きながら納得した表情へと変わった。
「王子を助けたのね。それなら納得だわ。表彰されて然るべきだもの」
「いえいえ。あなた……名前は?」
「ああ、自己紹介遅れてごめんなさい。私はエリンよ。あなたは?」
「私はシェリーと申します」
「シェリーね。良い名前だわ」
この家に住んでいるのはエリンただ1人。レンガ造りのこの家は1人で暮らすには広すぎると言ってもいいくらい広々としている。リビングには食卓テーブルに貴族の屋敷の食堂のように白いテーブルクロスと燭台が配置されている。またリビングの白い壁には絵画が計3つ飾られていた。
「……あれ?」
私はその絵画のうちの1つに目がいく。そこに書かれていたのはソアリス様だったからだ。彼の立ち姿が描かれた小さな絵が金で縁取られた額縁に収められている。
(ここアイリクス家の領地? いや、違うような……それともソアリス様はここに来た事がある?)
どうしよう。これは聞くべきなのか否か。この集落がアイリクス家の領地なら集落の人達がソアリス様の絵を飾っていても不思議では無いのだが。
私はリビングに併設された台所へと向かい大きな鍋に火を通し始めたエリンに声を掛ける。
「これ、どなたの絵なんです?」
「ああ、シェリー。これはアイリクス伯爵の絵よ」
「アイリクス伯爵がこの集落に来られたんですか?」
「ああ……それは……違うわ」
エリンは言葉を濁す。そこに私は嫌な予感を覚えた。
この人、まさか。
「ああ、もしかしてあんた、ソアリス様の愛人ですかい?」
シュタイナーが淀み始めた空気を剣で切るようにしてそうばっさりと口にした。
「ええ、そうよ。正しくは元・愛人ね」
エリンはソアリス様の愛人の1人だった。私の胸がずきんと痛む。あの方は私の事なんてどうでも良かったんだ。
この家から出ていきたいという衝動に駆られようとした時またシュタイナーが言葉を吐き出す。
「元・愛人ってどういう事で?」
「結論から言うと私はアイリクス伯爵を捨てたの」
……捨てた? ソアリス様に捨てられた、ではなく?
「どういう事なんですか? 捨てたというのは」
「シェリー、言葉通りの意味よ。正直に言わせてもらうとアイリクス伯爵はおかしな人過ぎた……」
「おかしな人?」
「あの人は子供を作る為だけに愛人を作っていたのだから」
「え?」
子供を作る為だけに愛人を持つ……? 正妻と幾度も夜を共にしてもなお、子供ができない場合はやむなく愛人を持つ……というのならまだ理解出来る。
しかしソアリス様は一度も私を抱いてくれなかった。なのに子供目当てに愛人を持った? 理解が出来ない。
「なんで……?」
「シェリー、私も同じ気持ちよ。だってアイリクス伯爵は奥方を一度も抱いていないと語っていたわ」
(それはそうよ。痛いくらい覚えているのだから)
「おかしくないですか? 奥方を何度も抱いてそれでも子供に恵まれないのならともかく、奥方を一度も抱いていないのに愛人を作るだなんて」
「私もシェリーと同じ気持ちだわ。だから気持ち悪くなって身を引いたのよ。彼に一度聞いた事があるわ。奥方は抱かないのかって。そしたらなんて答えたと思う?」
そうエリンに聞かれても言葉が出てこない。
「……わからないです」
「シュネルを傷つけたくないからって言うのよ。彼女を愛しているから抱くなんて無理だし彼女の身体に傷はつけさせたくない、ですって。気味が悪いわよね。抱く事は愛情を伝える手段の1つだというのに」
エリンは苦笑しながら何度もソアリス様の事を気持ち悪いと言った。確かにエリンの気持ちはなんとなく分かる。
私を傷つけたくなくて抱かなかった? 何それ。おかしな話だわ。呆れるのと同時に気味の悪さ、気持ち悪さを次第に感じ始めていく。
(何これ。気味が悪い……)
ソアリス様への不気味な気持ち悪さを隠しきれないでいたのはギルテット様とシュタイナーも同じだった。
「ソアリスは何考えているのかわかりませんね。単なる臆病者には思えませんが」
「王子の言うとおりですね。キモチワルイ」
それからはエリンが用意してくれましたシチューとパンを頂きながら話をする。エリンは早くに両親を病で失い独り身になったので王都にある娼館で娼婦として働いていた。様々な商人や下級貴族を主に相手していたようでソアリス様とは娼館で知り合い、関係を持ったのだった。
しかしこの時点でソアリス様にはジュリエッタ含め愛人は何人もいたのだとか。そしてエリンはわずか半年でソアリス様を切り、お金も貯まったので故郷であるこの集落に戻って来たのだった。
「もう娼婦には戻らないんですか?」
「ええ。シェリー。もう娼婦には戻らないわ。ここで死ぬまで暮らすつもり。お金も両親が所有していた土地もあるからね」
「そうですか……独りだと怖くないですか?」
「そうね。夜や嵐の時は怖いかも。この集落に住む男達はほとんど出稼ぎに行ってるから女や子供ばっかりなの。だから熊とか狼が出た時はいつも大騒ぎよ。でも怖さよりここでの暮らしの快適さの方が勝っているわね」
エリンはそう生き生きとした笑顔を浮かべながらシチューを美味しそうに頬張っている。シチューの色は茶色でエリン曰く昨日採れたイノシシの肉が使われているらしい。野菜はニンジンがごろっと入っている。案外癖も無く美味しくてちょっと塩気のあるパンとの相性も良い。
「ごちそうさまでした」
食事を終えると私達はまた王都に向けての移動に出る事になる。食器を片付けて支度を整えてエリンの家を出ていく。
「お疲れ様。無事に到着できる事を願っているわ」
「ありがとう。エリンさん」
「いえいえ。さっきはごめんなさいね。宮廷の人が来てたからついアイリクス伯爵家の事とか貴族や宮廷の人達の事を思い出してしまって」
「ううん、気にしないでください。それとシチュー美味しかったです」
「王子、そう言っていただけて良かったです。では」
エリンは馬車に乗り込んだ私達をさっきとは違う笑顔で手を振りながら見送ってくれたのだった。それにしてもここでソアリス様の元愛人と出くわすなんて思ってもみなかった……。彼女は半年で彼との関係を断ったが今もなお関係を持っている者はジュリエッタ含めても複数はいるのだろう。
(子供を作る為だけに愛人を作って、私は傷つけさせたくないから抱かない。それにほとんど話もしないなんてやっぱりおかしすぎる)
馬車から見える景色はまだ変わりはない。ただ王都に到着すればまたあの景色が戻って来る。
(ソアリス様に出くわしませんように……あのクソ父とジュリエッタとも会いたくないしソアリス様のご両親にも会いたくない……バティス兄様なら心配だから会ってもいいけど、どう反応するか……)
馬車はこの後も何度か休憩をはさみ、王都へと順調に向かっていく。そしてついに王都に入るとその勢いのまま宮廷へと到着したのだった。
「到着いたしました」
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